MIZUNO／WAVE RIDER（ミズノ／ウエーブライダー）1997｜ランニングシューズの礎を築いた“名作”たち

RUNNING style 編集部

2020年02月19日

“ミズノウエーブ”を搭載し、革新的なシューズとして脚光を浴びた

ランナーの要望を高いレベルで実現！

ほぼ毎日走るようになった当初は足の保護性を重視したシューズ選びを行っていた。そこから徐々に脚力が向上するようになり、ハーフマラソンをはじめとしたロードレースにも頻繁にエントリーするように。そうなると、シューズに対して反発性も求めるようになっていった。

そんなときに出会ったのがミズノの「ウエーブライダー11」。実際に履いて走ってみると、優れた衝撃吸収性にくわえて高い反発性を感じることができ、その足裏を押し返すような感覚は、シューズが「もっと速く走って！」と、応援してくれるようだった。それからはその力強い反発力に惚れ、ヘビーローテで履くようになった。

2009年3月の静岡駿府マラソンでは、1時間50分切りを狙って、「ウエーブライダー11」よりも上級モデルとなる「ウエーブイダテン3」を履いて臨んだ。結果こそ1時間50分40秒に終わり、残念ながら目標達成はならなかったが、このシューズは5分／kmよりも速いペースで走ることの楽しさを教えてくれた。そういう意味でも、自分のランニングシューズヒストリーにおいて重要なポジションにある。

クッション性と安定性の両立に成功したテクノロジー

これらミズノのシューズに共通しているテクノロジーがミズノウエーブである。その名のとおり、波型の合成樹脂をカカト部のミッドソール部分に配したテクノロジーだ。自分が体感したような高い反発性も大きな特徴だが、衝撃吸収性と安定性を両立したことが、このテクノロジーが正式発表された1997年に大きな話題となった。

当時のスポーツシューズ業界の常識では、クッション性を高めると安定性を損ない、安定性を高めると十分なクッション性を得られないといわれていた。そのため、多くのブランドがさまざまなテクノロジーやパーツを開発し、衝撃吸収性と安定性の両立を目指したが、ランナーが本当の意味で満足するシューズはなかなか登場しなかった。このような状況下で登場したのがミズノウエーブだったのである。

このテクノロジーは、1985年にリリースされた「マンチェスター」というランニングシューズに搭載された独自の波型プレートであるマジカルクロスをベースに開発がスタート。マジカルクロスが追求した衝撃吸収性、安定性、そして横ブレに対する剛性が、ミズノウエーブの完成によって大きく向上した。1997年末にリリースされた「ウエーブライダー」では、着地時の高い衝撃吸収性と反発性にくわえ、優れた安定性をも提供することに成功していた。

この初代ウエーブライダーはアメリカやヨーロッパのマーケットにおいてもリリースされたが、日本のランナーはもちろん、欧米のランナーからも高い支持を獲得。続く1999年にリリースされた第2弾モデルの「ウエーブライダー2」では、ランナーズワールド誌のシューズレビューにおいて、担当編集者がピックアップする「エディターズチョイス」を獲得。その高い機能性が海外のランナーにも受け入れられたことが証明された。

その後もウエーブライダーはシーズンごとに機能性を向上させていき、ミズノのランニングシューズを代表するロングセラーとなったことはご存じのとおり。現在は第18弾モデルの「ウエーブライダー18」が展開されているが、高い軽量性とフィット感もプラスされたことによって、ランニングシューズのセールスランキングの上位に名を連ねている。