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new balance/M1500(ニューバランス/M1500)1989|ランニングシューズの礎を築いた“名作”たち

機能性を飛躍的に向上した1000番台シリーズの第2弾

当時の最先端テクノロジーのすべてを結集したハイパフォーマンスモデル

1982年リリースのM990、1985年登場のM1300は、ニューバランスのみならず、その当時のランニングシューズ全体でもトップクラスの機能性を誇るモデルであった。これらモデルのリリースにより、ニューバランスはその機能面における優位性を確固たるものとして、ランニングシューズのテクノロジーをリードする存在となった。

M990の後継モデルは、1986年登場のM995、1988年登場のM996と順調に発表されていったが、1000番台のほうはM1400がサンプル生産までは順調だったものの、量産化の段階でいくつかの問題が発生したことで発売中止に。そのため、M1300の後継モデルの登場は、1989年まで待たなければならなかった。それが大幅な機能性の向上に成功したM1500である。

このモデルはニューバランスが誇る当時の最先端テクノロジーのすべてを結集。画期的な一体成型ミッドソールに、立体的なENCAPを採用することで、クッション性、安定性の向上に成功した。乳白色でシンプルだったM1300のミッドソールと対照的なM1500のマルチカラーのミッドソールは、視覚的にもそのハイパフォーマンスを主張するものだった。

小さ目の刺繍ロゴは賛否両論だった!

ミッドソールのカカト部分を上部に巻き上げる構造は、M990やM1300のように外付けのプラスチック製スタビライザーパーツを使用することなく、カカト部分の高い安定性を確保することとなった。アッパーに目を移すとグレーベースにネービーを組み合わせたカラーコンビネーションは、基本的にスティールブルーの単色であった前作M1300から大きく変貌。全体的にハイテクをイメージさせるデザインにまとめられているが、細部のディテールで注目を集めたのは、なんといっても従来よりも小さめなNロゴだった。それも貼り付けタイプではなく、直接アッパーに刺繍されている点が印象的だった。

しかし、この意匠に関しては賛否両論だった。「新たなニューバランスのデザインアプローチが感じられていい!」という声があるいっぽうで、「クラシックで落ち着いたデザインと高機能の融合こそがニューバランスの魅力なのに……」とう意見も少なくなかった。こうして槍玉に挙げられたスモールNは、後継モデルのM1600、M1700にも継承されたが、日本の守旧派のニューバランスファンにはしばらく受け入れられず、それが日本主導でM1400がリリースされる要因のひとつとなったのである。

そんなM1500だが、その走行性能は秀逸だった。反発性こそM1500を上回るモデルは少なくなかったが、衝撃吸収性や安定性、着地から蹴りだしまでのサポート性といった点では、1989年当時のランニングシューズではトップクラスの性能を誇っていたのである。

デビューから30年余りが経過した現在、M1500はストリートシーンで人気となっている。オリジナルが発売された当時、「アッパーサイドのNロゴが小さなニューバランスのランニングシューズなんて履きたくない!」といっていた、現在40代以上となったスニーカーフリークの間においても、”適度にクラシックで適度にハイテク”なM1500のデザインは支持されており、復刻の度に良好なセールスを記録しているのである。

column

現在もストリートシーンにおいて根強い人気を誇っているニューバランスのM1500。近年復刻されたモデルはアメリカ製ではなく、イングランド製であった。

new balance(ニューバランス)を歴史や名作、テクノロジーから振り返る|ランニングシューズブランド名鑑

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2020年03月15日

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RUNNING style 編集部

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ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。

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