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近年、大型連発! 和歌山方面のキハダを狙え!「三重、和歌山のキハダ対策」【後編】

多くのオフショアゲームの経験を持ち、沖縄の離島をはじめ、三重、和歌山のキハダ、青森のクロマグロと、大型マグロを求めて年間、幾度となく挑戦している、大阪府泉南市のプロショップ・ヘッド&テイルの主、古谷秀之さん。そんな経験豊富な古谷さんに、前編に引き続き、三重、和歌山方面のキハダゲームのノウハウ、おすすめルアーを伺った。

近年、大型連発! 和歌山方面のキハダを狙え!「三重、和歌山のキハダ対策」【前編】はこちら>>>

近年、大型連発! 和歌山方面のキハダを狙え!「三重、和歌山のキハダ対策」【前編】

近年、大型連発! 和歌山方面のキハダを狙え!「三重、和歌山のキハダ対策」【前編】

2021年10月14日

ルアーセレクトとその動かし方

三重、和歌山エリアにおいての使用プラグは、他のエリアと同様、ダイビングペンシルとポッパー、イワシ団子用のシンキングペンシルとなる。

ダイビングプラグはベイトに合わせて18㎝~23㎝を用意。サンマの時に25㎝というのを使うこともあるというが、このエリアに回遊してくるサンマは小さいため、23㎝、24㎝まで十分。トビウオなど、大きいベイトフィッシュを追いかけている状況で、24㎝くらいまでの大きいプラグを使うこともある。

ちなみに大きいプラグでヒットさせたほうが、船べりに寄せるまでが楽に行えるという。

「スーパーボイルで小さいベイトを捕食している時は、小さいシンキングプラグにアシストフックを装着したものを使用することもあります。ベイトボール、ボイルの脇に投げて、動かさずに沈めて使います。ただ、小さいプラグで掛けて、キハダが口を閉じた状態で泳ぎ回る状況だと、寄せるのが大変です。その状況にベストなルアーと言えますが、個人的にはあまり使いたくないですね(笑)。自分は、大きいプラグに喰わせたほうが、キハダが口が開いた状態でやりとりが楽に行えると思います。プラグへの出方も豪快で楽しいので、どうしても大きめのプラグを使うことが多いです」

古谷流のダイビングプラグ、ポッパーの使い方は、ジャークしてから5秒ほど止めるというもの。特にポッパーはしっかり止める。もともと石垣島や宮古島にキハダ狙いで遠征することが多かった古谷さん。そんな遠征先でポッパーの威力というのを長年実感してきた。

遠征先でのキハダ狙いは、もともとペンシルタイプよりも、ポッパーが良いとされてきた。そんなこともあり三重や和歌山でもポッパーはよく使うという。そしてそんな遠征でのポッパー使用の経験から、止めることで魚が出るというのが分かっていたため、ダイビングペンシルでも「ストップ」を入れるアクションを実践しているという。

ただサンマベイトの時は、止めるアクションでなく、水面で滑らせるように巻いてから止めたり、ジャカジャカした動きで誘いを入れたりもすることもあるようだ。

「ちなみにイワシがベイトで固まっている時も、ダイビングペンシルでのジャーク&ストップで誘います。その時、船長がもっと長く止めておけと言うこともあるのですが、あまり長く止めておくと、自身がイライラしてしまうので(笑)、5秒止めるアクションを数回やったら、投げ直しますね。ちなみにヒットするタイミングは、水面に落ちた瞬間が多いです」

その時、魚影の濃いところを見極めるのが重要だという。ベイトボールの向こう側にプラグを投げ入れ、アクションを入れ、ベイトボールの上で止めてアタリを待つ。ベイトボールに直撃させると沈んでしまうこともあり、注意が必要だ。

「ただイワシが多すぎる時は、喰わないことがあります(笑)」

ちなみにプラグに装着するフックは、がまかつ社のトレブルをメインに使用。その理由は、バーブが小さく、また大きさの割に軽いから。掛かりやすさを考えて、大きめのフックを使いたいという考えがあるのだ。

▲ジギングでもヒットする。古谷流は、上へ上へとしゃくる、一般的なジギングスタイル。ラインは大型に備えてPE5号を使用。写真上はメバチ。30㎏級、下はキハダ50㎏級。

ヒットしてからの対処。ファイトを短くするコツ

「まず、これは多くのエキスパートの方が言うことですが、ヒット後にすぐにギンバルに入れないということです」

ルアーにアクションを入れている時は、ルアーが水中に飛び出さないようにするためにグリップエンドを脇に挟んだ状態で、アクションを加えている。そしてヒットしたら、その状態のまま、相手が走るまで待ち、合わせをその状態のまま綱引きのように引っ張る感じで入れる。その後のファーストランは脇に挟んだままだ。

「ファーストランの時に、できるだけ走らせないように、ハンドドラグで調整していきます。そして相手が止まってから、初めてギンバルにロッドエンドを入れます。ラインテンションを保ちながら、素早く行います。それでも刺さりどころが悪ければバレる時はバレますけどね(笑)。そしてギンバルに刺してからは、できるだけロッドを立ててファイトをします」

バットパワーがきちんとあり、しっかりと戻る性能を備えているロッドなら、耐えているだけでも魚にプレッシャーが与えられる。

「よく腰の前あたりでポンピングしている人がいますが、そこからさらにロッドを立ててファイトしたほうが、より魚は浮いてきます。それのほうが腰も痛くならないです。体力的に辛いときでも、ロッドは立てたまま少し休み、常にロッドの曲がりでプレッシャーを与えていることがキャッチへの近道です。自分としては、年齢的にも長時間ファイトは辛いので、少しでも早く上げたいというのが正直なところです(笑)」

