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モンスター級の実績もある夢のフィールド 鹿児島県種子島のジギングカンパチ

PPJ(パワーピッチジャーク)スピニングモデル登場!

“レッドモンスター”やGT、そして大型カンパチで有名な鹿児島県種子島。
2022年2月、「ゼスタ」の宇都宮基浩さんらはニュータックルを携え大型カンパチを求めこの海に降り立った。
ところが…。

シーズンはこれからということで、ここでは種子島におけるカンパチジギングの概要やタックルについてご紹介したい。

▲ゼスタ代表の宇都宮基浩さん。渾身の力でPPJスピニングを振るが…。自然には勝てなかった。

カンパチパラダイスに新遊漁船がオープン

鹿児島空港からは飛行時間わずか30分。鹿児島本港からも高速船で1時間半程度。鉄砲伝来の島であり、種子島宇宙センターで有名なこの島は、釣り人の間では大型アオリイカ〝レッドモンスター〞やGTが有名だ。

だが、ゼスタ代表・宇都宮基浩さんたちの目的は、それらではない。カンパチだ。

「鹿児島県の種子島といえば、私たちの間では〝カンパチパラダイス〞というイメージです。そこに今年、〝オーシャンズ種子島〞という遊漁船がオープンしました。種子島は羽田を早朝便で発てば昼前には着いてしまうという非常にアクセスのいい場所にあり、遊漁船は決して少なくないのですが、漁師と兼業で行っている船も多く、漁の関係で我々は5月頃からなど乗りたいときに乗れないことが度々ありました。それが、オーシャンズ種子島ができたことにより、種子島ではこれまでシーズンオフと言われていたそんな時期でも、カンパチが狙えるようになったんです。これは本当に嬉しい限りです」

宇都宮さんたちがオーシャンズ種子島を訪れたのは2022年2月の下旬だった。このとき日本列島にはこの冬最後になるだろうという強い寒気が南下し、種子島といえども最高気温が10度に届かないほど。関東と変わらない真冬の服装が必要だった。

初日は前述のような早朝便で羽田を発ったため、昼前には種子島入り。午後から出船となった。寒気の影響で北西風が強く、時間も限られているため、近場を攻めてみることになった。

種子島カンパチ推奨ジギングタックル

島周りの近場では、カンパチのサイズは大きくても3㎏程度とのこと。そこで宇都宮さんがセレクトしたのは、ゼスタの「スローエモーション・スピンスロージャーク」シリーズのS654。スロー系ジグで200〜400g、ハイピッチ系は180〜300g対応とロッド自体は決してライトではないが、150g前後のジグを使ったライトゲームも楽しめるマルチなロッドだ。ラインはPE2号である。

▲ライトゲームでは、宇都宮さんは「スローエモーション・スピンスロージャーク」シリーズのS654を使用。

「種子島はカンパチパラダイスと言われるだけあって魚影は非常に濃く、サイズを選ばなければ手軽にカンパチを釣ることができます」とは、オーシャンズ種子島の鈴木秀馬船長。

▲種子島の西之表市に新たにオープンした遊漁船「オーシャンズ種子島」。漁師兼業の遊漁船ではないので、漁の状況に関係なく出船可能だ。

▲魚影が濃いのでダブルヒットやトリプルヒットは珍しくない。今後開拓が進めば、さらなる釣果に期待がかかる。今回の釣行は、フィッシングチーム「オーシャンズ」の海野氏(写真下)や岩井氏(写真上)に協力いただいた。

▲オーシャンズ種子島・鈴木秀馬船長の14kg。ジグはゼスタのスリッピー。21歳と若いが、大の釣り好きアングラーであり、毎日のように沖に出て調査を行ったり、漁を行ったりしている(画像提供/オーシャンズ種子島)。

ポイントに着いてジグを落とすと、落とすたびに3㎏前後のカンパチがヒットする。小型が多いのは決して悪いことではない。それは次の世代がいるということを意味する。海が健全な証拠だ。

「このポイントではこのサイズがメインとのことなのでタックルはこのようなセッティングですが、やはりこの島に来る以上は、狙うなら大型。それなりのサイズを狙うとなれば、簡単にはいきません。タックルもそれ相応の物が必要となります」(宇都宮さん)

