【旅雑誌編集長が提言】旅をもっと楽しくするたった一つの心得【心に残る豊かな旅とは?】

「タクシーに最安値で乗った」、「一緒に行った友達より同じものを安く買えた」。そんな些細なことに全力な旅人が少なくない。パリではブランド品を表示価格通りで買うのに、発展途上国に行った途端、何でもかんでも値切り、チップを出し渋り、物乞う人を蔑む目で見る。旅慣れた日本人に特に多いのだが、個人的な見解としては、実はそこから卒業するだけで旅はもっと楽しくなるのではないかと思っている。

何でもかんでも“値切る”のをやめませんか?

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「旅の恥はかき捨て」という良い諺があるのに、恥を極端に恐れる人々。少し多めに払わされても「土産話ができた」と笑い飛ばせばいいだけなのに。「同じ物を高く買わされるのが嫌なだけ」という人も中にはいるだろうが、実はそれは前提から間違っている。売る人が変われば値段は変わるものなのだ。例えば自分の晩御飯代だけを稼げばいいAさんと、家族10 人を養っているBさんでは、値段の付け方は当然異なる。提示された“その人なりの定価” に対して、求めている物(あるいはサービス)にそれ相応の価値がないと判断すれば断ればいいのである。次に「じゃあ少し値段を下げるから」となるか、「それでは仕方がありません」と終わってしまうかは相手次第で、何でもかんでも「安くして」というのは少しピントがずれていることなのではないか。もし高いなと思ったら「自分にとってこの価値は、いくらである」と、具体的な提案をする方がいい。

「少しぐらい」を受け入れれば旅はもっと豊かになる

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確かに中にはただ単に悪いヤツもいる。しかし例えばタクシーで観光客相手に倍の値段を言うドライバーに悪気はない。自分の何十倍も稼いでいる外国人に対して倍の値を付けて何が悪い? と思っているだろう。こちらも200 円が400円になったぐらいでカリカリする旅のスタイルから脱却し、多少「高いな」と思っても、「子供においしいものを食べさせてあげてね!」ぐらいの気持ちでポーンと払う気前の良さがほしい。旅行を通じて全体で1万円にも届かない程度の金額。もちろん金をばらまけという下品な話ではない。「少しぐらい」を受け入れることで、豊かな旅を手に入れませんか? という提案だ。

(トリコガイド編集長・原大智)

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