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【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART2】

究極のゲームフィッシングのひとつ「ジャイアントトレバリー=GT」を、長年狙い続け、多くの記録的サイズをキャッチしてきた実績を持つGTフィッシングのパイオニアのひとり鈴木文雄氏。本誌ソルトワールドで連載してきた釣行記「海道釣紀」の中で鈴木氏が玄界灘・壱岐の島に赴いた際の記録を全4編でお送りする。

【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART1】>>>

【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART1】

【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART1】

2022年01月12日

壱岐の島へ

朝4時、唐津第一ホテルのロビーで待ち合わせ、近くの漁港に向かう。満月の大潮なので干満の差が激しいらしく、高い岸壁から彼の船にはすんなり乗れた。夜明けは遠いらしく、沈みかけた満月の射光が唐津湾のさざ波を浮き立たせていた。街路灯のLED光が無機質な眩しさで目に刺さった。アクアファントム薫風は50フィートの漁船タイプの遊漁船で、500馬力の一基掛け30ノットで走れるという。ちょっと狭いけれど横になれる寝室もあったので、ぼくは壱岐まで休むことにした。
 
1時間後エンジン音が低くなり、減速したことで目が覚めた。昨日までの北風は治まり、大きなうねりだけが薫風丸を揺らす。やがて壱岐の島影が暗闇に見え出す。玄界灘の冬の夜明けは急激に天空も星々を飲み込み、青白いけれど少し橙色の入った息吹きを一面に広げ出した。低い島の山並みは漂う湿気のせいか、紫煙のなかに浮いて見えた。

ぼくはタックルバッグを持ってフロントデッキに立った。ロッドは新開発のGT&ヒラマサ3ピース用GALOIS‐MASSA853TとGALOIS‐MASSA813GT・Tの2本だ。これは海外国内遠征用で、ロングキャスティングを目的としているロッドだ。ステラ14000と18000にアバニGT・SMP6号&8号を巻き、スーパーステルス130lb&150lbショックリーダーを2ヒロ、それぞれにFISHERMANノットで結んだ。スティックベイトは⊿FB‐90サイドミラーや⊿10‐65などを色別に用意し、FISHERMANアルミミニスリーブ+120lb楕円スプリットリングで連結した。

活躍したタックル
ロッド:GALOIS-MASSA853T & 853GT・T
    REDPERCH723Ti・T(タイラバ)
リール:STELLASW14000XG
ライン:AvaniGT SMP 6号、8号 
ショックリーダー:Superstealth 130lb、150lb
ルアー:⊿10-65⊿FB-90SideMirror

「あまり遊漁船が見えないね」。激戦区の玄界灘にあって壱岐の島・西の瀬は人気のはずだ。

「対馬でシロカワカジキや大きなヒラマサの情報がSNSに流れていたので、ぼくは逆にここを狙っていました」。小島船長はニヤリとした。

うねりと大潮の潮流は風と同調して、船を2ノットで流した。

「瀬の水深20mラインを流します」船長のアナウンスも初々しい。

僕はフロントデッキの中央に立ってGALOIS‐MASSA813Tを手にした。アングラーはぼく一人だけれど、後ろを確認してキャスト。一投目、風に乗ったスティックベイトは薄紫色の空に吸い込まれて行く。着水点はうねりに遮られて見えなかった。波間に⊿10‐90を漂わすように動かすと、かすかな揺らぎがスティックベイトの後方で起きたが、ヒットには至らない。

近くで何かが飛んだ気配がした。すると小さなシイラが、群れで飛び跳ねて逃げ惑った。ぼくはすかさずキャストしたがヒラマサより先に中型のシイラがヒットしてしまった。手間取っている間に追われる小型シイラの群れのスピードは速く、あっという間に遠のいて行った。運悪く引き縄漁船も同じ跳ねを見つけたらしく、何艘か近くを通過していく。風と群れのスピードを計算して、あと5m逃げるシイラの前に投げていればと反省した。

「惜しかったですね」

船長も残念そうだ。狙いは的中したけれど、なかなか上手くいかないのは釣りの面白さなのだ。日が高くなるにつれ、海のざわつきも治まって来てしまった。

▲フロントデッキの中央に立ってGALOIS-MASSA813Tを振り抜く。風に乗ったスティックベイトは薄紫色の空に吸い込まれて行った。

「島の北側に張り出した水深20〜30mのテラスがあります。そこに移動します」

船長の決断は早かった。時間が経つにつれて気温も上がり出すと、インナーのヒートテックを脱いでTシャツ+長袖の軽い服装になった。さすがに冬の玄界灘の風は冷たいけれど、日差しは石垣島の海と変わらないのだ。北側テラスにはすでに遊漁船が一艘流してキャスティングをしていた。

▲昼休みに鯛ラバを試すとホウボウが釣れた。小島船長は鯛を釣った。ロッドはREDPERCH723Ti・T。

【この記事は2020年1月現在の情報です】
【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART1】>>>

【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART1】

【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART1】

2022年01月12日


 
【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART3】>>>
【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART3】

【鈴木文雄】唐津の冬ヒラマサ 玄界灘・加唐から壱岐の島海域に大政を追った【PART3】

2022年01月13日

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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