脚の引き上げが弱い|お悩み別ランニングフォーム改善トレーニング集
RUNNING style 編集部
- 2023年03月11日
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プロのコーチが読者ランナーのフォームをチェックし改善メニューを提案してきたRunning Styleの好評連載企画から、よくあるお悩み別に改善メニューをまとめてみました。あなたのフォームとそっくりな読者ランナーが見つかるかも? メニューを参考にフォームを改善して、快適ランを手に入れましょう! 今回のテーマは「脚の引き上げ不足」です。モモを大きく上げたダイナミックな脚運びにフォームを改善すると、ストライドが伸びスピードアップを実感することができるはずです。まずは原因を確認し、改善ドリルに取り組んでみましょう。
チャレンジャー小野愛子さんのケース
ランニング歴3年の小野さんは、週2〜3回トレーニングに取り組み、順調に記録を更新中。次の大会に向けてスピードを強化したいと考えています。フォームは股関節から脚を動かす意識が弱いため、モモの引き上げが不足しコンパクトなストライドになってしまっています。
【フォーム改善1】下半身の柔軟性を高めるエクササイズ
股関節まわりの柔軟性を高めるエクササイズ。片足を股関節から横に広げながら、大きな円を描く意識で旋回させます。ヒザをうしろに引いてから、グルッと脚を大きく回しましょう。なるべくヒザを高く上げることがポイント。パートナーがいるときは、円の中心を作ってもらい脚が触れないように円を描きます。股関節の付け根から動かす意識をもつことが重要です。
さらに、こちらのストレッチも有効。柱など捕まるものがある場所で片腕を支え、上体をひねることで肩周りから胸の筋肉をストレッチさせます。上のストレッチと合わせて走る前にリズムよく各30秒ずつ行いましょう。
【フォーム改善2】ダイナミックさを体得するスキップドリル
体に大きな動きを覚え込ませながら、筋力強化も図るドリル。大きく腕を振り上げて、スキップ動作を繰り返します。このとき、天井から頭が引っ張られているイメージで腸腰筋から太モモを上へ引き上げる意識をもちましょう。5〜10回大きくスキップしたのち、前傾姿勢を意識しながら、ランニング動作へ移行します。
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チャレンジャー齊藤大志さんのケース
次の大会でサブ4達成を目標にトレーニングを重ねている齊藤さん。目標達成のカギは股関節まわりの硬さを解消して、ダイナミックなフォームを手に入れることにあると真鍋コーチは指摘しました。股関節の可動域を広げるドリルに取り組んでいきます。
【フォーム改善1】股関節を刺激する
脚の引き上げ時に使われる股関節の付け根の腸腰筋を刺激し、ダイナミックな脚の軌道へと導くエクササイズです。壁に体重を預け、お腹まわりに力を入れて、頭から足先までを一直線に維持します。この状態から、壁を押すようにして、片脚10回ずつグッと引き上げてください。ランニング時では、ここまで引き上げることがないので、腸腰筋を効果的に鍛えられます。
【フォーム改善2】ダイナミックな脚の動きを習得
骨盤を軸に、ダイナミックな脚の動きを習得できるエクササイズ。まず、リラックスした垂直姿勢を作りましょう。股関節の付け根から引き上げ、ハムストリングスで蹴り返すイメージで、大きな脚の軌道を作り、車輪になったかのようにスムースにまわしていきます。
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チャレンジャー笹倉康助さんのケース
学生時代にサッカーの経験もある笹倉さんの希望は、故障の少ないフォームの習得。着地の際の沈み込みが大きい点のほか、股関節が硬いためか脚の引き上げが弱い点が気になります。
【フォーム改善1】モモの引き上げを強化するバウンディング
