三重県・ 鳥羽沖のブリジギング【後編】
SALT WORLD 編集部
- 2022年01月05日
ブリ、サワラ、マダイ、シーバスなど多彩なターゲットを狙える鳥羽沖は、都市部からのアクセスもよい貴重なギングフィールド。西風をブロックする地形も相まって冬場の出船率も高く、晩秋から年明けまでにビッグチャンスを迎えるブリジギングにとって魅力的な条件が揃っている。そんな鳥羽沖を攻略するためのキーワードを探り、前後編でお送りする。
後編のキーワードは『ジグのカラーチョイス』。
アカキンにミドキン。ジグの色はゴールドが安定
この記事は2017年10月と同12月の釣行記事をもとにしているが、まずは10月、ダイワのスタッフがチャレンジし、イナダやワラサ、サワラなど多彩な魚をキャッチするもブリクラスには出合えず。そのリベンジとして、住澤さんを加えたメンバーで再チャレンジとなったのである。
▲10月の釣行ではワラサ、サワラ、マダイ、マハタ、シイラ、アマダイなど多魚種をゲットしたもののまだ少し早かったのかブリは出ず。写真上は金満秀幸さん、写真下は戸出玄樹さん。
▲ダイワの金満秀幸さんはハイレスポンスタイプの62XHB、60XXHB と、スピニングは60XXHB を使用。全体にスローテーパーで高反発系。スロー系のロッドに近い感じで感度とレスポンスが良いため、ハイピッチやジャカジャカにも向いている。
当日も伊勢湾から吹き抜けてくる爆風でコンディションは最悪。鳥羽でなければ釣りが成立しないほどの激荒れだったが、最後の最後に訪れた水道で、住澤さんが「これぞ鳥羽!」というドラマ魚を釣り上げた。
そのポイントで住澤さんが結んだのは、FKジグ150gのアカキン。これをボトムに沈め、自身の信じる食わせのシャクリを開始。一回一回丁寧に、魚に見せるようにゆったりとしたワンピッチでジグを動かしていくとロッドが突然止まり、次の瞬間、海面に突き刺さった。
▲2017年12月の釣行で住澤さんがチョイスしたFKジグ150gアカキンにビッグヒット。激荒れのなかで攻防が続く。ロッドはスリルゲームの62HB、ラインシステムはPE1.5号にフロロカーボンの8号。
ボトムから7~8回しゃくり、一瞬のポーズからジグがヒラッとバランスを崩したかどうかというタイミングで食ってきたビッグワン。すかさずアワセを決めると、信じられない重量感が伝わってきた。
「これはブリではなくエイ?」と疑心暗鬼になるほど強烈にロッドを曲げるファイトのあと、海面に姿を現したのは11・7kgのブリ。長さもさることながら、その体高と太さは目を見張るほど。堂々とした体躯の完璧な鳥羽ブリであった。
実はこのジグ選択に、鳥羽攻略のもう一つのキモが隠されている。
「もともと鳥羽沖では沖のシルバー、岸寄りのゴールドというのがセオリーで、アカキン、ミドキンの実績が高いのですが、当日はシケの影響なのかいつにも増して濁りが強かったため、迷わずアカキンを選びました。ジグのサイズはこのエリアの水深やベイトに合わせる意味と、シーバスの可能性も考慮して軽めにしました」と住澤
さん。
▲ジグを本物の小魚のように操る住澤さんがこの時使っていたのは、低弾性カーボンを使ったローレスポンスコンセプトのロッド。ベイトはソルティガBJ 63XHB-Sと62HB スリルゲーム、62XHB スリルゲームの3本。スピニングは63XHS-S(ソリッド)。リールはソルティガBJのハイギア(6.3)とスーパーハイギア(7.3)をセットした。ラインはベイトがPE2号を2セットとPE1.5号を1セット、スピニングはPE2号。ショックリーダーは、1.5号にはフロロカーボンの8号、2号には10号を6~8mつないだ。
まさに通い込んだエキスパートならではの正確な読みである。相対的に潮が濁り気味のことが多い鳥羽では、ゴールド系をメインにジグを準備していくアングラーが多い。また、冬期の鳥羽ではブリに交じってシーバスもよく釣れるが、これは鳥羽のシーバスをもじって「トーバス」の名で親しまれている人気ターゲット。水色、水深、ベイトのサイズ、ゲストのシーバスまで想定して組み立てた戦略である。
ジャークはワンピッチ主体、ジグカラーはゴールド系がテッパンと、シンプルなまでにヒットパターンが確立されている鳥羽沖のジギング。机上の理論や仮定の話ではなく、ここを訪れるアングラーが長い時間を掛けて導き出した答えだ。迷わず信じたうえで自分なりの創意工夫を加え、結果につなげよう。
【KEYWORD_2】ジグのカラーチョイス
鳥羽沖のカラー選びは岸寄り(濁り潮)のゴールド、沖(澄み潮)のシルバーというのがセオリー。なかでもミドキン(グリーンゴールド)、アカキンは外すことのできない代表的なヒットパターンだ。
【この記事は2019年10月現在の情報です】
大型のブリがターゲット! 三重県・鳥羽沖のジギング【前編】はこちら>>>
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SALT WORLD 編集部
近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。
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