ちなみに、秀馬船長に種子島カンパチの大型サイズの実績について聞いてみると、

「私の船でこれまでにキャッチしたカンパチの最大は17㎏ですが、種子島に来てからは52㎏というサイズを実際に見ています。まだまだ大きいサイズは確実にいます」

▲初日の午後は島周りでライトゲーム。流し変えるたびに3kg前後のカンパチがヒットする。小型が多いのは海が健全な証拠。ここは紛れもなくカンパチパラダイスだ。

そこで今回宇都宮さんが持参した、種子島カンパチジギング用タックルをご紹介しよう。

ロッドは、ゼスタの2022年ニューモデルである「パワーピッチジャーク・スピンパワーピッチスタイル」(以下:PPJスピニング)シリーズと、ゼスタのスロージギングロッド最高峰「スローエモーション・サミットエディション」シリーズ(以下:サミットエディション)、そしてカンパチジギングの超定番「スローエモーション・パワーピッチジャーク」シリーズ(以下:PPJ)だ。

▲宇都宮さんのメインタックル。

PPJスピニングは、S62X-PPJとS58-PPJをメインに、S54-PPJやS410-PPJ。サミットエディションは、B645とB636をメインに、B643やB628。PPJは、B57-PPJ、B55-PPJ、B52-PPJがおすすめだ。

PEラインは3号が基準。潮がいい時間帯など〝ここぞ〞というときは4号をセレクトする。

「ただ、種子島ではカンパチ以外にマハタの良型がヒットすることも多いので、それらを狙うときや、渋い時間帯の最終手段としてPE2号のライト目のタックルもあってもよいかもしれません」(秀馬船長)

メタルジグについては、「大型を狙うのであれば、水深は150m前後なので、ジグは250〜350gを中心にその前後、夏場は500gも必要になることがあります」と秀馬船長。ゼスタ・スローエモーションシリーズの「フレアスリム」や「スリッピー」、「フラップ」、そして2022モデルの「フラップQR」にとくに実績が高いという。

▲2022年、ゼスタから登場する「スローエモーション・フラップQR」や、新ウエイトの「スローエモーション・フレアスリム」180g。スプリットリングやグローブも。

不運な釣行となったが、シーズンはこれからだ

二日目。朝、港に集合したものの、予報よりも風が強い。安全を考慮し、いったん待機となった。だが、しばらく待つも風は一向に収まらず、中止。

三日目。この日も朝港に集合するも、前日の風が残っていていったん待機…。だが、午前8時頃になると次第に風が収まり、なんとか出船することができた。

ポイントは水深100〜130m。ここでは数日前に秀馬船長が14㎏のカンパチをキャッチしており、連日10㎏オーバーの実績あるという。

だが、不運は続くもの。3㎏前後のカンパチは流し変えるたびにヒットし、さあこれから夕方の時合で大型を…というタイミングで風が強まってしまう。何かあってからでは遅い。これ以上は危険と判断し、港へと戻った。

▲三日目にして、ようやく本命ポイントへ。水深は100~130m。連日10㎏オーバーがヒットしていた場所だ。周囲には他の遊漁船は全く見えない。
▲ゼスタ・スタッフの石原さんは、2022年のニューモデルであるPPJスピニングのS62X-PPJで良型。

▲S62X-PPJやS54-PPJ、そしてベイトのPPJなどを駆使して誘いをかけていくと、流し変えるたびにカンパチがヒットする。だが、時合ではなかったため小型ばかり…。とはいえ、魚影の濃さには眼を見張るものがあった。

四日目。強風のため中止。もう笑うしかない。

五日目、最終日。帰りの飛行機の時間があるため、釣りは午前中のみ。それでも秀馬船長は、最後の望みをかけてポイントへと船を向ける。だが、やはり3㎏前後のカンパチは流し変えるたびにヒットするものの、大型の時合はもう少し遅いようで、後ろ髪を強く強く引かれて種子島を後にしたのだった。

釣りは趣味だ。そして、自然相手の遊びである。遊びで命を落とすことなど、決してあってはならない。今回は残念な結果となってしまったが、種子島カンパチのシーズンはこれから。

この夢あるフィールドに注目していきたい。

▲オーシャンズ種子島・鈴木秀馬船長から送られて来た釣果画像。カンパチにマハタ、シーズンになればマダイも狙える。どれも良型だ。「オーシャンズ種子島」は今年開業したばかり。今後が非常に楽しみだ(画像提供/オーシャンズ種子島)。

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SALT WORLD 編集部

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近海から夢の遠征まで、初心者からベテランまで楽しめるソルトルアーフィッシングの専門誌。ジギングやキャスティング、ライトゲームなどを中心に、全国各地の魅力あるソルトゲームを紹介しています。

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