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【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 3】

人気の相模湾、キハダゲーム。ルアーマンにとって、キハダへの最短距離と認識されながらも、いまだ経験がない、という方が多いのがエビングではないだろうか? ここでは提唱者である村越正海と継承者である栗山佳尚、2人の対談を通して、その全体像を3回にわたって紹介する。3回目の今回は、リグやジグ、ワームの使い分けについて。そして最後に、あらためてエビングの魅力について語ってもらった。

大切なのは、コマセ釣りの人に迷惑をかけないこと!

ソルトワールド リグ、ジグやワームローテーションについてアドバイスをください。

村越 テンビンは「エビング専用直線テンビン」がいいでしょう(笑)。

ソルトワールド ノーマルタイプとHDタイプの使い分けはありますか?

村越 使い分けはないかな。相模湾でエビングをする分にはノーマルタイプで大丈夫。でも、沖縄の漁師さんがPE30号、ハリス40号という道具で使うっていうからHDを作ったんだよね。HDは過剰に丈夫って感じ。普通はノーマルのLサイズがおすすめ。

栗山 使用するジグはMMジグ200gか、ムラジグV2の200g、250gを使っています。自分はこの3つだけにしています。タナが浅いときに200g、深いときは250g。速く沈めたいときや、ハリスを張りたいときも重いものを使います。

村越 同船するコマセ釣りの人に迷惑をかけない、ということが何よりも大事だね。ラインが払い出して釣り人のいない方にリグが行くなら問題はない。でもラインが入り込んでエサ釣りの人のほうに流れていくと迷惑が掛かってしまう。そうしたときはなるべく重いジグを使うことが大切。共存するためにね。

ジグは200gか250gの低重心、ロングタイプがおすすめ。フォール中にヒラヒラと暴れないジグであることが大切。潮下のほうに流されやすいからね。

▲エビングには低重心のロングシルエットのジグが適する、と村越。MMジグ200g、ムラジグV2の200g、250g。この3本があれば万全!?

ソルトワールド ハリスとその先のスタンダードなセッティングはどうですか?

栗山 フックはムツサークル2/0、ハリスはフロロの24号、テンビンはノーマルのLサイズですね。

村越 それが基本。迷いなく手に入るものとして、「エビングキハダセット」という名称で販売もしている。24号のハリスをスタンダードにしている一番の理由は取り込みを考えているから。大きな魚は、やはり取り込みが重要。エビングの場合は、ランディングのときにハリスを手繰る必要がある。そのときに船長が安心して掴める太さにしておきたいからね。引っ張り強度としては80ポンドだね。

3mという長さの理由は、最後にテンビンを持って、もうひと手繰りでネットで掬うなり、ギャフを掛けられる長さにしてある。ハリのムツサークルも車で引っ張ったりして強度をいろいろ試して選んだものを使っているから安心できるよ。ハリのカラーも、どんなカラーのワームでも目立たせることが出来るガンメタにしている。

▲袋から出してお気に入りのメタルジグをセットするだけ、のエビングキハダセット。まずはここから。迷うことなくシンプルに楽しめる。

ソルトワールド ワームの使い分けについてはいかがですか?

栗山 僕はエビングスティックとDRスティック、2つを使っています。エビングスティックの3・5インチを2本掛けしてスタートすることが多いですね。2本掛けにするのは、潮の馴染みがいいし、回転しにくいのが理由。

カラーはケイムラが定番で、初期は小魚チックなカラーを意識してクリアブルーを選ぶことも多いですね。

サイズのローテーションとしては3・5インチを4・2インチにしたり、その逆にしたりするくらい。3・5インチを使っていて潮噛みが悪いと思ったら4・2インチにする。

DRスティックのほうが、エビングスティックに比べるとキビキビした動きが出せるので、リアクション的な動きに反応する、と思えるときはこちらを使うこともあります。今年はリアルオキアミの可能性も試してみたいと思っています。

