マグロキャスティングゲームの第一人者。佐藤偉知郎のラインシステムが知りたい!
SALT WORLD 編集部
- 2021年06月30日
マグロキャスティングゲームの第一人者である佐藤偉知郎氏が組むラインシステムは、通称〝16ノット〞と呼ばれ、長きに渡りこの結束方法を愛用している。ベースになっているのはミッドノット。往きにPEラインを巻きつける回数が、ミッドノットでは12回のところを16回に増やしているのが最大の特徴だ(5号以上の場合。それ以下の場合は17〜20回が目安)。〝16ノット〞を覚えるなら、速く、綺麗に、もちろん強くできるよう、繰り返しの練習が必要だ。そして、ダブルクリンチノットは、リーダーとルアー(厳密にはスイベル)の結節で、アルティメットリーダーを使用しない場合の結び方。佐藤偉知郎氏は手前のループに通すのが改良ポイント。
16ノット(PEライン×リーダーを結ぶ)
佐藤偉知郎氏のラインシステム〝16ノット〞。繰り返しの練習で早く、綺麗に、そして強く、できるようになろう!
16ノットの結び方
01 締め込む際の摩擦熱を逃がすため、また完全に締め込むために白色ワセリンを使用する。
02 PEラインの先端1mくらいに、左手の親指と人さし指を使って白色ワセリンを塗り込む。繊維のなかに入れ込むように塗り込んでいく。
03 リーダー先端から5㎝くらいのところで、PEラインとリーダーを押さえ、被せるように巻きつけていく。PEラインは1mくらい出しておく。
04 巻きこむ間隔は、PEライン1〜2本くらいの隙間を意識し、1回1回しっかりテンションをかけて巻き付けていく。16回、巻きつける。
05 ワセリンをしみ込ませることによって、手を離しても密着している。きっちり等間隔で、同じテンションで巻きつけることができる。
06 巻き返しを始める。とくに一回転目は、最初に巻きつけたラインの角度と同じになるよう、細心の注意をもって折り返すことが大切。
07 折り返しから数え往きのライン2回分のスペースに密巻き6回を施す。7回目以降は往きのラインと同じ角度でクロスさせるように巻く。
08 密巻き6回、クロス巻12回、計18回を巻いたあと、往きの2巻き分が残ったスペースで6回、密に巻く。折り返しは合計24回の巻き付けになる。
09 最後の一回で上からかぶせるようにハーフヒッチ1回を施し、仮止めをする。ここまでくれば両手を離してもバラけない。
10 ハーフヒッチでの網み付け工程に入る。PEラインの本線を左足に4〜5回巻きつけて固定する。
11 左足を伸ばしてPE本線側を向こうに、リーダー側を手前にしてピンと張り、左手の親指と人さし指でノット部を固定する。
12 交互になるよう下から通して2回目のハーフヒッチを施す。以降、1回1回交互にハーフヒッチを施す。毎回、キッチリとテンションを掛ける。
13 合計10回ハーフヒッチを施したら締め込みに移る。締め込む前にノット部分全体に大量にワセリンを塗り込む。たっぷり塗ってOK。
14 締め具にPEラインを巻きつける。このとき摩擦熱で弱くなることを防止するため、PEラインを重ねないよう気をつける。
15 20回を目安に巻く。巻く回数を多くして締め具との摩擦でラインが止まるようにする。
16 もう一方の締め用の棒に、リーダーを5〜6回巻きつける。2つの締め具の間隔はトータルで50㎝くらいが目安となる。
17 締め具を両足の裏で押さえて固定する。床は軟らかい素材のところが理想的。佐藤の場合、ノット部は地上から20㎝くらいにある。
18 ゆっくり締め始める。ノット部がクルクルと締まっていくのが確認できるが一気には締めない。止めて熱を逃がし、締まるのを待つ作業を繰り返していく。
19 とくに始めはゆっくり待つ。佐藤の場合は7〜8回で締め込むが、慣れない人であれば、20回ほどに分けて全体を締め込むとよい。
20 最後はラインの最大強力くらいで締める。この力で引いて切れるようであれば、どこかに問題がある。締め込めたら余分なワセリンを拭き取る。