ちなみにドラグは、8㎏ほどに初期設定している。ヒラマサキャスティングと違い、初期ドラグを強くする必要はない。

「魚が大きいので、初期ドラグを強くしてしまう人がいますが、その場合フッキング後のランで切れたりすることも多いです。8㎏設定で、最初は走らせ、ハンドドラグを徐々に入れていってプレッシャーを与える感じです。ハンドドラグを最大で入れた状態で、15㎏くらいのドラグが掛かっているでしょうね」

ファイトは巻ける時はガンガン巻き、相手が走っている時はロッドを支えて耐える。

「ファイトを繰り返し、船べりまで寄ってくるとキハダは回りますが、まずどこにルアーが掛かっているか見ることが大切です。しっかりとフックが掛かっていれば魚が船から離れるように回っている時は、ハンドドラグで止め、こちらに向かってくる時に少しでも巻き、間合いを詰めていくことが大切です。大型のキハダは、最後のこの時が、もっとも大変ですし、時間もかかります。少しずつでも巻くことが必要です」

ちなみに近くで掛かった場合、ハンドドラグで上手く魚が止まれば、あっという間に寄せられることもあるという。古谷さん自身、数分でキャッチということも多い。そのためにもグローブの着用は必要だ。

また大型のキハダを相手にするため、ギンバルは必要となる。

「三重、和歌山の船は、ある程度の大きさがあるので、船の操船で細かくキハダの泳ぐ方向に対して対処することが難しいです。そのため、時として船上で動くことが必要になります。そんな移動を繰り返すことを考え、ギンバルは腰に巻くタイプがベストです。ホッツ、CB ONE、カーペンターなど、小型のものがおすすめです。動き回るためにも、初期ドラグはやはり8㎏くらいがベストですね」

▲キハダがヒットし、ギンバルにロッドエンドを入れてからは、ロッドが破損しない範囲でロッドを立てたほうが良いという。腰の前だけでポンピングポジションをとっていると、腰に負担が掛かるからだ。キハダをより早く寄せるには、ロッドをしっかり曲げて、ロッドの戻る力も利用して、相手にプレッシャーを与える。

Furuya’s Select
シンキングペンシル

▲古谷さんは、あまり使用しないと言うが、イワシナブラ、イワシ団子でダイビングペンシル、ポッパーで攻略できない時は、やはり出番となるシンキングペンシル。
▲古谷さんは、シンキングペンシル、ジギングでは、がまかつ社の「アシスト60アルティメイト・スペック」を愛用。
▲ルアーの結束は、ニットノット。しっかりとテンションを掛けながら編み込んでいく。

ジギングで攻略する時の古谷流タックルセレクト

「ジギングは、スローでの攻略もありますが、普通のジギングでも良いと思います。僕はスピニングタックルや、電動ジギングで、上げのアクションでガンガンしゃくっていくスタイルで狙っています。そんな誘いで実績も出ています」

スピニングリールでのジギング、電動ジギングなら、PE5号、リーダーはフロロカーボンの100lbを使用。PEは400mは巻いておきたい。スピニングでは、ソルティガの14000Pに、ソルティガ AP J56S-6。電動ジギングでは、ゼロドラゴンのロッドを使用している。

「PE3号タックルとかで来る人もいますが、50㎏クラスだと時間が掛かってしまうため、最低でも4号、80lbをお客さんには巻いてきてもらいます。ちなみに昨年は和歌山で30kgと20㎏をジギングでキャッチしました。この時、前の週はロングジグが良かったのですが、当たりが少なく、前の船がエビングで当てていたのを見て、TGベイトの150gで探ったところ一投目でメバチが喰ってきました。周りのアングラーはTGベイトを持っていなかったので、150gと180gを貸してあげたら、4人全員ヒットしましたよ。凄かったです。

ジギングでのフックは、がまかつ社のアルティメイト・スペックを使用しています。マグロのサイズに合わせて、24~30あたりのサイズからセレクト。お気に入りです。2つ付けると、刺さり方によってファイトが大変になるので、フロントだけにセットしています」

2020年、古谷さんは、20㎏、30㎏、40㎏、50㎏、60㎏をキャッチ。さらに2019年はさらにキャッチ率が良かったようで、70㎏まで手にしている。黒潮の動きによって回遊してくる魚だけに、どうなるか分からないが、良い状況になることを期待したい。

ちなみに古谷さんは、マグロ狙いで使用するためにお店に仕入れたルアーは全て使用して、その動きを確認しているという。タックルセレクトの相談、ルアー購入の相談など、お店で快く受けてくれるはずだ。また初めて、または初心者の方は、ツアー釣行参加なども相談してみると良いだろう。

▲2020年9月末の和歌山釣行では、キハダが不調だったため、ジギングで探った。その時、TGベイト150gを落としてみるとヒットさせることに成功。この日は、同船者もTGベイトでキャッチすることができた。
▲2019年にキャッチした70㎏のキハダ。目標は、80㎏オーバー。そんな目標を叶えられる可能性があるのが、三重、和歌山エリアだ。
▲和歌山でキャッチした、尾をサメにやられたキハダ。60㎏だった。

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SALT WORLD 編集部

SALT WORLD 編集部

近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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