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おひるねハウス,南川祐輝,佐久島

信号もコンビニもないがアートと自然がいっぱいな愛知の離島へ【出張絶景-出張帰り新幹線に乗る前に-】

名古屋から行ける自然豊かな離島「佐久島」

伊豆大島が”東京から一番近い島”であるように、中部エリアの中心たる名古屋にも一番近い島が存在する。名古屋から南へ、中部国際空港を過ぎた先まで伸びる知多半島と、愛知県南東部、太平洋に面した渥美半島、この二つに抱かれた三河湾の中央付近にはいくつかの離島があるのだ。 東海道新幹線「豊橋」または「名古屋」からローカル線に乗り換えて「西尾駅」へ。そこからバスで30分程揺られて到着した一色港から定期船で約20分程。三河湾に浮かぶ複数の離島の内、有人離島である「佐久島」、「日間賀島」、「篠島」の中で最大の佐久島は、人口196人(65歳以上108人※2020年4月1日現在)、周囲約11kmの離島だ。

その歴史は古く、2500万年前に海中で堆積したものが長い年月を経て島となったもので、紀元前3000年ごろには人が住み着き、古墳時代後期の古墳や、縄文・弥生式の土器片なども多く出土しているという。海を生活の場としていた海部(あまべ)族の末裔たちにより、江戸時代には海運業で繁栄し、その後は漁業を主たる産業としながら、昭和29年の市町村合併により佐久島村は一色町に編入。平成23年に西尾市と幡豆郡3町が合併し、現在の西尾市一色町佐久島となった。

何もない島から、ここにしかない絶景の島へ

島の全域が三河湾国定公園内にあるという風光明媚な景観、穏やかな海と豊かな自然に囲まれた、静かでゆったりと流れる島時間とタコやエビ、アサリなどの新鮮な魚介類のグルメ。これだけでも十分に魅力的ではあるのだが、佐久島の名を一躍全国区にしたのがアートへの取り組みだ。

1996年から佐久島では、アートによる島おこしを決行、島の各地に配置された立体造形を中心とした見て、触れられるアートを、年間を通じて楽しめるアート・ピクニック(島内一円に展示されたアート作品を巡るスタンプラリー)として提案し、さまざまなアートイベントも随時開催されるなど、全島まるごとアートな島なのである。豊かな自然と人工物の良い意味でのミスマッチ、これがいわゆるSNS映えするとして、アートファン以外にも多くの観光客が訪れる呼び水となっているのだ。

「おひるねハウス」 作:南川祐輝 場所:石垣(しがけ)海岸 制作:2004 (2013年 再制作/2023年 再制作) 作品の黒い色は、西集落の黒壁がモチーフ
「イーストハウス」 作:南川祐輝 大島桟橋ポケットパーク 制作:2010 東地区にある東屋なので「イーストハウス」。対岸に見える「おひるねハウス」とは対照的な白い箱。階段から屋上に上がることが可能
「佐久島のお庭お山」 作:松岡徹 場所:大島 中央の山は、佐久島の大山、遠田山、秋葉山、富士山を表現。小道には島民が使っていたお皿を埋め、タイルの飛び石は本土に続く海の道を表現。佐久島をとりまく環境を表現した作品
「カモメの駐車場」 作:木村崇人 約300 羽のカモメの風見鳥。風向きに対してカモメがいっせいに方向を変える

そもそもなぜ、佐久島はアートによる島おこしへと舵を切ったのだろうか。西尾市役所の佐久島振興課の担当氏に話を聞いてみた。 「他の地方都市と同様に、佐久島も以前から人口減少が課題となっており、当時、平成3年に策定されたリゾート構想に基づく開発計画が持ち上がりましたが、うまく進まずにいました。ちょうどその頃、国土庁(現国土交通省)が各界で活躍されている女性だけの委員で構成されるの離島振興調査委員会「よい風が吹く島が好き女性委員会」の設置を行い、女性の自由な発想で魅力ある島づくり等の検討を行いました。そこでいろいろな島を検討され、佐久島でアートを。という話が舞い込んできました。 上記の女性委員会の委員の方をプロデューサーに迎え、そこで提案されたのが、島の産業、地域文化、自然環境、景観などを活用して、アートフェスティバルや文化フォーラムなど芸術活動を行い、芸術性豊かな美しい島を形成する『弁天海港構想』で、それと同時に観光客をお迎えする島の方たちにも観光客のおもてなしから、島はとても良いところだという啓蒙活動を行なったのですが、スタート当初5年間で観光客数が伸び悩んだことで、島民のアートへの不信感が募ってしまう結果に。 そこで、平成8年に、新たに40代の若い島民たちにより発足した「島を美しくつくる会」が中心となり、島の魅力の原点に立ち返る作業を行い、現在の『祭りとアートに出会う島』という方向性が固まりました。まずは島民を巻き込んでのアート展示会を心がけ、その結果、徐々に観光客にも浸透しはじめ、その後SNSの「インスタ映え」の口コミが爆発的な来島者増のきっかけとなり、コロナ禍前の平成28年(2016年)には、島を美しくつくる会発足時の約2倍となる約10万3000人の来島者をお迎えできました。観光客の内訳としては、やはり島から近い名古屋方面からの来島者が多いようです」 日本国内でもアートを観光資源とする島おこしは存在するが、大企業を誘致したわけでもなく、島民の草の根の活動により島にアートが根付いていったという点が、この島のアートに流れる親しみやすさのようなものと無関係ではないようだ。

 

上は佐久島の各地に配置されたアートスポットをめぐる「佐久島アート・ピクニック」のマップ、ゆっくり見てまわっても4時間ほど、というからぜひ一度、現地を訪れてみてほしい。最後に前述の地元自治体担当氏に名物グルメとおすすめ絶景カフェを聞いてみた。 「食べてほしい島の名物グルメとしてはは、牡蠣を取り扱うお店が今年オープンしました。この店は地域おこし協力隊が卒業した方が店を開業しています。東地区にある「永運丸」というお店です。他にも、絶好ローケーションのカフェとして西地区にある「百一」をお勧めします。

 

海の見える古民家カフェ「百一」 自家焙煎のコーヒーや自家製のパンやケーキがいたただける。不定休、営業時間は 9:00~18:00 TEL.090-4187-6271

Information

佐久島

 

西尾市役所 佐久島振興課

 

電話0563-72-9607

 

永運丸

 

電話:070-2017-1870

 

住所:愛知県西尾市一色町佐久島中屋敷1−2

 

https://eiunmaru.theshop.jp/

 

カフェ百一

 

電話:090-4187-6271

 

住所:愛知県西尾市一色町佐久島西側西側7−7

 

https://www.instagram.com/baiyi5339hyakuichi/

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『タビノリ』は、旅の楽しさは、旅のはじまりである「移動」から、旅前の準備、ふとした寄り道、車窓から見つけるお気に入りの風景など、旅の余白に目を向け発信していくメディアです。また、旅をその周縁のものと組み合わせ、定番の旅先や新しい旅の提案などを仕掛けていきます。

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