キャスティング&ジギングで大型ヒラマサ ニュージーランドでキングフィッシュを狙う【前編】
SALT WORLD 編集部
- 2021年11月26日
日本で毎回コンスタントにヒラマサを釣るというのは大変である。
しかも大型となると、なかなか簡単にはいかない。だがニュージーランドはそれを叶えてくれる地として知られる。
レギュレーションがしっかりとしているからこそ、魚が豊か。だからアングラーとして得られることも多い。
ただ30㎏オーバーとなると、簡単には釣ることができない。
そんな大型ヒラマサを求めて、ノアマリンのスタッフが挑戦した際の様子を前後編の全2回でお送りする。
様々な経験がもたらすもの
昨年、浅草で行われた展示&トークのイベント・SFPCの会場でノアマリンのスタッフに挨拶をされた。聞くと、沖縄でGTをメインとしたガイドボートをやっているという。その後、そのノアマリンの船長。そしてスタッフがニュージーランド・ホワイトアイランドのキングフィッシュ(ヒラマサ)に挑戦するので、取材をしてほしいという申し出があった。
沖縄でガイドボートをしているのに、何故ニュージーランドなのか? と思い詳しく話を聞くと、船長の小谷優さんをはじめスタッフの方々は、もともとは福岡が地元。それこそ目の前の海・玄界灘で子供の頃から釣りにのめり込み、と同時に技術を向上させてきたという。さらにこれまで、地元福岡周辺の多くの有名遊漁船の操船技術、サービスを見てきた。そしてそんな経験をもとにしつつ、沖縄本島での遊漁船「ノアマリン」の操業を開始した。
ただ船長、そしてスタッフともに、より技術的な向上を目指すとともに、サービスの向上ということを考えた。船長、スタッフの経験が豊富であればあるほど、お客さんを迎えた際に、より的確な判断、アドバイス、そして快適な釣りが提供できるというもの。そんなことから、お客さんが少ない冬場に遠征を計画したという。
日本の12月、沖縄へGTで遠征してくるお客さんは少なくなる。一方、ニュージーランドでは春から夏への移り変わりの時期であり、キングフィッシュの釣果が良くなってくる。そんなタイミングで、ノアマリンの船長・小谷さんと、スタッフの新開雅寛さん、田中大志さん(以下敬称略)というメンバーで、ニュージーランドのホワイトアイランド周りのキングフィッシュ狙いの基地となる「ファカタネ」へと向かった。ガイド船は、本誌で幾度か登場しているミックが操船する「ギャンブラー」。航空機、ビザ、オークランドからの乗合タクシーの手配は、トラベルプロインターナショナルにお願いした。
▲今回のニュージーランド取材は、沖縄のGTをメインとしたガイドボート「ノアマリン」のスタッフに同行したもの。ノアマリン船長の小谷さん、スタッフの新開さん、田中さんがキングフィッシュを釣りまくった。船はファカタネに船を置き、ミック船長が操る「ギャンブラー」。多くの日本人アングラーが訪れている船だ。
▲探るのはホワイトアイランド周辺がメイン。多くの大型キングフィッシュの実績を持つ。
▲ミック船長の自宅一階の宿泊スペースに泊まり、食事は全て自炊。朝、昼はサンドイッチを作り、夜は皆で調理。
目標は2年前に見た30㎏オーバーの良型
実は小谷と新開は、今回でこの地に訪れるのは3回目とのこと。1回目は、大型のヒラマサが釣れるというのを知り、自分たちで飛行機、ビザ、船を手配し、標準となるタックルはSNSやブログなどを参考にしてチャレンジしたのだ。
そしてその時、新開のルアーに、船長推定30㎏クラスが喰いついた。ウネリが盛り上がったときに、その姿をはっきりと見た。迫力のある捕食、姿だったという。ただこの魚は、あと少しというところでサメに尾ビレを取られてしまった。
そんな悔しさもあり、翌年も挑戦。しかし、この時は海が良くなく、最終日にやっと海が静かになり、と同時に魚の活性も高くなったが、少ない時間で満足できる釣果ではなかったという。結果としては20㎏ほどまでだったようだ。
そして今回、やはり目標は30㎏オーバーとした。ちなみに国内で20㎏、30㎏オーバーとなると、なかなか簡単にはいかないが、ホワイトアイランドは、これまでの本誌SALT WORLD掲載の記事を見てきた感想としては、日本国内の一級ヒラマサフィールドよりも、出会う確率は高いと感じる。
もちろん、釣行時の潮などによって活性が高い低いはあるだろうが、とにかく魚の数が多いようだ。小谷、新開ともに「これまでの経験からして、大きいサイズを釣りたいと狙っていても、5㎏までの小さいのが、プラグを奪い合うように先に喰ってきてしまうことも多いです。それをいかに避けていくかも重要です」と話す。
釣行初日、早朝に出船。船着き場からホワイトアイランドまでは1時間30分ほど。タックルは前日に用意しており、島への到着を待つ。探り方はキャスティングがメイン。PE8号のタックルとなる。そしてジギングも行うため、そちらも用意。キャスティング2名、ジギング1名で探っていく考えだ。
奪い合うようなバイト それだけ魚が多い
ホワイトアイランドに到着後、すぐに船長から合図が出た。そしてすぐに魚影の豊かさを実感することとなった。開始早々、田中が操るプラグに良型がヒットしたのだ。だがこれは、ポロリと外れてしまった。しかし皆のプラグにも小型ではあるが次々とヒット。まさに奪い合うかのようなバイトだ。そのような小型のアタックに対しては、誘いを入れずにただ巻きで回収して次の一投へと繋げる。
開始して約1時間後、今度は新開に良型がヒットした。これは14㎏。そしてそのすぐ後に18㎏クラスをキャッチ。これに小谷、田中が続き、それぞれ15〜20㎏クラスをキャッチすることに成功した。15㎏オーバーは初日で7匹キャッチされた。
▲初日、ファーストヒットで強烈な引きをみせるキングフィッシュを掛けた田中。その引きの強さに一瞬驚いた。そしてその後、すぐにフックアウトとなってしまった。
▲田中はその後、再び良型をヒットさせた。冷静なファイトで18㎏の良型をキャッチ。
▲初日、すぐに14㎏をキャッチ。まずは肩慣らし。メンバーが今回目指したのは30㎏オーバー。
▲初日に小谷がキャッチした20㎏。スタートしてから5匹目でこのサイズをキャッチ。
▲大型キングフィッシュの強烈な引き。ラインはPE8号。ドラグも強い。しばし耐え、タイミングを伺う。
▲新開はスタートから次々と釣り上げた。これは18㎏。初日は14㎏、15㎏、18㎏×2の良型をキャッチ。
【この記事は2020年1月現在の情報です】
キャスティング&ジギングで大型ヒラマサ ニュージーランドでキングフィッシュを狙う【後編】>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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