ハイギア VS ローギア。リールのギア比について考える【ソルトワールド基礎講座】
SALT WORLD 編集部
- 2020年02月26日
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スピニングリールであれ、ベイトリールであれ、ギア比は購入する際の重要なチェックポイント。今回はギア比について考えてみましょう。
ギア比とは?
ギア比とは、ハンドルを一回転した時にスプール(ローター)が何回ラインを巻き取るかという比率。例えば1:5なら、ハンドルひと回しでスプールが5回転するということです。なかにはフライリールのように1:1というものもありますが、これは特殊なケース。現在ソルトウォーター用に販売されているリールには、ノーマルギア(ギア比6前後)を中心に、エクストラハイギア(XG、XHなどと表記。ギア比は6~9)、ハイギア(HG、Hなどと表記。同5~7)、ローギア(PG、Pなどと表記。同4~6)の4タイプが存在します。
これを見て「ん? それぞれのギア比がかぶっているのはなぜ?」と思われるかもしれませんが、これはメーカーごと、機種ごとに「速さ」の基準が異なるから。例えばダイワのカタログには、小型スピニングリールの表記として「P=ギア比4.9以下」「ノーマル=5.0~5.4」「H=5.5~5.9」「XH=6.0以上」という基準が載っていますが、この数値はほかのメーカー、ほかの製品群でも同じとは限りません。
正確に知るには巻取り量をチェック
ギア比とは、あくまでも回転比率を表したもので、同じギア比でもスプールの大きさによって実質的な巻取り速度は変わります。
では、リールの正確な巻取り速度はどうやって知ればよいのかというと、スペック表にある「最大巻取り長」という項目を合わせてチェックすればOKです。この数字は、ハンドルを一回まわした時に、何センチのラインを巻き取ることができるかを表しています。一例としてシマノ6000番のスピニングリールは、ローギア(PG)が83センチ、ハイギアが103センチ、エクストラハイギアが112センチです。仮に100mを巻き取るとしたら、ローギアとエクストラハイギアではローギアのほうが30回ほど余計にハンドルを回さなければならないということですね。この数値はギア比とスプール径を考慮したうえでの巻取り量ですから、メーカーや機種が違っても客観的に巻取り速度を比較することが可能です。
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ハイギアとローギア、どっちが有利?
ここまでわかったら、次に考えるのはどっちが有利なのだろう?ということですよね。
結論から言えば「ケースバイケース」です。あくまでも同一サイズのリールを比較した場合ですが、ハイギアリールのメリットは巻き取り速度が速いこと。しかしハンドルを巻くのにはより大きな力が必要です。ただこの巻きの抵抗感ゆえ、水中の変化(潮流や魚のアタリ)を感じ取りやすく、リールでアタリを取ることが容易になります。速い動きで誘う釣りや素早い回収が必要な釣り、リールの感度が求められる釣りにはハイギアが有利と言えるでしょう。食い上げ等で素早くラインスラックを取るケースでも、巻取りの速いリールが有利です。
いっぽうローギアのメリットは、一定のレンジをゆっくり引けることと、パワーギアと呼ばれる通り、巻取りが軽くて楽なこと。船長の合図で仕掛けを回収したり、長い距離を巻き取ったりするときは難儀することもありますが、スローな動きで誘いたいときや、重いジグやタイラバをディープで操作するときにはこのパワーがメリットになります。
巻取りの速さと軽さ、誘いのスピードをイメージして選択
前述した通り、どちらを選択するかはケースバイケース。自分の釣りスタイルにどちらが適合するかということで選べば良いでしょう。もちろん、とくにこだわりがない場合はどちらかに決める必要はありません。ノーマルギアを選択して、その場その場の状況に合わせて速く巻いたり、ゆっくり巻いたりすることで対応すれば良いでしょう。
またここまでは、リールのサイズが同じなら、という前提でしたが、リール(スプール)のサイズが違う場合、ローギアでスプール径が大きいリールと、ハイギアでスプール径が小さいリールとでは、ハンドル一回転の巻取り長はそれほど変わらないこともあります。巻きの速さか、それともギアの特性か。どちらを優先するかによって、最適な1台を選んでください。
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PROFILE
SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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