まだ油断できない! もう一度確認しておきたい「熱中症」にならないための基礎知識
FUNQ
- 2018年09月05日
じつは熱中症は真夏だけ起こるものではない。そのため、1年を通して、対策に気を遣いたいところ。今回は、熱中症を予防するための正しい水分摂取法や、熱中症に陥ったときの対処法を紹介する。
不調を感じたら早めの対策を!
熱中症の原因は、体温が放出されずに体に熱がこもること。通常、脳は体温が異常に上昇したことを察知すると、発汗量を増やして体温を下げようとするが、発汗量が体内水分喪失量の許容範囲を超えてしまうと脱水状態に陥り、体温調節を行えるだけの十分な汗がかけなくなる。その結果、体に熱がこもることで高体温状態になり、熱中症が発症する。
少しでも以下のような熱中症の兆しが現れたら、迅速な対処をすることが必要だ。
熱中症の種類とおもな症状
「熱中症」とは気温が高い環境下で生じる健康障害の総称。正確には、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病に分けられる。4つの障害が複合的、あるいはその一部が発症することもある。
熱射病
体温が異常に上昇することで高体温状態となり、中枢機能に異常をきたし、意識の混濁などが現れる
おもな症状
体温が高い(40℃前後だったら大至急、救急車を!)、呼びかけ・刺激への反応が鈍い、意識がはっきりしない、言葉が不明瞭、ふらついている
熱疲労
脱水状態に陥ることで発生する。全身に異常なダルさを感じたら運動を即中止しよう
おもな症状
全身の倦怠感、嘔吐、頭痛
熱けいれん
発汗量が急激に増えたときに真水を補給することで血中のナトリウム濃度が急激に低下したときに発生
おもな症状
足の攣り(こむら返り)、筋肉のけいれん、手足のしびれ、筋肉の硬直、筋肉痛
熱失神
ヒフの血管が一気に拡張することによって血圧が急降下し、脳への血流が減少することで発生する
おもな症状
めまいや立ちくらみ、顔の異常なほてり、顔面蒼白
熱中症になったときの対処法
●木陰や、エアコンのきいた涼しい場所へ移動する
●衣服を脱がせる
●ベルトや、コンプレッションウエアなど、体を締めつけるものをゆるめたり、脱ぐ
●冷水をかけて体を冷やす
●脚を心臓より高い位置に上げ、心臓への血流量を増やす
●首の後ろ、ワキの下、太モモのつけ根など、太い血管が走る部位を氷のうなどで冷やす
●スポーツドリンクまたは、1Lの水に対して1~2gの食塩をくわえた食塩水を飲む
こんなときは救急車を呼ぼう
□意識がはっきりしない
□体を動かせない
□水分を自力で補給できない
「毎日がウォーターローディング」の意識が熱中症を防ぐ!
ウォーターローディングとは、定期的に水分補給を行うことで、細胞内外を十分な水分で満たしておくという考えかた。この方法が熱中症の予防にどの程度有効かという科学的な根拠はいまだ十分ではない。
しかし、日頃から水分を多く補給して体内の水のタンクを満タンにしておくことで、大量に発汗しても熱中症に陥るまでの時間を先延ばしできることは期待できる。
摂取した水分はナトリウムやカリウムなどの体調を維持するうえで欠かせないミネラルも必要なので、発汗量が多いときには真水だけではなく、スポーツドリンク、ミネラル入りの麦茶など、発汗で失われるミネラルを補える飲料で行うことをおすすめする。
ただし、発汗量が少ないときにスポーツドリンクを飲みすぎると糖質過多になるおそれがあるので注意しよう。
ウォーターローディングのおすすめタイミング
1回200mlを目安に!
1.起床直後
2.朝食時
3.午前中に少なくとも1回は補給
4.昼食時
5.夕食前に少なくとも2~3回
6.夕食時
7.入浴後
8.就寝までの間に少なくとも1回
9.就寝前
運動をしない、または発汗量が少ない日は1日2L程度
運動をした、または発汗量が大量だった日は1日2L以上(スポーツドリンクの併用を!)
(出典:『Running style 9月号』)
(楠田圭子)
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