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新潟・柏崎沖のマダイ・スーパーライトジギング~メロン屋工房・永井真人の攻略術~【後編】

SLJ第一人者であるメロン屋工房の永井真人氏が緊急事態宣言解除直後に柏崎マダイに挑む。初めて訪れるフィールドでのマダイジギングの行方は……。

新潟・柏崎沖のマダイ・スーパーライトジギング~メロン屋工房・永井真人の攻略術~【前編】はこちら>>>

新潟・柏崎沖のマダイ・スーパーライトジギング~メロン屋工房・永井真人の攻略術~【前編】

新潟・柏崎沖のマダイ・スーパーライトジギング~メロン屋工房・永井真人の攻略術~【前編】

2021年12月26日

ジグマダイ攻略2本柱

「初めての海、初めて乗る船はワクワクしますね。すべてが未知の世界。ゲームをイチから組み立てていくという、攻略する楽しみがあります。アングラーとしての血が騒ぎます」

海龍丸・林船長によれば、例年であればこの時期の柏崎沖はマダイのベストシーズンとのこと。だが、今年はどうも様子がおかしいという。

「例年ならいい時期なのですが、今年はバラつきが大きい。3月には水深130~150mという深場で船中30枚ということも珍しくなく、本当によく釣れました。それが今は……」

その要因のひとつに、ベイトがアミになっていることが挙げられるという。これがかなり厄介なのだという。

「大量発生しているようで、魚探が真っ赤な帯になるほどです。このエリアでは夜ヒラメという釣りがあるのですが、そのエサに使うアジが異常にデカイんです」

マダイたちにとっても苦労することなく、しかも大量にエサを食べられる状況だ。しかも、ベイトのサイズは極小である。

実際、永井が釣行した頃はタイラバはもちろん、コマセ釣りでさえもいい釣果は上がっていなかった。はっきり言ってしまえば、超タフコンディション。初めての海、初めての船で、そんな状況を永井はどう攻略していくのか……。

水深40m前後から攻めていくという。船は片舷のドテラ流しで、1ノットで流れているという。風はほとんどないので、潮で流れていることになる。

タイラバは20mは巻き上げてくださいと指示が出た。魚は少し浮き気味のようである。永井以外の釣り人は全員タイラバだ。

永井の記事でたびたび紹介しているが、永井はマダイを狙う際は、「横」と「縦」という大きくふたつの柱を軸に釣りを組み立てていく。前者は、時にはキャストしてラインを出し、広く探るスタイル。それに対し後者はバーチカルに攻めるスタイルである。

横の釣りには、メタルジグは左右非対称で扁平な「トリッカーII」をただ引きメインで使う。ヒラヒラとよく動き、潮にも乗せやすい。

一方、縦の釣りにはティアドロップ型の「ドロッパーFS」を使う。リアヘビーでフォールが速く、ジグ自体があまり動かないように設計されてるため、ロッドでアクションを加えて攻めていく。

▲船は片舷のみのドテラ流し。水深にもよるが、横の釣りではラインが140m以上も出ることも。ラインの角度を確かめながらタックルやジグを状況に合わせていく。「仙台の釣りに似ていると思いました」
▲潮もなく、風もほとんどなく、船は辛うじて風で流れていた。スピニングタックルでキャストして広範囲を探る。右はドロッパーで釣れたイナダ。サイズがサイズだけに永井の表情は渋い。
▲根魚類も豊富のハズだが、潮が流れなければこちらも渋い。小型のアイナメもドロッパーで。船中では良型のソイも上がっていた。動きを抑えた設計のドロッパーはロッドでアクションを入れて攻めていく。

永井のジグマダイ持論

だが結局、初日のハイライトは林船長のモンスターだった。永井は一尾のみ。とはいえ、マダイは船中一人0~1枚と考えれば決して悪い成績ではなかった。

二日目はモンスターが出た水深前後から探っていく。

永井はベイトタックルにドロッパーFSの100gを付けた。縦の釣りである。だが、「余裕で底が取れます」とポツリ。潮がまったく流れていない。「マダイの反応はありますが、ボトムにべったりと貼り付いている感じです」と林船長。そこで永井はスピニングにタックルに換え、トリッカーⅡの45gを付けた。

「キャストしてさらに潮に乗せて遠くまで送り込み、スローで巻いてボトムをズル引きします」

それでも、アタらない。タイラバにもアタリはなかった。

この日はさらに状況は厳しかった。終始潮がまったく流れない。それでも永井は、なんとか本命を一尾キャッチする。水深48mで、ベイトタックル&トリッカーII45gという組み合わせ。140mほどラインを出し、着底から50m巻いたときだったという。ボトムからおおよそ30m上の計算だ。

結局、この日のマダイは船中で永井の一尾のみだった。

「ジグでマダイを狙う際は、魚のベイトに絡まないと難しいと思っている方も多いと思います。確かにその方が確率は高くなりますが、私はそれがすべてだとは思っていません。というのも、タイラバはゴムのネクタイやスカートにマダイがバイトして来るというイメージを持っている方が多いかもしれませんが、私はそうではないと思っています。もちろん、ネクタイやスカートめがけてバイトしてくることもあるとは思いますが、あのガツガツとしたアタリが出ているときは、ヘッドにアタックしているのだと思っています」

硬いものに硬いものが当たらなければ、あのような硬いアタリは伝わって来ないのではないか、と永井は言うのだ。

「つまり、マダイがヘッドを狙って食って来ているのだとすれば、ジグにも食うはずなんです。これは私の持論なんですが、タイラバに食う状況であれば、ジグでも釣れると思っています。そのうえ、SLJはジグが小さい。ここに大きな意味があると思います。今回のベイトはアミとのことですが、さすがにアミにマッチしたとは思えませんが、型を見られてよかったです」

初めての海域、初めての船で、タイラバやエサ釣りでも苦戦するという状況のなかでの今回の釣果は上出来だったのではないだろうか。後日、林船長に状況を聞くと、今年は乗っ込みがなかったという。

SLJは、本当に奥深い。永井のSLJマダイ旅は、今後も続く!

※この記事はソルトワールド2020年8月号の記事です。

▲中層でショートバイトがありすぐに入れ替えると、100mほどラインが出てジグが着底した直後にヒットした。上から追いかけていったと思われる。その引きからマダイを確信し、永井は慎重にファイト。無事キャッチに成功した。
▲レンコ(キダイ)はマダイ以上にヒット。美味しいゲストではあるが……。
▲SLJ定番のキジハタも嬉しいゲストだ。
▲せめてもう一尾、なんとかもう一尾……という取材プレッシャーとの戦いを見事に征した永井は、その重圧と緊張から解き放たれつい座り込んでしまった。
▲ジグはトリッカーIIの45g。テイルのフックを1本にし、ジグの動きをよくしている。ラインは基本0.8号。ベイトが小さくジグサイズを落としたいときや、潮が速いときなどに0.6号を登場させる。
▲柏崎モンスターと呼ぶにふさわしい見事なマダイを持つのはスタッフの中村さん。林船長はちょこっと竿を出してタイラバでこのサイズ。さすがでした!

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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