東京湾のタチウオジギング ~探り方の基本と応用編~
SALT WORLD 編集部
- 2020年10月17日
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夏から晩冬に掛けて楽しめる東京湾のタチウオジギング。手軽でありながら、数を釣ったり、パターンを掴むといったことを考えると奥が深く、人気の釣り物である。ここではタックル編に続きタチウオジギングの攻略法をお伝えしたい。
夏は手返し良く探ること
夏から晩冬に掛けて楽しめる東京湾のタチウオジギング。手軽でありながら、数を釣ったり、パターンを掴むといったことを考えると奥が深く、人気の釣り物である。ここではタックル編に続きタチウオジギングの攻略法をお伝えしたい。
まず夏シーズンは、浅場がポイントになる。水深はおおむね、50m、60mだが、時には15mといった浅場を探ることもある。そこで使用ジグは80〜130gほどがメインとなる。浅場ではもっと軽いジグでも攻略できるが、ジグウエイトは船宿によって合わせて使用することもあるので、釣行前に船宿に確認しておくとよい。
水深が極端に浅い場合は、ジグをキャストして広く探ったり、バイブレーションやワンド釣法も効果的。ベイトタックルでのキャスティングに慣れていない人は、ピニングタックルをセレクトしても良いだろう。キャストする際は、タックルの破損、周囲の人とトラブルを避けるためにアンダーキャストし、隣の人とのナインクロスしない位置に投入すること。
ちなみに夏場のタチウオで数を伸ばすには、素早くタナまで落とし、手返し良く探っていくことが重要となる。
探り方は、船長から指示されたタナにしっかりとジグを通すことが重要となる。船長のアナウンスを聞き、その層の少し下までジグを落とし探る。ボトム周辺であれば、いったんボトムまで落とししゃくってくる。しゃくり方はワンピッチ、ショートピッチ、ただ巻きなど。ジグのフォールでアタってくることもあるので、常に気を抜かず、キャストした場合は、サミングしながらラインの動きに注意する。
タチウオは当りパターンを見つけることで、一人連続ヒットということになりやすい魚。いろいろとしゃくりを試し、その時に一番良いパターンを探していくことが大切である。
強烈な引きを楽しめる冬
冬のタチウオは、冬のタチウオは、60m、80m、時には200m近い水深を探っていくことになる。ジグも130g、150g、180g、200gなどと重くなり、常にジグを動かし続けて探っていくには体力を要するが、しゃくっていると根掛かりしたように「ドスン」とヒットがあり、ファイト中もグングンと下へ下へと引くのが魅力である。
また水深があることで、レンジをしっかりと探らないと食わせられないことも多い。ヒットレンジを見極め、そのレンジの中でしっかりとジグを追わせられれば連続ヒットへと繋がる。そんな引きの強さと難しさがあることから、エキスパートはこの冬の釣りを好む人が多い。
ちなみに冬のタチウオの探り方は、夏場のジグでの探り方と同様、ワンピッチ、ショートピッチ、ただ巻きとなる。ジャークの組み合わせなども行い、その時の当たりジャーク、速度を探していく。周りでヒットしている人がいれば、その人の動かし方を参考にするのも、ひとつの手だ。
また夏場、冬場ともに言えるのが、フォールでのアタリを取ることが重要ということ。フォール時は、ただ落とすだけでなく、ラインをサミングして、僅かなアタリも逃さないようにしたい。ジグのフォールが少しでも止まれば、聞きアワセして、ジグにタチウオが喰いついているか確かめたい。
さらにタチウオはヒット後、喰い上げてくることがある。ファイト中に、「あれバレた?」となっても、実は喰い上げているといったことが多い。「あれ? 外れた?」となっても、バレたと判断せず、素早く巻き上げる。すると意外とタチウオはジグについているということが多いのだ。
ジグセレクトは素早く沈むものがベスト
ジグは探る水深、潮の速さによって選んでいく。船長が指示したグラム数があれば、まずそのウエイトで探り、底が取りにくい、ジグが流されてしまうと感じたら、ジグを重くしていけば良いだろう。ちなみに冬場の深い場所の久里浜沖200mを探る場合は、自ずと200g以上となる。
形状としては、テール側にウエイトが配分されていて、素早く落ちるものが良い。観音崎沖や久里浜沖は、東京湾の入り口のため、潮が速い時も多い。素早くフォールするジグのほうが、船長の投入の合図とともに、タチウオの遊泳層を直撃できるだろう。だが時にはヒラヒラと落ちるジグに反応することもある。そのようなジグも数本用意しておくと良いだろう。
また出来る限り巻きでタチウオを追わせて掛けたい。それは追わせてテールフックに掛けたほうが、引きをより味わえるということ。そしてテールに掛けることで、ファイト中のラインブレイクが減るからだ。フロントのアシストフックに掛かると、どうしてもタチウオの歯によるリーダーブレイクの可能性が増す。よりジグのロスを無くすための考えだ。
しゃくり方の基本とタチウオとのファイト
ちなみにしゃくりの基本は、ワンピッチジャークを速度を変えつつ色々と試していく。しゃくり幅を時に大きく時にすごく小さくしたりと変化させたり、ロッドはほとんど動かさずに、リールのハンドルの強弱だけでしゃくったりする。また巻きの後にピタリと止めるといったことも行う。
さらにタチウオジギングの際、タックルは数本用意したい。これはラインブレイクしても素早く次の一投を投入できるからだ。また、攻略のひとつとして、ギヤ比の異なったリールをセットした道具を用意しておくのも良い。これはギヤ比の違いで、ジャーク速度が変わるため。ラインの巻き取る手の速度や、ロッドをしゃくり上げる速度の調整だけでも、色々な誘いのパターンを演出できるが、ギヤ比の違うリールを使うことで、より誘いの幅が広がる。ローギヤのリールを使っている人ばかりアタるというタイミングもあるのだ。
さらにロッドのアクションの違いでヒット率が異なる場合もある。いくつかタックルを持っていくのは、そんな理由がある。それがこの釣りの奥深さでもあり、面白い部分でもある。
探る層は、指示されたタナが中層なら、その下10m、上20mほど。またその層でアタリが無ければ、さらに広く探るようにする。ボトム付近なら、ボトムから20〜30mは探る。タチウオの反応は、すぐに移動する。広く探ることで、そんな移動に対処できる場合もある。
また確実にランディングするためには、ヒット後はロッドを目線の位置でキープし、タチウオの動きに合わせてラインを巻き取ってくる。口が柔らかいタチウオは、ポンピングを行うとフックが外れてしまうことが多い。
そしてタチウオが船べりまで寄ったら、抜き上げて、素早くジグを外し、次の一投に転じる。タチウオの活性が高い時間帯は、一定の時間ということも多い。その時間の中で数を稼ぐためのコツだ。抜き上げをする時は周囲の安全をしっかり確認しよう。抜き上げの際に、フックからタチウオが外れてしまうこともあるので、充分注意したい。また大型サイズのものは、無理に抜き上げず、リーダーを持って一気に抜き上げるか、時にはネットやギャフを用意してもらおう。
このようにいくつかの基本と、パターンの探究心があれば、良い釣りが期待できる東京湾のタチウオジギング。釣果を得るのは簡単な時もあるが、釣果を同船者よりも伸ばすとなると簡単ではない。しかしあれこれ考え、テクニックを駆使することで釣果は伸びる。そんなところが、この釣りの最大の魅力だ。
これから良型が釣れる秋から冬のシーズンに突入する。ぜひチェレンジしてほしい。
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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