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【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART1】

究極のゲームフィッシングのひとつ「ジャイアントトレバリー=GT」を、長年狙い続け、多くの記録的サイズをキャッチしてきた実績を持つGTフィッシングのパイオニアのひとり鈴木文雄氏。本誌ソルトワールドで連載してきた釣行記「海道釣紀」の中で鈴木氏が玄界灘・壱岐の島に赴いた際の記録を全4編でお送りする。

釣りの再スタートの地、佐賀

佐賀の唐津を久しぶりに訪ねることになった。福岡、長崎は時々釣りのついでに旅をしていたが、佐賀は久しい。20代の中頃、佐賀平野の有明海近くでフナ釣りをすることになった。頼まれてのことだけれど、1週間ほど釣糸を垂れた。この地方には冬鮒を昆布で巻き、甘辛く炊いて正月に食べる風習があり、その鮒を任せられたのだ。鮒はマブナがベストらしい。

さらに時を遡る。ぼくは家庭の事情で小学校を卒業すると同時に、埼玉の鳩ケ谷に転校した。裏日光街道の宿場町の歴史を持つ鳩ケ谷は近くに見沼用水、新芝川、越谷方面に、江戸川が流れ、新平新田用水路が小鮒の生息域なのだ。また、鳩ケ谷に隣接する川口は、有名な鋳物の他に釣竿工房が多く在る。釣りには天国のような地に、ぼくは知らずに紛れ込んだ。

家から徒歩3分の見沼用水は、江戸時代に新川から分流させた人工の川でタナゴや小鮒からウナギまで釣れるのだ。今は3面コンクリート護岸+鉄柵で見る影もないけれど、話は50年以上前のお話なのでご容赦願いたい。勿論リールとかルアーとかは高価で手が届かず登場しない。つまり釣りは一本竹の延べ竿にウキと針と錘を付けた、簡単な仕掛けなのだ。餌はミミズを掘るか、釣具屋で買うサシや赤虫だった。針は板ガムパッケージのような黄緑の糸付き〝がまかつ〞だ。

野球だ!将棋だ!釣りだ!と遊びまわっていたぼくも、青年期にはいると興味は化学や絵画に移っていってしまい、釣りのことなど忘れてしまう。大学時代は絵の具の匂いにまみれ、ドロップアウトして留学というかたちでヨーロッパに行ってしまった。

帰国した直後、旅先の佐賀でフナ釣りをすることとなったのだ。田舎で活かせるぼくの特技は釣りだと気づいたからだ。佐賀市内の釣具屋で一番安い継ぎの竹竿と仕掛けを買って、農家の鶏小屋近くでミミズを掘って、バケツを持って近くの田んぼの用水路で糸を垂らした。子供のころは長く重く感じた4mぐらいの竿も、軽く振れることに驚きながら小鮒の引きを楽しんだ。中学時代の感覚を覚えていたようで驚くほどフナを釣り、面目を保てた。

唐津にもその足で旅をし、奇岩や松林の海岸を歩いた思い出もあった。佐賀の人は寡黙で我慢強く、努力家であるという印象を、ぼくは今でも持っている。それ以来の佐賀の唐津にヒラマサを狙いに訪れたのだ。

▲若かりし頃、ヨーロッパ留学から帰国した足で立ち寄りフナ釣りをした佐賀。それ以来の佐賀・唐津にヒラマサを狙いに訪れた。

アクアファントム薫風

福岡空港にはアクアファントム薫風(クンプウ)の小島薫船長が迎えに来てくれた。彼は千葉の出身だが、ヒラマサに魅せられて唐津で遊漁船を開業したという。

「千葉の木更津でシーバスガイドをやっていましたが、キャスティングのヒラマサに魅せられ思い切ってこっちに来ちゃいました」。小島船長は照れて笑った。そして「鈴木さんが本当に来てくれるとは思いませんでした」と、続けた。

ぼくは65歳を過ぎたころから、GTフィッシングを長く続けるために、体調と身体の部位ごとのリペアーを含めたケアを心掛けてきた。つまり健康を最優先に考えなければいけない年齢に差し掛かってきたのだ。そんななか、どうしても鈴木さんのガイドでFISHERMAN5号に乗りたいと連絡をくれたのが小島船長なのだ。日程が合わずぼくが断ると「何年でも待ちます」と言う。そう言われればぼくも折れざるを得ない。1年後のチャーター予約を受けてしまった。

小島さんは良いサイズのGTをヒットさせてくれたけれど、次の日は嵐となった。そのとき彼のヒラマサ遊漁船計画を聞いたが、自分自身も無茶苦茶な生き方をしてきたので今さら、聞いた風な説教じみた正論を言えない。彼は何年も掛けてぼくの前に立って話をしたのだ。聞いた以上は聞き流せないのが、楽天的内向性B型の長所でもあり欠点でもある。釣りの遊漁船選びには人一倍慎重なぼくが、こうして釣りの再スタートを切った佐賀に釣り旅をするのも、釣り神の導きか何かのご縁に違いないと思った。

「今日まで冬型で北風が強かったのですが、明日は治まるようです。早朝に出発して壱岐の西海域まで行ってみましょう」。打ち合わせは直ぐに終わった。

▲アクアファントム薫風の児島船長と。

【この記事は2020年1月現在の情報です】

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SALT WORLD 編集部

SALT WORLD 編集部

近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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