【元祖釣りガールの復活】東京都八丈島・初めてのスーパーライトジギングにチャレンジ|パパ大津留のフォトエッセイ(後編)
SALT WORLD 編集部
- 2021年11月23日
オフショアジギング創世記の頃から海のオフショアに精通し、言わずと知れたオフショアのエキスパート・パパ大津留氏。
釣りの技術はもちろん、魚や自然に対する姿勢、温厚な人柄から多くのアングラーから慕われている氏とエリザベス優子夫人が初めてスーパーライトジギングに挑戦する様子を前後編で紹介。
後編となる今回はいよいよスーパーライトジギングの実釣となる。
【元祖釣りガールの復活】東京都八丈島・初めてのスーパーライトジギングにチャレンジ|パパ大津留のフォトエッセイ(前編)はこちら>>>
いよいよスーパーライトジギング
タックルだが、エリザベスはベイトタックルで、PEライン1号にリーダーは22lb、私はライトなスピニングタックルでPE2号にリーダー30lb。島ではアカハタなど根魚釣り以外では使わないタックルだ。
船長に話をし、大型カンパチを狙うポイントを避け、水深50〜100ⅿに限定した場所をお願いする。それでも、10㎏近い魚はどこにもいるのが八丈島だから、日ごろ不用意なラインブレークを嫌う私は、余計に神経を張り詰める。
昔からベイトリールは使い慣れたエリザベスは、ネイチャーボーイズの鉄ジグスピンライダー60gをユックリとスローピッチで泳がせるようにジグを動かす。
私はステンレス製のサスラーダー70gをクイックにワンピッチで誘う。潮は緩かったが、まずは八丈小島の一の根沖で私にヒットする。
大きく首を振るが、それほどの重量感はない。イヤイヤするように長い口を上下に振りながら上がって来たのはヤガラだ。素早くリリースして、再びジグを落とし込む。
今度はエリザベスと同時にヒットして、美味しいアカハタが釣れた。そしてすぐに、私に大きなアタリから3㎏サイズの本カンパチ。このタックルだと、このサイズでも十分にスリルがあって楽しい。隣で、エリザベスは再びアカハタをヒットさせている。アカハタは普段は20〜40ⅿで釣れる魚だが、この水深はあまり攻められてないのか?活性が高いようだ。
そして、再び私に5㎏クラスのヒレナガカンパチ。これは楽しい。リールから数回ラインを引き出し、そのパワーを存分に見せてくれた。その後、私にクロカッポレ(クロヒラアジ)、エリザベスは良型のアカハタとヤガラを連発する。
彼女に「ボトムまで落とすと、底の魚が先にヒットするから、ラインのカラーを見ながら狙うゾーンを絞り、ボトムを取らない釣りをすれば?」とアドバイスをする。
▲ジグを海底まで着けるとかなりの確率でアカハタがヒットする。中層の魚を狙うのであれば、ジグはボトムに着けないことが求められた。肘に持病を抱えるママを随時いたわりながらパパは釣りを楽しんでいだ。最初にヒットしたのはヤガラ。その後も何尾もヒットした。すぐにお帰りいただいた。
そこで中層を攻めたエリザベスに、すぐに大型がヒット。ギュンギュンとラインを引き出す。緩めのドラグの上に、痛めている肘をかばいながらのやり取りなので、魚はなかなか止まらない。
リールを巻くのがままならない彼女を叱咤激励しながら、30分ほどのやり取りで浮き上がったのが、8㎏を超えるキハダマグロだった。
普段、ジギングやキャスティングゲームで狙うサイズにはやや小振りかも知れないが、このSLJで、まして非力な彼女にはなかなかのサイズといえるだろう。肘を動かせず、ポンピングが出来ない彼女だから、長い時間のやり取りは握力も落ちてしまう。ランディングの後は、拳をグーパーグーパーしながら肩で息をしていた。
そこで私も、中層でスローピッチなジャークを繰り返すと、私にもキハダマグロがヒットする。10㎏は超えるだろうか?SLJでこのサイズは楽しい。その後もさまざまな魚が釣れ、最後に再びカンパチが釣れたところで、初めてのSLJを終了した。
▲痛めている肘をかばいながらファイトするママ。緩めのドラグゆえ魚はなかなか止まらない。長い時間のやり取りは握力も落ちてしまう。ランディングの後は、拳をグーパーグーパーしながら肩で息をしていた。
▲肘を動かせず、ポンピングが出来ないママが30分ほどのやり取りの末に釣り上げたのがこのキメジ。8㎏はあっただろうか。スーパーライトジギングでこのサイズは立派である。
▲ママが中層でキメジをヒットさせたのを受け、パパも中層でスローなジャークを繰り返した。するとすぐにヒット。これは嬉しい10kgを超えるキメジだった。
▲スーパーライトとはいえ、常に大物の可能性のある八丈島では、むやみなライト化は禁物。パパはPE2号をセレクトした。2号でもこのサイズのキメジはかなりスリリングで楽しい。
今までとこれから
考えてみると、ジギングの創成期は当たり前のようにこんなライトタックルでの釣りを八丈島や青ヶ島でやっていた。それはジギングという釣り知識の浅さもあったが、大いなる勘違いから、進化のための暗中模索だったろうか。
私は、その中で大型魚を手にするために葛藤し、今の釣りにたどり着いたのかもしれない。しかし釣りには様々なスタイルがある。それと同時に、魚種、そしてアングラーの体力、思考に合わせて様々なスタイルに出来上がって来たのだ。
創成期と違い、今は各地での先進的なアングラーたちが新しいスタイルの釣りを模索し、その技術を磨く。そして、多くのメーカーがその技術力を結集させ道具を進化させてきた。今は普通に、釣り好きの女子たちも、カラフルなウェアーを着てジギングを楽しむ。
多少ではあるが、体の不自由なエリザベスは70歳が目と鼻の先だ。そんな元祖釣りガールだが(笑)、タックルの進化、そして新たな釣りスタイルのSLJ(スーパーライトジギング)で、再びジギングの楽しさを思い出したようだ。
▲ママにしばらくアタリがないと、パパはすぐにジグやタックルを交換し、最適なアドバイスをする。長年連れ添った夫婦だけが可能な見事な連携プレーだ。
▲タックルの進化、そしてスーパーライトジギングという新たな釣りスタイルによって、再びジギングの楽しさを思い出したママ。元祖釣りガールは見事に復活を果たしたのだった。
Tackle
▲パパの使用タックル
ロッド:ダイワ・BLAST SLJ AP63MS-S
リール:ダイワ・CERTATE LT 4000- CXH
メタルジグ:ネイチャーボーイズ・SUSRIDER/サスライダー70g、ネイチャーボーイズ・SpinRider/スピンライダー65g、同80g
エリザベス優子の使用タックル
ロッド:ネイチャーボーズ・IRON FRICK“ Quick Drive” IFLB-6702QD
リール:ダイワ・TIERRA IC100XH、スタジオオーシャンマーク・Blue Heaven BH-L30 Hi/R
メタルジグ:ネイチャーボーイズ・SpinRider/スピンライダー65g
【この記事は2020年11月現在の情報です】
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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