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フォールで喰わせる単純明快なタクティクス「久米島パヤオのキハダゲーム」【前編】

キハダのパラダイスとして知られる久米島においても、従来のジギングでは大型を狙って獲ることは難しかった。そこに風穴を開けたのがスローゲーム。突き詰めればフォールで喰わせるという単純明快な攻略法でありながら、その威力は絶大だ。

久米島パヤオでのキハダスローゲーム

久米島は沖縄本島西方向より100㎞ほど離れた場所にあり、沖縄諸島の最西端の島で人口は8000人程度、1983年には島全体が県立自然公園に指定され、いまでも変わらない美しさを保ち続けている。そして多数のパヤオが島の周りに設置されていることもあり、マグロフィッシングが盛んである。なかでもキハダの釣りが最も人気が高い。

そんな久米島のキハダ狙いで大型に的を絞ってコンスタントに釣ることができる方法は、数年前まではパラシュートという久米島独特のエサ釣りが主流だったと言っても過言ではない。キャスティングや上へ上へとしゃくって誘うジギングでは、ヒットはあるものの、「大型をコンスタントに」とは言い切れない感じであった。さらに全国的に、普通のジギングでは大きなマグロのヒット率は低いと言われていた。

そんななか、私がスロージギングでのキハダ釣りに出会ったのは2015年10月。スタジオオーシャンマークの大塚氏をはじめ、同社西本テスター、ベインズ平田氏、ボギー儀保氏との久米島合宿だった。この当時は細糸で大きな魚を獲る=スロージギングという流れになっていたが、この釣りは細糸ではなく太糸で大きな魚を獲る釣り方だった。私にとってキハダジギング元年でもあり、久米島元年となった。

そして今では年間50名以上のお客様と、30釣行を超える人気の遠征先となった。

船釣りでのビッグフィッシュゲームは、チームプレーなくして成立しない。これは沖縄本島の遊漁船『ゆりか』の荻堂船長に教えられた言葉である。乗船時のタックル積み込みから始まり、ファイト時は掛けたアングラー、それをサポートする同船アングラー、そして船長が三位一体になり一本の大きな魚を獲る。

一生に一本獲れるかどうかの魚を皆で協力し獲る。自分だけ釣れればという精神では成立しない。一人チャーターであっても船長の協力なくして魚は獲れない。このようなこともこの釣りの楽しみである。

▲魚を掛けたアングラーだけでなく、同船アングラー、船長が三位一体になり協力して1本のマグロをキャッチする。長いファイトには水分補給も必要不可欠である。

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近年の久米島でのキハダジギング

このジギングでの狙い方は単純明快である。『フォールで喰わせる』、この一言に尽きる。フォールで喰わせるということは、当然その前にジャークがある。強いて言えば、そのジャークのパターンとフックセッティングが合って初めて『喰わせる』と『獲る』が成立する。そして最終のランディングで船上は歓喜にあふれる。

2~3年前まではジグの上下に、ツインフックをセッティングするスタイルが主流であった。勿論このセッティングだからこそ掛かったマグロもたくさんいたはず。ただこのスタイルだとフックが魚の口と体に掛かるリスクもあり、魚が横を向いてのファイトになることが多々あった。結果ファイト時間が1時間を超え、灼熱の太陽の下、アングラーの体力が限界に達し獲れないということもあった。

この釣りは先に述べたフォールで喰わせる釣りなので、90%以上の確率でテールフックに掛かる。ということは、テールフックのみで成立しないのか? という考えに至った。もともとフロントフックは、バーチカル時のジグ操作のサポートで付けるという認識だった。

そして久米島パヤオでのジギングは片舷での払い出しの状況が多く、フロントフックを外すことに対しての抵抗はまったくと言って良いほどなかった。結果、テールフックを喰わせることで魚の向きとジグ、ライン、ロッドが一直線になるファイトの確率がグンと上がった。

そして曲げられるスロージギングロッドが出てきたことも、キャッチ率アップに貢献している。今までのスロージギングロッドも、ロッドを水平に保ち曲げる分には相当の負荷がかかっても折れることは少ない。そしてロッドを曲げることでガイド負荷も掛かり、ドラグ力が上がることは言うまでもない。

▲テールフックを喰っているキハダマグロ。この釣りでは90%以上の確率でテールフックに掛かる。
▲前後のフックに掛かるとファイトに時間を要し、最悪獲れないことも。特にフロントのアシストが口に掛かるとテールのアシストがひれに掛かることが多い。

キハダジギングのタックルセッティング

数年前までは魚のサイズ30㎏を目標に、PE3号にリーダー14号のセッティングだった。昨今は魚のサイズも50㎏オーバーを狙えるようになり、PE4号にリーダーは18号のセッティングがメインに変わった。太いラインに越したことはないが、300mほどのジグを水深100~200mに送り込むとなると、細いラインの方がラインふけも少なくジグが動きやすいことは言うまでもない。そのメインラインを何号にするかの凌ぎ合いでもある。

そして初期ドラグ値の設定が非常に重要になった。例えばよつあみのWX8の4号(62lb/28・1㎏)にリーダーはフロロ22号(84lb/38・1㎏)であれば、ストライクポジションを4㎏でセッティングする。ファイト時は8㎏、マックスで14㎏と考えると、マックスドラグでライン強度50%になる。

ライン強度50%以下だと、特別傷の入っていないラインであればまず切れることはない。初期ドラグ4㎏でファーストランは走らせる。そして頭をこちらに向けさせファイト。それでもラインが出るようであれば8㎏まで上げる。そして最後の勝負は14㎏でファイトして獲る。

最後のランディング時には放出ラインも少なく、急に魚が暴れた場合にライン負荷が大きくなるので、若干ドラグを弱めることをお勧めする。マックスドラグのまま船べりでラインブレイクした人を何度も見ているので、頭の片隅に置いておいてほしい。

ロッドはタカミテクノスM OZシリーズの624LMを使っている。先に記述した「曲げられるスロージギングロッド」であり、私の中では現段階で最も魚を上げやすいロッドかと思う。まだまだ改良の余地があり、メーカーともいろいろな話をしており今後の展開に大いに期待している。

リールについては、スタジオオーシャンマークのブルーヘブンL80とL120を使い分けている。両番手ともに糸巻き量のキャパがあり、なによりレバードラグ式で1ノッチ入れることで明確なドラググラム数が上がるので、先に述べたドラグ設定で「ここは勝負」という時にドラグを効かせることができ、大きな魚とのファイトに非常に有効である。このようなセッティングであれば、女性でも十分大きな魚をキャッチする確率が上がる。

▲従来のロッドも平行にして曲げる分には簡単には折れないが、より曲げて獲ることが可能なロッドが開発されたことも大型キャッチ率アップに寄与している。

フォールで喰わせる単純明快なタクティクス「久米島パヤオのキハダゲーム」【後編】はこちら>>>

フォールで喰わせる単純明快なタクティクス「久米島パヤオのキハダゲーム」【後編】

フォールで喰わせる単純明快なタクティクス「久米島パヤオのキハダゲーム」【後編】

2021年10月16日

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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