下半身だけでなく、上半身の力も使いながら、斜め上方に向かって大きく跳びはねます。このとき、股関節からモモの引き上げを意識できるとより効果的です。左右の脚を交互に接地しながら移動しましょう。姿勢が前傾しすぎたり後傾してしまうと、脚への負担が大きくなるので気をつけましょう。ラン前に10ステップほど行います。
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チャレンジャー鞍留佳代子さんのケース
積極的に大会に参加している鞍留さん。サブ4達成後、記録が更新できず伸び悩んでいるとのことです。真鍋コーチのフォーム診断では、脚の引き上げが不足し、地面を擦るような脚運びが推進力不足の一因になっていると指摘されました。そのほかにも蹴り出しの力が弱いことも気になります。
【フォーム改善1】脚の付け根から高く引き上げる動きづくり
脚の大きな動きを身につけるエクササイズ。まず、両ヒザをつけた状態で、両手は肩幅よりもやや広げたポジションからスタートします。そして、左右の脚を前後に切り替えることで、脚が引き上がるようになります。ポイントは、太モモの付け根の腸腰筋を意識して引き上げること。慣れてきたら、なるべく早くリズムよく脚を切り替え、10〜20回ほど実施しましょう。
【フォーム改善2】脚の引き上げと蹴り出しの複合エクササイズ
一つ目と二つ目のエクササイズを組み合わせ、階段を利用した実践的なドリル。太モモの付け根から脚を引き上げると同時に、蹴り出しを意識して取り組みましょう。はじめは、一歩ずつ確実に行いたいため、ゆっくり徒歩から取り組みます。徐々にペースを上げていき、最終的に速い動きでトントントンとリズミカルに行えるようにしましょう。
▼さらに詳しい鞍留さんのフォーム改善エクササイズはこちら
チャレンジャー藤本修平さんのケース
サッカーと野球の経験がある藤本さん。レース後半のペースダウンを改善してサブ3.15を目指して日々トレーニング中です。適切な前傾姿勢をとれているものの、腕の引きやヒザの上がりが弱いとコーチは指摘。よりダイナミックなフォームを手に入れてスピードアップと後半のペースキープを狙います。
【フォーム改善1】腸腰筋の柔軟性を高めつつ、体幹も鍛える強化ドリル
脚の引き上げ動作により、ダイナミックな脚運びを身につけるドリル。片脚でバランスを取りながら、脚を前後に大きく動かします。脚を上げたら、うしろへ引く動きを繰り返すことで、太モモの付け根の腸腰筋を意識でき、ヒザを高く引き上げることができます。さらに、上体が左右にブレないように体幹を意識しましょう。左右10〜15回ずつ行います。
【フォーム改善2】股関節まわりの可動域を広げるエクササイズ
股関節の柔軟性を高めるエクササイズ。まず、左脚を前方に出して、左肩ヒジと位置を揃えるように沈み込むと、左股関節の裏側と右股関節の表側がストレッチされます。次に、脚に腕をクロスさせた状態で、上体を前後に動かしながら10〜20秒、じっくりと股関節まわりを伸ばします。ランニング前後に左右バランスよく行いましょう。
▼さらに詳しい藤本さんのフォーム改善エクササイズはこちら
記録が伸び悩んでいる方に、とくにチェックすることをおすすめしたいのがモモ上げの不足です。適切に改善すればストライドが伸び、推進力をより感じながら走ることができるはずです。原因を確認して、改善ドリルをランニング前後に取り入れてみましょう!
コーチ紹介
真鍋未央
現役時代、資生堂で実業団選手として活動した経歴をもつランニングアドバイザー。現在は、楽しく、美しく、速くをモットーに、クラブや企業などを対象にしたランニングイベントを開催。
公式ブログ:「Miobiyori 〜Beautiful Running Life〜」
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PROFILE
RUNNING style 編集部
ランニング初心者から、サブ4を目指す中級者まで楽しめるランニング専門マガジン。トレーニングやアイテムの紹介、トレイルラン、イベントまでさまざまな情報をお届けする。
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