adidas/ULTRABOOST(アディダス/ウルトラブースト)2015|ランニングシューズの礎を築いた“名作”たち
RUNNING style 編集部
- 2020年01月22日
究極の衝撃吸収性をめざして!
独自の走行感を生む革新的素材「ブーストフォーム」
ぬかるんだピッチでもしっかりとグリップするサッカースパイクの取り換え式スタッドや、足の自然な動きを確保するトルションシステムなど、スポーツシューズの歴史において数々のテクノロジーを開発し、業界をリードしてきたアディダス。しかしながら、ナイキをはじめとしたライバルブランドと比較すると、クッショニングテクノロジーに関しては後塵を拝していたことは否めなかった。
2013年春、アディダスはそんな状況を打破すべく、新たなミッドソールテクノロジーを発表する。それがブーストフォームだ。ランニングシューズのエナジーブーストに初めて採用された、衝撃吸収性と反発性を高次元で両立したこの素材は、温度変化にも強く、優れた耐久性も確保。スポーツシューズのミッドソール用マテリアルとしてもっとも一般的なEVA(エチレンビニールアセテート)より、走行可能距離も大幅に伸びていたが、このテクノロジーがユーザーから高い評価を得た最大の理由は、その独自の走行感にある。「フワフワして脚に優しい気がする!」「これならいつまでも走っていられそう!」といったコメントが聞かれ、ブーストフォームは、ランナーから高い評価を得ることに成功。一躍スポーツシューズ業界でもっともポピュラーなクッショニングシステムの一つとなる。
“24/7”のトレンドに乗りプレミアムランニングシューズの絶対王者に君臨
そして2015年1月、アディダスはブーストフォームを使用した、より高機能なランニングシューズを発表する。それがウルトラブーストである。ブーストフォーム初搭載モデルとなったエナジーブーストは、ミッドソールの80%にブーストフォームを使用し、それ以外はEVA系素材を使用していたが、このウルトラブーストではミッドソールの100%にブーストフォームを使用。ワンランク上のクッション性を確保することに成功していた。さらにアッパーには伸縮性に優れ、フィッティング性能に優れたプライムニットを使用。長時間の走行でも快適な履き心地をキープした。
そして、ウルトラブーストの外観上の大きな特徴が、その洗練されたデザイン&マテリアルミックス。ハイレベルの走行性能を保持しながら、いかにもハイテクシューズといった感じではなく、適度なカジュアルテイストを有していたため、ランニングシーンからストリートシーンまでシームレスに履くことができた。
アメリカでは1足のシューズをオンオフ問わず着用するスタイルを24/7(24時間7日間の意味)と呼び、大きなトレンドとなっていたが、ウルトラブーストは、このコンセプトを象徴するシューズとなり、180ドルという高価格にもかかわらず、良好なセールスを記録した。そしてアッパーデザインをモディファイしたり、アウトソールパターンを変更するなど、マイナーチェンジを施されたウルトラブーストは、プレミアムランニングシューズの絶対王者として確固たるポジションを築くことに。
さらにシューレースを廃したウルトラブースト レースレスや、アッパーのサイドサポートパーツを取り除いたウルトラブースト アンケージドといったデザインバリエーションもリリースされたことで、その勢力をさらに拡大していった。
column
2019年春シーズンにはウルトラブーストナインティーンが登場。世界中4000人のランナーからのフィードバックとアディダスの技術の粋が高次元で融合した。
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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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