21 締め具からPE本線、リーダーを外し、PE本線をふたたび左足に巻き付けて固定、ハーフヒッチをやりやすい状態にする。
22 PE本線だけにハーフヒッチを施していく。最初は上から、次は下からと交互に1回ずつしっかり締め込んでいく。
23 交互に合計で40回。これでノット本体部分とほぼ同じ長さになる。
24 留め用としてダブルのハーフヒッチを、交互に2回施す。これは3回でもよい。
25 編み付け終わった部分を爪で押さえ、手前に引っ張るイメージでしごく。編み付け部分を詰めるようなイメージで行う。
26 詰め終わった編み付けの最後のところギリギリに、ダンゴ(片結び・8の字結び)を作って止める。
27 編み付け部分を戻すようにしてダンゴに密着させる。これで緩むことはまずない。PEラインを7〜8㎜ほど残してカットする。
28 リーダーの先端部分をカットするが、その前に左手の親指と人さし指を使い、根元までしっかりしごいて整えておく。
29 万にひとつを考え、ペンチの歯の部分を使って余りのリーダー部に傷をつけ、滑り止めを施す。触って分かるかどうかの微妙な傷でよい。
30 本線の編み付け部分の1/3強の位置を目安に、ノットに寄りそうように斜めにカットして完成。
ダブルクリンチノット(改)(リーダー×ルアーを結ぶ)
リーダーとルアー(厳密にはスイベル)の結節で、アルティメットリーダーを使用しない場合の結び方。通常のダブルクリンチノットでは、リーダーの先端を2回巻きつけたループに通すが、佐藤偉知郎氏は手前のループに通すのが改良ポイントだ。
ダブルクリンチノット(改)の結び方
01 ルアーにスイベル&スプリットリングを付けた状態からスタート。リーダー先端を30㎝ほどスイベルに通す。
02 左手でスイベルとリーダーを押さえたまま、リーダー先端をもう一回スイベルに通してループを作る。
03 ループを直径1㎝くらいに縮め、しっかり左手で押さえたまま、リーダー先端を本線に6〜7回巻きつける。
04 全体がバラけないよう注意し、巻きつけることで新しくできた手前のループに先端を通し10㎝ほど抜き進める。
05 リーダー先端を手前に折り返し、巻き付けた部分をまたぐようにして、大きく出来た新しいループに通す。
06 ノット全体がバラけないよう注意して形を整えながら、ゆっくりと締めていく。
07 ある程度形が決まったら、左手の親指と人さし指でワセリンをノット全体に塗り込む。
08 リーダー先端を歯でくわえ、左手、右手と三方から力を入れて、ゆっくり締めていく。
09 口を使って締め込むのは、このくらいまで。
10 完全に締め込むため、力を十分にかけられる、適当なところにフックを引っかける。
11 束ねた締め具に、すべらないように6〜7回、リーダーを巻きつけて固定する。
12 左手で締め具を握り、リーダーのヒゲをペンチで挟み締め込んでいく。まずはペンチで上に引き上げる。
13 つぎにペンチで下に引きおろす。以降、右手と左手を交互に力を入れ、ペンチを上下させて締め込んでいく。
14 途中で締まりやすいように、ノットを下にこき下ろす。ペンチの歯のないところを使って、リーダーを傷つけないようにすること。
15 ペンチで締める、ノットをこき下ろすを交互に行い、8割方締まったと思えたら両手でしっかり締め込む。
16 締まり具合をチェックし、足りないようであればペンチ作業、両手での締め込みを繰り返す。
17 もう締め込めない、という状況までいったら、ズレ防止のため、ペンチの歯を使って結びしろに傷をつける。
18 1㎝弱の余分を残し、ペンチで先端をカットして完成。
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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