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ペルー・ナスカの地上絵、空から見るか?地上から見るか?

リマから450kmも離れたナスカの地にわざわざ行く理由はただひとつ、かの有名な地上絵を見るためだ。でも実は、長時間バスに揺られてナスカの街まで行かなくても、飛行機でぴゅん!とひとっ飛びすることも可能。なのでここはひとつ、「時間をお金で買う」というオトナな選択がおすすめだ。

地上絵ツアー 2つのおすすめプラン

ナスカの地上絵を見る手段を大別するとふたつ。自力で行くか、人に頼るかだ。お金はないけど時間はあるバックパッカーならば迷わず前者を選択するべきだが、短い休みをやりくりしてペルー旅行をするオトナは後者を選ぶべき。

次の問題はどこに頼むかだが、ここではベストソリューションのみを提案する。それは「アンデスニッポン」という選択肢だ。日本法人よりも安い価格でパフォーマンスは同等かそれ以上。その理由は、「日本人が経営する現地法人である」ということで察していただきたい。こちらに頼めばナスカツアーのみならず、ペルー旅行のすべてをアレンジしてもらえる。

リマの宿から発着する、「英語・スペイン語のバイリンガルガイド付き混載日帰りツアー」が最も定番。詳しいスケジュールは下で紹介する通りで、一人340ドル(2名からの催行)。同社オリジナルの日本語ガイド付きプランだと435ドル(4名の場合。1名~催行可能だが割高)になる。

ペルーは本当に見どころが多く、しかもそれが各地に散っているため、プランニングが大変。それを何とかするのが旅行の楽しみでもあるのだが、うまくツアーを組み合わせることで、その悩みが一気に解決することも多い。ツアーはオールorナッシングで考えるのではなく、適材適所で上手に使っていきたいものだ。

ナスカで遊覧飛行をするともらえる飛行証明書。セスナはちょっぴり緊張するが、一生に一度の体験ができるだろう。

リマ発着の日帰りツアー

ホテルのロビーでガイドと待ち合わせ、早速イカへ。混載ツアーの場合は、ほかの乗客をピックアップして回る。イカまでは車でおよそ4時間半~5時間。車窓に広がる砂漠と、どこまでも延びるパンアメリカンハイウェイが印象的だ。車内では、ガイドによるナスカの地上絵レクチャーのほか、ペルーのちょっとしたしたこぼれ話も。ガイドが用意した軽食を食べながら、世界遺産に思いを馳せてみよう。

5時間ほど経過し、車が止まる。「やっとナスカに着いたか!」と思いきや、ここはその手前にある街、イカ。「え? なんで?」と不安になるかもしれないが、これが時間短縮の理由。地上絵よりも奥にあるナスカ空港ではなく、かなり手前にあるイカ空港からフライトすれば、大幅に時間を節約できるというワケ。フライト時間はおよそ70分。酔いやすい人は酔い止め薬を忘れずに。

ナスカフライトの感動に浸りつつランチを楽しんだ後は、イカ空港から車でわずか15分の砂漠のオアシス「ワカチナ」へ。湖畔でのんびりするもよし、ボート遊びに興じるもよしのワカチナだが、一番の醍醐味はサンドバギーとサンドボード。バギーで砂丘を疾走するスリルと快感は、忘れられない旅の思い出になること間違いなし! シートベルトはしっかりと。

アンデスニッポンツーリストへの問い合わせ・申し込みはホームページ(www.antperu.com)の問い合わせフォームから。「トリコガイドを見た」と言えば、やり取りがスムーズになるはず。ちなみに価格はすべて2017年6月現在のもの。

頼りになる旅行会社だ!

