タチウオ、その他のベイト食いでも威力を発揮!明石沖で狙う青物ジギング【後編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年10月23日
ARMSから、2020年秋新たに発売されたジグ・ロングソード。細部までこだわり作り込まれたこのジグは、明石沖を舞台にテストが繰り返され、完成したモデルだ。秋の風物詩であるブリがタチウオを捕食するパターンを主軸にその他のベイトを捕食している状況でも使い方で青物のバイトを誘発する性能という。実際にその威力を確かめるためにARMSメンバーとともに明石沖へ繰り出した。
前編では完全なタチウオパターンに入っていないという状況下でもハマチ〜メジロクラスをゲットすることができた。後編では動きと波動で魚を誘うというジグ、ロングソードの特徴とその後の釣果を見ていこう。
こだわりが詰まったジグのデザイン
明石沖で開発したジグ ストレート、スライドと広く活躍する動きを演出
皆に釣果が出てほっとしたところで、ロングソードの性能について、デザイナーの奥村さんに聞いてみた。
「まずシルエットの大きさでアピール力があります。タチウオパターンでのマッチザベイトはもちろんですが、その他のベイトでもアピールの大きさで、ターゲットに気づかせることができると言えます」
明石沖は、濁りが入った海域。アピール力の高さは、ターゲットに濁り潮の中で認識させるうえで大切な要素となる。
「形状としては、先ほど言ったようにフロントが薄く、テールが厚めで、センターバランスの左右非対称になっています。この左右非対称は、触ると分かる程度の僅かな差です。引き重りの無い抜けの良さと、動きのバランスを考え調整していった結果です」
さらに、既にARMSから発売されているセミロングのジグでSSソードというモデルがあるがこのジグはテールに設けられた僅かなキール(コンケーブエッジ)が乱流を掴みとり、水平姿勢を長くとるデザインとなっている。それと同じように、ロングソードでもテール部分にキールが設けられている。
「スマートなヘッドが、ジャークを入れるとベイトのような波動を発生させ、シルエットとともにこれでターゲットに気づかせます。そしてその波動を、テール側のキールで抑えることで、余計なジグの暴れを制御することができ、常にしっかりと動かせるようにしました」
動きとしては、通常のワンピッチジャークで、ラインスラックを出すように動かせば、長いスライドと長時間の水平姿勢でアピール。反応が広範囲に出ている状況で、広く探って青物を引き寄せたいときは、この動きが効果を発揮する。
「また明石沖のブリのタチウオパターンのように、反応がまとまっている時は、細かくストレートに、ノッタリノッタリとしたアクションで動かすこともできます。その際、ただ上へ上へ動くのではなく、波動を出してアピールするのです」
この細かく動かしてもアピールする性能は、明石沖においてサワラ狙いにも効果的。大きく飛ばしてしまうと、捕食ミスでラインブレイクしてしまうため、ボディーのアピール、波動でサワラを誘き寄せるのだ。
「絶妙な形状をしっかりと出すために、金型で作っています。こだわりが詰まったジグです」
▲長さは230gが250㎜、280gが277㎜(長さはアイを除いたもの)。明石海峡で子タチウオが捕食されている時のパターンにピッタリ。
使い分けをすれば更なる釣果が期待
その後、次第に潮が緩くなり、橋の東側のポイントではアタリは遠のいてしまった。そこで前日にブリとサワラの釣果が出たと船長が言う、橋の西側のポイントへと移動。潮が流れた瞬間、バタバタと喰いだしたそうだ。その瞬間を狙って、しゃくり続けるわけである。
▲この日は、潮流は比較的緩かった。それでも時折ヒットしてくるため、気は抜けない状況。
ただ、その後、ハマチを1尾追加しただけだった。そこで再び東側へ船を戻すと、一流し目にミヨシの小林さんにヒット。メジロクラスをキャッチした。その後、サワラらしき反応もあったが、数本のハマチを追加して、帰港となった。
▲潮止まりで一旦、橋の西側へ移動したが、再び東側へ戻り探ると、小林さんにヒット!メジロクラスを、しっかりキャッチ。
▲左舷トモ井上潤さんは、良型のタチウオをキャッチ。これは嬉しいサイズだ。
今回は、ロングソードにこだわって攻め続けたが、ロングソードだけでも武器になることが証明された。ただSSソードと使い分ければ、複合ベイトの状況ではより釣果を得ることができるだろうと容易に想像できる。そしてこれからタチウオパターンの最盛期を迎えれば、よりロングソードが威力を発揮するに違いない。
また、三重県では、昨年と状況が一緒なら、トンジギ(ビンナガジギング)のシーズンとなる。トンジギでも昨シーズン、ロングソードが好調だった様子。こちらもぜひ試してみてほしい。
▲時折、ちょっといいサイズもヒットするが、この日はメジロ止まりだった。だが、魚を寄せるパワーがジグにあることは実証されたのは言うまでもない。
▲橋の西側では、周りの船がセミロングシルエットのジグに当たっていたこともあり、奥村さんがプロトの180gで試してみるとすぐにヒット。イワシパターンで実績十分の発売中のSSソードと、このプロト180gの使い分けで、さらなる釣果が期待できそうだ。180gは来年の発表を考えているとのこと。こちらも期待したい。
【この記事は2020年11月現在の情報です】
タチウオ、その他のベイト食いでも威力を発揮!明石沖で狙う青物ジギング【前編】はこちら>>>
SHARE
PROFILE
SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。