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トカラ諸島&奄美大島のGTキャスティング

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トカラ列島&奄美大島GTゲーム、舞台の特徴

屋久島と奄美大島間に位置し、有人7島、無人5島の計12の島々からなるトカラ列島。南西諸島のうち薩南諸島の一部を構成し、行政区分としては鹿児島県十島村に属する。最北の口之島から最南の横当島まで、南北約160㎞に及ぶ、「日本一長い村」でもある。基本的に火山列島であり、黒潮の影響を強く受けるなど、厳しい自然環境下にあるフィールドだ。

奄美大島を拠点とする「ビッグディッパー」は、このトカラ列島を舞台に、2泊3日、もしくは3泊4日のツアーを、チャータースタイル中心に展開している。トカラ以外にも、ベースとしている奄美大島周辺、喜界島などを日帰りで狙うことも多く、まれに徳之島で釣りをすることもある。

狙いはほぼ100%、GT。つまりロウニンアジを狙ってのキャスティングゲームとなる。キハダ、カジキをパヤオ周りで狙うこともまれにある。この海域でビッグディッパーほど専門的にGTを狙っている船はほかにはない。GTアングラーとして著名な福井健三郎さんがキャプテンを務めていることもあり、広く人気を集めている存在だ。

周年を通してGTは釣れる。しかし、西高東低の気圧配置が固まる冬場は、「寒い、シケる、活性も上がりきらない」の三拍子となってしまう。そのため、ビッグディッパーでは、3月から10月をオンシーズンと定め、予約を受けている。「海外の数が釣れるフィールドに比べるとチャンスは少ない。広大な環礁があるわけでもないのでポイントの規模、数とも少ない。結果として魚の絶対数もそれほど多くはないと思います」(福井健三郎キャプテン)

火山列島でドン深地形がほとんど。それぞれの島の規模も小さい。リーフが張り出しているようなところが少ないため、ピンポイント狙いが中心となるのが特徴だ。

しかし、サイズはいい。とびきりにいい。「20カ国近く経験した海外のGTフィールドと比べても、アベレージサイズの大きさはナンバー3に入りますね。平均で25㎏くらいだと思います」(福井キャプテン)
▲ビッグディッパーの使用艇「斗南(となみ)」。写真は2019年まで就航していた斗南2号艇で、2019年からは斗南3号艇で就航。全長70ft、19t。フロントデッキはフラットで非常に快適。船内は常に綺麗で、ベッドルーム、シャワートイレ、シャワールームも完備。

ビッグディッパーでのレコードは66㎏! GTの世界記録、72・8㎏というモンスターがショアからのキャスティングゲームでキャッチされてもいる。世界屈指のビッグGTフィールドであることに異論をはさむ人はいないだろう。「日本で正式な世界記録のGTがキャッチされたことは誇りに思いますよ。そして、そのGTが釣られたフィールド、トカラ列島で仕事が出来ていることは幸せです。それにロマンがありますよね。自分の船では釣れていませんが、本当にありがたい。可能性がある、ということですからね」(福井キャプテン)

奄美大島も負けず劣らずの有望フィールド

トカラ列島は凄い。それゆえにアングラーの8割近くはトカラ釣行を希望するというが、奄美大島も負けず劣らずの有望フィールドであることを忘れていけない。アベレージサイズは20㎏、とトカラ列島に比べるとやや落ちるものの、数は奄美のほうが期待できる。コンスタントにGTを釣りたいというのであれば、奄美大島周りを攻めたほうが確率は高い、というのが福井キャプテンの見解だ。日帰り中心に奄美大島でのんびり釣りたい、というアングラーもいる。海況コンディションをはじめとした理由で、予定したトカラ列島遠征ができない場合、奄美大島近海での釣行となるケースもある。しかし、落胆することはない。トカラ列島同様に、素晴らしいフィールドなのだから。
▲整理整頓された清潔な船内が印象的。卓越したGTアングラーでもある福井健三郎キャプテンが、すべてをサポートしてくれる。

ゲストターゲットは、トカラ列島、奄美大島周辺を問わず、同様の魚種がまじってくる。カスミアジ、ギンガメアジ、アオチビキ、バラクーダ、バラフエダイ、キハダ、スマ、イソマグロ、バショウカジキ、メジロザメなどが代表的だ。ただし、海域の特性を現すかのように、キハダのヒット率が大きく異なっているのが面白い。トカラではよく食ってくるが、奄美大島ではそれほど多くはない。バショウカジキもしかり、だ。
▲整理整頓された清潔な船内が印象的。卓越したGTアングラーでもある福井健三郎キャプテンが、すべてをサポートしてくれる。写真は斗南2号艇の時のもの。現在の斗南3号艇は、設備が更にバージョンアップ。