▲エビングスティックを基本に、DRスティックと使い分ける。サイズは3.5インチと4.2インチを使用。

村越 僕の場合、ワームセレクトの基準は抵抗感と浮力。この2つで使い分けていく。基本はエビングスティックの3・5インチ。これを2本掛けする。そこをスタートに、1本にしたり、4・2インチを2本掛けにしたりすることが多い。

2/0のフックを基準にすると、3・5インチのエビングスティック1本掛けでゆっくり沈んでいく。2本付けると、ほぼサスペンド状態になる。沈んでいくほうがいいのか、漂っているほうがいいのかの判断基準は、キハダがコマセに付いているかどうかが大きい。コマセに付いている場合は流れていくオキアミを意識してサスペンド状態で漂わせたい。コマセに付いていないときは縦方向への攻略を意識して、スローシンキングを選択する。

▲村越、栗山ともにエビングスティック3.5インチの2本掛けを基本とする。抵抗感、浮力を考慮し、1本掛け、2本掛けを使い分ける。

ロッド&リールの基本セットはコレ!

ソルトワールド ロッド、リールなどのセッティングを教えてください。

栗山 基本は2セット組んでいます。ソルティガ エビング62HSにはソルティガ8000‐Pをセット、メインラインはUVFソルティガセンサー12ブレイドEX+Si4号、リーダーはソルティガ リーダーTypeF60ポンドを使います。

エビング74HSにはソルティガ10000-Pをセットし、メインラインはUVFソルティガセンサー12ブレイドEX+Si5号、リーダーはソルティガリーダーType F80ポンドを使っています。

自分が好んで使っているのは62HSのセットですね。取り回しの良さと適度な軟らかさ、繊細さが自分にはちょうどいい感じです。

村越 僕も基本のセットは栗山くんと同じ。ただ、74HSにはハイギアのリールを使うことが多いかな。メインラインはほとんどの場合、4号を使う。タックルの使い分けは、釣り座によることが多い。胴の間で釣るときは62HS、ミヨシで釣る場合は74HSが基本。ミヨシの手すりの高さも判断基準。高ければ74HSを使わないと釣りづらいことがあるからね。

▲ソルティガ エビング62HS&74HS、8000番、10000番のソルティガ、もしくはセルテートSWがあれば、すべての状況に対応可能、とは2人の弁。村越はライトラインの使用で優位性を発揮するベイトタックルについても言及していた。

ソルトワールド 20ソルティガをエビングゲームで使ってきた感想はいかがですか?

栗山 以前のモデル以上にタッチが良くなっているので、ジグの先、ワームの存在をより感じやすくなっています。剛性感が高いっていうんですか、全体的なカッチリ感がいいんでしょうね。掛けたあとの安定感は抜群。キハダを寄せてくるパワーも凄いので、体への負担を軽減してくれていることは実感しますね。

村越 トータルの性能は前作より向上していると思う。とくに剛性感は過去最高レベルに達しているね。ドラグの最大値も上がっているし。剛性感は使用感として感じることもあるけれど、何年か経ってから実感することでもある。その点、使いっぱなしでも大丈夫というところは凄い。

ヘビーユーザーを考えての耐久性、という側面もあるけれど、リールは使っていない時間が圧倒的に長い機械でもある。回し続けていれば、そう錆びもしないけれど、使っていない時間に悪くなる。たとえば、これは年に数回の遠征釣行を考えた場合、使っていない時間が長くても安心して使えるということを意味する。20ソルティガはその点が優れているという印象がある。

ソルトワールド 最大ドラグを15kgとしたロードラグチューンスプールがSLP WORKSからリリースされた、ということですが…。

栗山 ロードラグチューンスプールは、僕のファイトスタイルに合っていると思います。最大値は15kgですが、自分のよく使うドラグの設定値での微調整がやりやすいですからね。村越さんにはズルズルと言われますけど(笑)、僕は4kgくらいで設定することが多いので。村越さんはどのくらいですか?

