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西本康生流 スローピッチジャーク「キハダジギング実釣指南」【前編】

スローピッチスタイルを自身のメイン釣法として、キハダ、クロマグロのジギングを精力的に展開している西本康生。ここではキハダアイランドとして人気を集める沖縄県久米島、パヤオ周りでのジギングを中心に紹介する。ほか地域のパヤオ周りのジギングゲームはもちろん、外洋における一般的なジギングゲームにも応用できる知識、テクニックが盛りだくさん。ぜひ参考にしていただきたい。

久米の特徴 キハダパラダイス! 久米島のパヤオゲーム

沖縄本島から南西へ空路で約35分。アクセスの良さもあり、久米島は多くのキハダアングラーを惹きつける。キャスティングも楽しめるが、近年はスロースタイルで狙うジギングアングラーに大人気だ。

▲キハダアイランド、久米島。パヤオは島を囲むように沖合に設置されており、近くても30分ほどかかる。1日に釣りをしながら回れるのは3 ~4か所程度だ。

「いつ行ってもキハダがいて釣りが成立するし、楽しめる。いつでも大型がヒットしてくる可能性があるのも魅力」とは西本康生。さらにパヤオの数が多いのが久米島の特徴であり魅力でもあると付け加えた。

1日のうちに回れるのは3~4か所程度だが、選択肢が多いことはプラス要素でしかない。釣果の安定感にもつながっている。近年は水面にある浮き漁礁は数基しか存在せず、水中パヤオが中心。この傾向は今後も加速していくはずだ。

シーズンは4月から10月までが目安。前半戦は数が楽しめ、後半になるにつれサイズがアップしていくイメージが基本だが、常にビッグワンのチャンスはある。漁師たちは50㎏オーバーのキハダを周年コンスタントにキャッチしている。

「大型のヒットパターン? 比較的浅いレンジでヒットする傾向がある、くらいしか分からないですね。80m程度でよくヒットするイメージがあります」

西本自身のレコードは38㎏までだが、久米島でのジギングのレコードとしては60㎏クラスまで確認されている。50㎏前後なら数多くの記録がある。

水温が低い4月はビンナガやメバチなどのゲストが多く、水温が上がってくればカツオやカジキが登場する確率がアップしてくる。ハイシーズンは梅雨明けから台風が連発するまでの期間。海が安定しているので出船率が高く、キハダの元気もいい。船の予約を取るのが難しいほど人気がある時期だ。

パヤオは水深1000mを超えるような深海に設置されているため、中層を探る釣りが基本となる。細かいイメージとしては80mから40m刻みで、240mくらいまで反応が出ることが多いという。

西本は250m前後までジグを落とすが、一般的には160mまでを釣ることが多いようだ。深いから大型、浅いから小型というわけではないし、活性の高い群れがどのレンジに集中しているのか、大型がどのレンジにいるのかは分からない。日によって状況によってこれを探っていくのが醍醐味となる。

▲近年、久米島は水中パヤオが多くなっており、写真のように水面に浮かんでいるパヤオは少なくなっている。アングラー的には目印があるとアガるのだが……。
▲釣りあげたキハダが吐いた内容物。キビナゴやブツ切りの魚肉など、明らかに人間が撒いたものばかり。それでもジグに喰ってくる。自然のベイトでも小型が多いのが特徴だ。

タックルは2つの基準でセッティングする

西本は目標サイズを30㎏と50㎏に設定し、タックル選択の基準としている。

「以前はPE2号の使用を中心にしてタックルを組み立てていましたが、ファイトに時間が掛かることを考慮し、現在は少しパワーアップして組み立てています。現状が、適正タックルと捉えています。小型が多いときはあまり太いタックルを使うことはないですが、アタリが遠く一発大物の気配があるときは、50㎏を想定したタックルを使用します。こういう考え方はシーズンを通してやっています。いつでも大型はいますからね」

30㎏クラスを想定した場合はPE2.5号、50㎏クラスを想定した場合にはPE3号、4号をメインラインに使用するのが基本だ。

「遠征だからといって新しい道具を買っていく人も多いのが現状ですが、慣れない道具で魚を掛けるのは難しい。ロッドはいつも使っているものでもけっこう使えます。普段スロー系の釣りをしているのであれば、手持ちの4オンスクラス、6オンスクラスをそのまま使ってもらえば問題ないですよ」

ロッドの長さは6~7ftが中心。釣りをする時間が比較的長いので、体力的にキツさを感じる人は短め、6ftちょっとがベストだ。7ftクラスになると体への負担が増してくるが、バットの強さを生かした力強いファイトができる。西本の場合は、そういった狙いで長めのロッドを使うことも多い。

リールは使用ラインを最低でも600m巻き込むことができるサイズを選ぶ。

ハイギア、ローギアの選択に関しては、大物釣りに慣れず、力に自信がない人にはローギア、パワーギアがおすすめだ。体力に自信がある人はハイギアのメリットが大きい。ヒットレンジが絞れてきて、狭いレンジをネチッこく探りたいときはローギア、どこに魚がいるのか、探したいときはハイギアのリールを使い、広く探るのもテクニックのひとつだ。

スローピッチスタイルでキハダを狙う場合、ドラグ負荷を変えてファイトを展開することが大前提となる。そうした観点から、西本はレバードラグタイプのリールを勧めている。

「レバードラグを装着したリールがおすすめですね。使いやすいし、獲りやすいと思います。どんな高性能ドラグでもキハダが走れば、熱でダレて負荷が弱くなる。同じドラグの位置でファイトし続けるとドラグが滑って魚が上がらなくなってくることもあります。その分を調整して補完する必要があります。でも、魚が見えるくらいまで寄ってきて、走らなくなるとドラグは冷えて効き出す。すると緩めたい。このような対応がリニアに、視覚的に操作できるのがレバードラグの優位性。レバーを倒すことで、倒した分だけ負荷が上がるし、戻した分だけ負荷が少なくなる。これが視覚的にも分かりますからね」