長距離バスなら2泊3日が理想的

リマ-ナスカ間はクルス デル スールを利用。所要時間は約7時間半で、料金は2階席でS80前後、1階席でS100前後だ。夜行バスもなくはないが明るいうちの移動がベター。夕刻、ナスカに着いたら、航空会社のオフィスか旅行代理店で空港までのタクシー付きフライトツアーを申し込もう。翌日自力でタクシーを手配して空港まで行き、そこでフライトを申し込むという手もある。ひと昔前まではルールもゆるく粗悪な業者(=低価格のフライト)もいたが、事故の多さから一定の基準を設けたため、いまはどの会社もUS$100以上はするようになった。フライトが終わったらナスカ近郊にある観光地をチェックして、ナスカにもう1泊。翌日はリマに帰るか、アレキパ、もしくはクスコに抜けるかを選ぼう。

ナスカの街で地上から見る

ナスカの街はとてもコンパクト。オバロ デ ナスカという交差点が街の入り口で、長距離バスが発着する。街の中心は、そこから1km弱離れたアルマス広場。この周辺にエアラインや旅行会社があり、ナスカ空港までのトランスファーとフライトがセットになった日帰りツアーを販売している。どれもこれも内容はほとんど同じだからこそ、悪徳業者というクジを引いてしまう可能性も。

ではどうすればいいか?宿泊する宿に相談してみてはどうだろう。特に信頼できる宿に泊まっている場合はなおさらだ。彼らは逃げも隠れもできない存在なのでそんなに悪いことはできない。同じような相談をこれまでに何十回も、何百回も、ツーリストからされているので、手際もいい。観光客からの悪評はすぐさまネットに書かれ、世界中に拡散されてしまうこの時代なので彼らが下手なことをしてくる可能性は極めて少ない。タクシーの手配から、フライトの申し込み方、そしてその後の周辺観光についてなど、慣れた様子でテキパキと段取ってくれる。

最後に、ナスカへの旅はパスポートを忘れないように。小さいといってもそこは空港。セスナに乗せてもらえない……という悲しい出来事が起こりかねない。

ナスカの街へのアクセス

リマからクルス デル スールのバスで約7時間半。料金はS80(V.I.P.はS102)。普通のクラスでもシートは国内線のビジネスクラス並みなので快適だが、やはり遠い。

ナスカの宿選びのコツ

アルマス広場の北を通るのが、Calle Callao(カリャオ通り)、南がAv. Bolognesi(ボログネシ通り)、その2本を斜めに通るのがCalle Lima(リマ通り)。この3本のどれかに沿っている宿がアクセスが良い。空港の近くにも4ツ星の「Hotel Majoro(ホテル マホロ)」がある。

瀟洒なデザインの3ツ星ホテル「カサ アンディーナ スタンダード ナスカ」

伝統的なアンデス風の内装とモダンな設備が整った都会的な雰囲気が調和した宿泊施設。アルマス広場からわずか2ブロックに位置しているとは思えない静けさの中、屋外プールでリラックス!

【DATA】
Casa Andina Standard Nasca
住所:Jr. Bolognesi 367
クレジット使用:可
https://www.casa-andina.com/es/destinos/nasca/hoteles/casa-andina-standard-nasca

遊覧専用空港「マリア・ライヘ ネウマン空港」

国際線はもちろん、国内線が発着するような空港でもなく、ナスカ地上絵遊覧用セスナのための小さな空港。イカやピスコからのフライトは、ここに寄港はしない。空港コードはNZC。

【DATA】
Maria Reiche Neuman Airport
住所:Panamericana Sur
営業時間:要確認

ナスカより古い歴史をもつ「パルパの地上絵」

ナスカの北西に位置するパルパにも、たくさんの地上絵が残っている。ナスカ以前のパラカス期に描かれたこれらの絵には人物像が多く、どことなくコミカル。パンアメリカンハイウェイそばの丘陵に描かれたものは、セスナに乗らなくても見ることができる。

【DATA】
Palpa a familial
営業時間:日没まで
料金:地上からの見学は無料

1号線沿いにそびえ立つミラドール(展望台)

マリア・ライヘが地上絵観察のためにつくった展望台。いまにも折れそうな鉄製の階段をなんとか上りきると、ついいままでその存在にすら気づかなかった「手」と「木」のふたつの地上絵が、茫洋と広がる風景の中に現れる。

※編集部注:上記のレトロなミラドールは2017年のもので、現在は新しいミラドールで営業中の模様。営業時間、入場料などは調査中です。

展望台から見た木の一部。地肌の様子なども観察でき、興味深い。

【DATA】
Mirador
住所:Carretera Pannamericana Sur

地上絵研究に生涯を捧げた「マリア・ライへ博物館」

ナスカ市内から北へ27.5kmのところにある博物館。彼女が愛用した調査用の道具をはじめ、発掘された土器やミイラなどを展示している。

【DATA】
Museo Maria Reiche
住所:Carr. Pannamericana Sur
クレジット使用:不可
営業時間:9~18 時(無休)
入場料:S5

一生に一度のフライトへ、いざ!