村越 僕は7kgくらいかな。

ソルトワールド その差はファイトスタイルの違いなんでしょうか?

栗山 個人的な体力差が一番の理由だと思いますけど、自分の場合、魚との距離を保ってファイトして、じわじわと距離を詰めていきたいと考えていることが大きいと思います。

村越 確かに栗山くんのやり方がもっとも安全で失敗の少ないファイトスタイルだと思うよ。見ていても安定しているしね。少し時間が掛かることが、エサ釣りの人と同船する場合の難点ではあるけど。

エビングはコマセ釣りの人よりファイト時間が掛かる、と思われているのは確か。僕はその点を考慮して、始めた当初からなるべく早くキャッチすることを念頭に置いてきた。それゆえのストロングスタイル。堂々とコマセの船の乗せてもらうためにもね。

ソルトワールド 今年リリースされたセルテートSWは、相模湾のキハダ用としてはいかがでしょう?

栗山 ソルティガとの決定的な違いはエアローターの素材がアルミかザイオンかというところ。セルテートSWはザイオンを使っているので巻き始めが軽い。50mより浅いレンジを釣ることが多いエビングでは、そのフィーリング、タッチの軽さは、より繊細な釣りを展開するためのメリットになると思います。

村越 ソルティガとセルテートSW、どちらがおすすめ? と聞かれたら、ヘビーユーザーだったらソルティガ、軽さを求めるならセルテートSWという答えになると思う。でも、PE4号を使用することが多い相模湾のキハダゲームでは、その性能はほぼ対等と言える。PE3号を使うなら、セルテートSWの方が利点が多いかも知れないね。

さらには値段。ソルティガ1台に対して、ちょっとお金を足せば2台買える。ローター以外はほぼ一緒だから、コストパフォーマンスは高い。あとは個人個人の判断になってくるよね。

▲今シーズンの活躍が期待されるセルテートSW。相模湾のキハダゲームに限定するなら、その実力はソルティガ以上!? とも。

疲れは最小限に、ラクに長く楽しむ

ソルトワールド あらためてエビングの魅力を教えてください。

栗山 自分が通い込むことができる条件でキハダを狙い続けることができる、という点が最大の魅力ですね。釣れる、釣れないを別にして、狙い続けられる釣法としてやり込んできて、いまでは夏が来るのが楽しみになっている。今後もエビングで相模湾のキハダを狙い続けていきたいですね。

村越 体力が落ちていくことが確実な自分の年齢的なこともあるけれど、なかなか喰わないなかでデカいジグをシャクり続けるのは、しんどく感じてきているのは確か。疲れを最小限に抑えつつ、大物を狙うことができることはエビングの大きなメリットと感じている。

相模湾のキハダの場合は掛けるための工夫も大きいけれど、本来大物釣りはいかに掛けるかよりもいかに獲るかが重視されると思う。その点、掛けるまでの体力の消耗が少ないエビングはとてもありがたい。掛かってからは存分に楽しめるわけだし。自分も何歳までやり続けられるか分からないけれど、疲れない、楽に楽しめるという点では、これからエビングをやる機会がより増えてくると思うな。長く楽しむには、いい釣りだと思うよ。

▲村越正海。ショア、オフショアと幅広くソルトルアーの世界を切り拓いてきたパイオニア。ダイワフィールドテスターを務めるほか、セイカイコレクションを主宰。

▲栗山佳尚。ダイワフィールドスタッフとして活躍。ルアー船の船長経験を生かした、複眼的な見方でフィールドを捉える名手だ。

(文中敬称略)

【この記事は2021年7月現在の情報です】

【村越正海×栗山佳尚】相模湾エビングキハダ対談【Part 1】はこちら>>>

【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 1】

【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 1】

2021年09月10日

【村越正海×栗山佳尚】相模湾エビングキハダ対談【Part 2】はこちら>>>

【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 2】

【村越正海×栗山佳尚】2人のエキスパートが語る、相模湾エビングキハダ対談【Part 2】

2021年09月10日

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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