ラインはいいものをこまめに巻き替えて、新しい部分を使ってほしい、と西本。レンジを探る釣りなのでマーカーは必須。1mごとのマーキングは不要だが、10m刻みのマーキングは欲しいところだ。

「キハダあるあるなんですが、スプールエッジギリギリまでラインを巻いてしまうと、慣れない人ほどファイト中に片巻きをしてしまい、ラインブレイクの原因を作ってしまいます。普段より少ないかな、と思うくらいに巻いておくのがちょうどいい。リーダーを巻き込んでスプールエッジちょうどになるくらいが、トラブルが少ないですね」

リーダーも品質がよく、強いものを吟味したい。一台のリールを使い続けるなら、1日の釣りが終わったらリーダーを結び替えるくらいの配慮は欲しい。

「リーダーの太さが喰いに大きく影響することもあります。でも、細く強度が低いリーダーを使って釣りをするなら、リーダー強度に合わせた釣りを展開しなければならないことを忘れないでほしいですね」

▲レギュラーサイズを手に記念撮影。ロングシルエットのジグがメインウエポンだが、素直にフォールするタイプとヒラヒラと落ちるタイプも使い分ける。

ジグは3つのタイプを状況に合わせ使い分け

ジグのウエイトは、久米島なら200gから300gを用意しておけばほとんどのケースで対応が可能。西本は大きく3つのタイプを使い分ける。

メインジグはロングシルエットでフォールスピードが速く、かつ直線的なタイプだ。「キハダはフォールの速い動きに反応しやすいのが特徴。250gのウエイトであれば、80mから250mの幅広いレンジを思い通りに探ることができるのがこのタイプです」

直線的なフォールに反応が鈍いときに投入するのが、ロングシルエットでヒラヒラ落ちていくタイプ。フォールスピードをキープできる細身で長いシルエットながら、アピール力をアップできるのが特徴。西本は魚が薄いと感じるとき、寄せる意識で多用することが多い。

2つのロングジグにいまひとつ反応しないときは、ショートタイプでシルエットが小さいジグを試す。喰いが渋く、小さいエサばかりに反応しているように感じるときに投入する。エサ釣りの人と同船したときに感じることが多い、タナがきっちり決まっていると感じるときもキハダが口を使ってくれやすい、と西本。ただし、小さいがゆえキハダに呑まれやすく、口の奥で掛かってしまうときがある。ラインブレイクが起こりやすいので注意したい。

フックセッティングに関しては臨機応変に対応する。フックの数が多ければ多いほどフックアップ率は上がるものの、ヒット後のコントロール性、大型魚への優位性などを考慮し、前後1本ずつ、リア1本だけなど、西本は状況によって多彩に使い分けている。リリースを前提にバーブレスにすることもある。好みのスタイルや考え方で自由にセットすればよい。

ジグは当然だが、ロッド、リールも使い分けを考慮したうえで予備をプラスして持っていきたい。西本の場合、ロッドは4本、リールは6台くらいを目安に持っていく。久米島への釣行は2泊3日、3泊4日が基本となるだろう。この日程を考慮すると最低3セットは欲しいところだ。

劣化という意味でとくに注意したいのはライン。1本釣るとかなりラインが傷んでいると想定してよい。西本の場合は30㎏クラスのキハダを1本釣ると、そのリールは休ませる、というイメージでチェンジしている。

ほかのアングラーとラインクロスするとケバ立ちが出来たりするし、それが大きな不安要素にもなる。実際にラインブレイクの確率もアップするだろう。自分の体重に近いような大型魚を狙う場合は、やはりラインに特段の配慮をしていきたい。替えのラインを用意するほか、スプール交換が容易なリールであれば、可能な範囲で替えスプールを準備できると安心できる。

以上の基本的なタックルのほか、ドラグの値を測ることができるようなフィッシュグリップ、バネばかりなども用意したい。初期設定値をしっかり測っておけば感覚が身に着きやすい。また、とりわけ夏の久米島では暑さ対策、日焼け対策がとても重要。日焼けは体力消耗にもつながる。水分補給を万全に、熱中症対策、ファイト中の脱水対策にも配慮しておきたい。

▲巻きアワセを完了したらロッドとラインを一直線にして、とにかく走らせる。自分のタックルを信用し、止まるまで走らせてから攻守交替だ。

西本康生の久米島キハダ用タックルデータ

【30㎏までの想定】
ロッド:スロージャーカーPSLJ 603-4、ロジカルDLLG70#4
リール:ブルーヘブンL50 Hi/Lo
ライン:オッズポート2.5号
スリム&ストロング14号(約8m)
ジグ:SPYナロー180~250g、スピンドル250、300g、SPY250、300g
フック:青技20、23号をウルトラノット15、20号で結節

【50㎏クラスを想定】
ロッド:ロジカルDLLG60#6、ガレージ和クロスボーダー#6
リール:ブルーヘブンL80 Hi/Lo
ライン:オッズポート3、4号 スリム&ストロング18~22号(約8~6m)
ジグは共通
フック:青技太地、カルティバ チェイス7/0、8/0などをザイロン30号で結節

西本康生流スローピッチジャーク「キハダジギング実釣指南」【後編】はこちら>>>

西本康生流 スローピッチジャーク「キハダジギング実釣指南」【後編】

西本康生流 スローピッチジャーク「キハダジギング実釣指南」【後編】

2021年10月19日

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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