ドン深地形のトカラ列島比較的緩やかな奄美大島

トカラ列島は、最北の口之島から最南の横当島まで、全域がフィールドとなる。前述の通り、どこの島周りでもその多くは切り立った形状で、ドン深のポイントが大半を占める。溶岩が馬の背状に島から海底に流れ出しているところ、沖合の瀬、島の出来かけのような根、環礁などが代表的なポイントとなる。潮目のなかにいるベイトフィッシュについたGTを狙うときもある。
▲ドン深の地形が多いトカラ列島。ポイントの多くは各島近くの地形変化が中心。数は多くはないが、少し沖合に離れたいくつかの瀬もポイントだ。

風向き、潮向き、海底の形状を読み、ポイントへと船を流していくのが基本スタイル。流しはじめの船下の水深は20mから220mと幅広い。最も多いのは船下で80〜100m前後から流し始めるケース。船が近づくにつれて浅くなっていくことが多いが、逆のパターンもある。流しはじめのキャストポイント(ルアーの着水点)の水深は60〜70mということが多い。キャストポイントは、浅ければ10mを切るようなところもあるが、着水からヒット地点、魚が走る方向、船が流れていく方向などを理解し、組み立てさえ出来ていれば、キャッチまでいたることは可能。完全に把握することは難しいが、キャプテンからのアナウンス、指示を頼りに展開していくのが基本だ。トカラ列島でのポイントは数多いが、口之島周りの芽瀬、ニョン(平瀬)、悪石島の立神などが代表的なポイントとして有名だ。
▲後方に見えるのは奄美大島。アベレージサイズはトカラ列島に比べるとやや落ちるが、それでも20㎏前後。数も期待できる素晴らしいフィールドだ。

火山活動がいまだ活発なトカラ列島に比べ、奄美大島は地質的にも落ち着いていることもあり、トカラに比べるとある程度、シャローエリアが広いのが特徴。岸から水深1 0 0mになるまでに、場所によっては1〜2マイルと走らなければならないところもある。深場から一気に駆け上がる形状のポイントやシャローエリアもあるが、喜界島周りも含め、全体的に水深は20〜30mが中心。奄美大島北部のカニョーセ、北西沖のサンドン岩などが代表的なポイントだ。

ヒットしたらキャプテンの指示に従うのが確実な方法

ランディングまでの組み立てをイメージしたうえで、キャプテンからはキャスティングの指示が出る。方向は時計盤にたとえ、これに距離を加えて指示を出してくれることが多い。ミヨシを時計盤の12時とし、たとえば「3時の方向にトップ4mの根がありますから、80mくらいキャストしてください」という具体的な指示だ。
▲ポイントアプローチのスタート時点では足下で水深80〜100mということも多い。探見丸の示す54.3m なら、十分にGTがアタックしてくる水深だ。

想像力を掻き立ててくれる指示だが、ここからはアングラーサイドに技術が要求される。飛距離、精度というキャスト技術だ。何人かで釣りをしていることが多いので、キャスト方向の制約を受ける場合もある。やみくもに投げるのではなく、少し待ち、タイミングをズラして投げるなど、臨機応変に対応することが大切だ。

トカラ、奄美ともに、GTを掛けてからランディングに至るまでの難度は変わることはない。キャプテンはフィッシングガイドはもちろん、ダイビング経験も豊富。すべてのポイントの地形を把握している。全幅の信頼をおいて、指示に従えばよいだろう。
▲ランディングから計量、蘇生、そしてリリースと流れるように進んでいく。完璧なシステムだ。

予約などに関してはその時どきの最新情報を入手しよう

ビッグディッパーは国内で最も予約の取りにくい船のひとつに数えられている。
▲島々のショアラインを観察すれば、いかにドン深地形が多いかが分かるだろう。

情報は常にアップデートされているので詳細はビッグディッパーHP(http://bigdipper-amami.com/)を参照してほしい。

アクセス

ビッグディッパーを利用する場合、奄美大島の奄美空港に降り立つことがスタートとなる。直行便は羽田、成田、伊丹、福岡、鹿児島、沖縄などの各空港間に就航。東京(羽田)からは約2時間10分、大阪(伊丹)からは約1時間30分、鹿児島からは約50分。前泊、延泊の設定の考慮など、乗り継ぎ便の利用も含め、料金、航空会社の選択肢は幅広く利用可能だ(2017年1月現在)。

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SALT WORLD 編集部

SALT WORLD 編集部

近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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