淡路島周り&中紀のライトジギング【前編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年10月04日
スロー系ジギングを自身のメインスタイルとする、シマノインストラクター山本啓人。手練れの彼をして「僕の原点」というフィールドが大阪湾、淡路島周り、紀北から南紀までの海域だ。
ここでは、山本のホームエリアをモデルフィールドに、シマノ製のロッド、リールの実釣インプレッションを前後編で紹介する。
イワシパターンを攻略するタックルセレクトとは?
「淡路島周り、紀北から南紀にかけてのエリアは、ジギングを始めた頃から通い続けている、僕の原点といえるフィールドです。近畿在住のアングラーにとってはとても身近な海ですし、僕自身ここを道場として腕を磨いてきました。水温が上がりすぎず、下がりすぎない。黒潮の恩恵も受けるので、多くの魚種が楽しめる点が魅力です。南方系の魚から関東周辺で釣れる魚まで多種多彩。クロマグロやキハダ、カンパチ、カジキなども入ってくるので、夢のビッグサイズをキャッチできる可能性もある。何がヒットするかわからないところがあるので、いまだに僕をドキドキさせてくれるフィールドです」
シマノインストラクターの山本啓人の言葉だ。実釣インプレッションの同船取材は8月上旬に行った。乗船は1日のみの一発勝負。シーズン的な特徴としては、イワシがメインベイトの通称「イワシパターン」の初期に当たる、とのことだった。
「孵化して5~8cmくらいに成長したカタクチイワシがメインのベイトフィッシュになる時期です。これにツバスやハマチ、メジロ、ブリ、サワラ、シオ(カンパチの幼魚)などがついて、捕食しながら北上してくる。そんなイメージです。和歌山側、四国側と両サイドから群れが移動してきて合流し、盛りあがりを見せる、そんなシーズンの始まりです」
例年、このイワシパターンは9月いっぱいを目安にメインパターンとして成立することが多く、その後はタチウオパターンへと移行していく、という。
▲釣りあげたサゴシが吐き出した、カタクチイワシ。山本の言葉通り5~8cmとかなり小さかった。
以上を踏まえたうえで、山本が使用したタックルは計3セット。ロッドは2019年リリースのオシアジガーインフィニティB65–0、B65–1、B65–2の3本。B65–0にはオシアコンクエスト リミテッド300HGを、B65–1にはオシアジガーFカスタム1000HG、B65–2にはオシアジガーFカスタム1500HGと、いずれも2019年の新作のリールをセットしていた。
▲「フルモデルチェンジ」と山本。新しいオシアジガーインフィニティは「軽く、粘り強く、体への負担も少なく、ジグ操作、魚とのやり取りでも十分に満足できる」と自信たっぷりだ。
▲2019年に待望のフォールレバーが搭載されたオシアジガーFカスタム。「レバーは右手でも左手でも操作でき、どの体勢、どの指でも触りやすくて引っかかる。それでいて微調整しやすく、ラインが引っかかっても傷が入らない形状です」と山本。
今回のフィールドを前提とした、ロッド&リールの使い分け基準を尋ねてみた。
オシアジガーインフィニティに関しては水深が大きな基準だ。水深50mまでが0番、70mまでが1番、90mまでが2番、というセレクトが基本という。そのうえで、
「青物がメインターゲットの場合はやや強め、弱っているベイトフィッシュを演出したいときは弱め、反対に元気なベイトフィッシュを演出したいときは強め、という感じで微調整します」
オシアコンクエスト リミテッドとオシアジガーFカスタムの使い分けは、メインラインの号数だ。
「メインラインが1・2号以上であればオシアジガーFカスタム、1・2号未満であればオシアコンクエスト リミテッドというのが基本です。大型魚狙いやパワーが欲しいとき、スピードが欲しいときはオシアジガーFカスタム、ライトに、繊細に釣りたいときはオシアコンクエストリミテッドを使います」
以上のロッド&リールは、この2019年秋の取材時は未発売。今回の取材は乗合船で行ったので、何人ものアングラーが山本の周りに集結。注目度の高さが伺えた。
▲今回は乗合船での取材。しかし、ホームグラウンドだけに知った顔ばかりのようだった。連続のヒットに「なんで山本さんだけ?」という言葉を何回も耳にした。
速度変化を意識して賢い相手を攻略する
今回お世話になったのは、大阪は忠岡漁港を拠点とする「ケイズ」。とことん走って釣らせてくれるという古志公彦船長の存在が、コアなファンを集める人気船でもある。
▲「明石・淡路島・沼島・和歌山(紀北)・日ノ岬(中紀)」(WEBサイトより)と、広範なフィールドを得意とする「ケイズ」。出船地は大阪の忠岡漁港だ。
▲出船前、「ケイズ」の古志公彦船長に釣況を確認する山本啓人。「ケイズ」は懇意にしている船のひとつだ。
取材日のファーストポイントは港から1時間30分ほど走った淡路島南東部沖。水深50m前後のポイントから探り始めた。握ったのはオシアジガーインフィニティB65–1とオシアジガーFカスタム1000HGのセットだ。
「イワシパターンを攻略するためのポイントとして意識しているのは速度変化。ベイトとなる小さなイワシがたくさんいるので、まずジグを目立たせなくてはいけない。また、賢い魚も多いので、単調なアクションではなかなか口を使ってくれない。速巻きから速度を落とし、ジャーク&フォールで喰わせるという変則的なアクションを心掛けていますね」
▲取材日の最初のポイントは淡路島の南東沖。人気ポイントのようで、ジギングだけでなく、落とし込みで青物を楽しむ船などが集結していた。
ファーストフィッシュはサゴシだった。もちろん想定内の相手。アシストラインにはワイヤーが入っていた。ほどなく手にしたのはハマチ。これもヒットレンジと速度変化を意識して喰わせた。
「探見丸に、底から15mくらいまでベイトフィッシュがビッシリと映っていました。ここをゆっくり通過させてもダメなんです。イワシを散らすように速く巻いて、一匹だけはぐれたようなイワシを演出するといい。この演出が効かないときは、本当にスローに探るのも一手。これはブリ狙いの常套手段です」
イワシの群れの周囲についている、フィッシュイーターにスイッチを入れることが大切、という。
▲ファーストヒットはサゴシ。当初から予定されていた相手だ。この後もトータルで4~5本をキャッチした。
同船者がマダイをキャッチした。ここで、山本はオシアジガーインフィニティB65–0とオシアコンクエスト リミテッド300HGのセットに持ち替えた。
「イワシを喰っているときのマダイ狙いは、ジグをあまり横に寝かせないほうが効果的。ロッドを下げることなく上げ上げで、でも一定の速度ではなく速く、遅くとスピード変化をつけるといいですね」
ジグの回収中にヒットを多く得たことからヒントを得て、自身のジャークパターンにしている、という。言葉通り、見事2kg弱のマダイをキャッチした。
▲同船者が釣り上げたのを確認し、タックルチェンジ。狙い澄ましてキャッチしたマダイ。オシアスティンガーバタフライTGガトリング80gを、スピードの緩急をつけながら上へ上へと泳がせてキャッチ成功。
▲カタクチイワシを意識したオシア スティンガーバタフライ サーディンウェバー100gアルミシルバーを駆使し、ひとりハマチを連発していた山本。速度変化を意識した「上げ上げ」のアクションが効いた。
▲こちらは中紀での画像だが、イワシの種類こそカタクチであったりウルメであったりしたが、ともに底付近に濃い反応が出ることが多かった。
(文中敬称略)
【この記事は2020年2月現在の情報です】
淡路島周り&中紀のライトジギング【後編】はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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