2000年の時を超え、眼前に広がる地上絵。しかし昨今の気候変動や心ない不法侵入により、その存在が急速におびやかされている。もしかしたら近い将来、見られなくなるかも?見逃さないよう注意してフライトを楽しんで!

1.クジラ

古代ナスカ人と海のかかわりは深い。ほかにも「シャチ」を連想させる地上絵もある。シャチは神聖な生き物として崇められ、ナスカの土器や織物にも頻繁に登場するモチーフのひとつ。

2. トライアングル

細長い三角を組み合わせたようにも、くしのようにも見える地上絵。クジラのすぐ後に現れることや、白くて太い線とちょうど重なって見えることから、見落としがちな絵のひとつ。

3. 宇宙飛行士

「宇宙人創造説」のきっかけのひとつとなった絵。その目の大きさから「フクロウ人間」とも呼ばれる。闇を見わたすフクロウは神聖な動物であるので、司祭など高位の人物という説も。

4. サル

ナスカ平原には生息しないサル。アマゾンからの巡礼者が連れてきたのだろうか。ナスカ人の交易範囲は広く、地上絵周辺からはエクアドル産のスポンディルス貝も多数発見されている。

5. イヌ

海岸部に生息するキツネという説もある「イヌ」。全長51m と地上絵の中では小さく、線も薄いので見つけるのが難しい。自動車のわだちによって足が切断された格好になっている。

6. コンドル

全長135mの巨大な絵「コンドル」。アンデスの覇者というイメージだが、海岸部にもわずかに生息する。大空を勇壮に舞うその姿は、ナスカ人にとって特別なものだったに違いない。

7. クモ

デザインとしての完成度が完璧な「クモ」。全長46mと、前述の「イヌ」よりさらに小さいが、ラインの濃淡がはっきり出ているためわかりやすい。長い右脚は生殖器ともいわれている。

8. ハチドリ

地上絵の中で最も人気の高い「ハチドリ」。アンデスの雨季の訪れを告げるとされるこの小さな鳥は、水を求めてやまなかったナスカ人にとって、重要なモチーフだったのだろう。

9. フラミンゴ

巨大長方形のすぐ横にある「フラミンゴ」は、動物形地上絵中最大の全長285m。濃淡が薄く見つけづらいが、折れ曲がった長い首とまっすぐ伸びたくちばしを目印に探そう。

10. オウム

一連の動物形地上絵に比べ、少々見劣りしてしまう「オウム」。横顔に大きな目が両方とも描かれ、トンボのようにも見えるが、ほかとは描かれた時代が違うのかもしれない。

11. 手

マリア・ライヘの展望台からも見える、5本指と4本指の「手」。なぜか1本指が欠けている。生来のものか、それとも何かの儀式で切り落としたのか。その謎はまだ解明されていない。

12. 木

生命力を表現する「木」もしくは豊かな海を象徴する「海藻」。幹線道路に近いため、心ない人々によって一部が踏み荒らされ消えている。いま地上絵は、存亡の危機にさたされている。

真っ二つに分断されてしまった「トカゲ」

観光客をナスカへと導くパンアメリカンハイウェイも地上絵破壊に関係している。「トカゲ」と呼ばれる地上絵は、この道路によって真っ二つに分断されてしまった。

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トリコガイドシリーズ 編集部

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オンは仕事をバリバリこなし、限られたオフはおもいっきり羽を伸ばして楽しむ!そんな大人のキャリアウーマンの「せっかくだから」を満たす、ちょっと贅沢な国内ガイドマガジン。

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