NIKE/LUNARGLIDE+(ナイキ/ルナグライド+)2009|ランニングシューズの礎を築いた“名作”たち
RUNNING style 編集部
- 2019年01月31日
新機能の採用で一躍ベストセラーに
ダイナミックサポートがあらゆるランナーに対応!
34、24、21、9。これは何の数字かというと、順番にナイキエアペガサス、アシックス ゲルカヤノ、ミズノ ウエーブライダー、そしてナイキ ルナグライドの2018年2月時点における現行モデルが、歴代で何作目にあたるかを示している。いずれのモデルもスポーツシューズ業界を代表する著名なロングセラーだ。しかしながら、ルナグライドのシリーズは販売数が一時期よりも芳しくなかったため、ルナグライド9は、日本ではNIKE idでの展開のみで、インラインでは販売されなかった。初代モデルより履き続けたシリーズだったこともあり、個人的には悲しかったが、最近ではエアペガサスをはじめとした同価格帯モデルに押されていたのは明らかだったので、仕方がない気もしたが……。
そんなルナグライドは、2009年に初代モデルが登場。ランニングシューズのルナトレーナー、バスケットボールシューズのハイパーダンクに採用され、前年の2008年にデビューした新たなミッドソールマテリアルであるルナロンを採用したランニングシューズだ。この素材は軽量性とクッション性を高次元で追求。初代モデルとなるルナグライド+は、ダイナミックサポートと呼ばれる、着地時の過度な倒れこみに悩まされるオーバープロネーションのランナーと、その心配のないニュートラルランナーの両方に対応する先進のサポートテクノロジーを1足のシューズに装備したことでも、大きな注目を集めることとなる。
世界中の人々から愛されたベストセラー
このテクノロジーは、ミッドソール中央部の柔軟で角度のついたウェッジ形のフォームを、外側の硬めのフォームで覆った構造を採用しており、ニュートラルランナーには高いクッション性を提供するいっぽうで、オーバープロネーションのランナーには過度の脚の倒れこみを防止し、着地から蹴りだしまでを正しくサポートしてくれた。筆者は、普段はニュートラルタイプのシューズで問題ないが、フルマラソンの後半になるとオーバープロネーションの傾向が現われることがあったので、そんなランナーにも、このダイナミックサポートは最適だった。このように高い機能性、そして豊富なカラーバリエーションを取り揃えたことでも世界中のランナーを魅了したナイキ ルナグライド+は、ワールドワイドで150万足を売り上げるなど、一躍ランニングカテゴリーのベストセラーの一角を占めることとなったのである。
筆者は2011年1月23日に行われた第5回湘南国際マラソンにおいて、3時間56分09秒でゴールし、初のサブ4を達成したが、そのときに履いていたのが、このルナグライド+であった。そんなこともあって、ルナグライド+3など後継モデルが登場して以降も、2年ほどは8足所有していた初代ルナグライドが、自分にとってのメインのランニングシューズであり続けた。そして昨年末に、とある筋から聞こえてきたのは、日本での展開だけでなく、第9弾モデルをもってルナグライドは終了するというニュース。2018年2月22日に日本で発売されたナイキ エピック リアクト フライニットあたりがその後継モデルとなる感じだろうか。いずれにしろ一時代を築いたシリーズの終焉だけに、寂しく思うランナーは少なくないだろう。
column
ナイキ リアクトを装備したナイキ エピック リアクト フライニット。このカラーはルナグライド6のウイメンズモデルを想起させる。
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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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