カーボン化で注目のホイール、カンパニョーロ・シャマル カーボンDBを比較【TEST ME】
管洋介
- 2020年08月27日
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編集部が気になるパーツやアクセサリーをインプレッション! 今回はカンパニョーロのアルミリムホイール最上位モデル、シャマルの汎用性を高めた、CAMPAGNOLO・シャマル カーボンDBを、ベテランライダーの管洋介がテスト! 上位モデルのボーラWTOとも比較してみた。
カーボンリム採用のエンデュランス用ホイールに進化
イタリア、カンパニョーロから新たなホイールが登場。アルミリムホイールの最上位モデルだったシャマルが、シャマルカーボンDBとして生まれ変わった。
従来シャマルはロードレースでの使用をメインに考えられたホイールだったが、今回のモデルチェンジではカーボンリム化しただけではなく、カンパニョーロ初のエンデュランス用ホイールとしてリニューアル。ロードレースはもちろんだが、グラベルまで幅広く使える設計になっている。
同じカンパニョーロのカーボンリムホイールのボーラWTOがピュアロードレーシングモデルなのに対し、シャマルカーボンDBは価格を抑えた、エンデュランスモデル。ボーラWTOがC19なのに対し、このシャマルカーボンDBはC21でグラベル用の65mmタイヤまで対応するため、用途を絞らず、マルチに楽しめるホイールだ。
さらに前後で異なるリムハイト、フロント35mm、リア40mmというのも特徴的で、ハンドリングの軽さを実現しているのも魅力だ。
前は35mm、後は45mmと異なるリムハイト
写真上がリアでリムハイト40mm、下がフロントでリムハイトが35mmとなる
リムは内幅21mmのC21とワイドになっている。チューブレス(&レディー)、クリンチャー両方に対応する2ウェイフィットだ。
スポークの材質はアルミではなくスチールを採用。形状もボーラWTOのとは違いエアロではなく、バテッドに。
スポークパターンは前後ともにG3で、さらにスポーク片側がストレートプルではなくJベンドとなっている。
HG対応のリアフリーボディーの表面処理が変更され、従来の白いツヤ消しから黒いアルマイト仕上げに変わった。
CAMPAGNOLO・シャマル カーボンDB
希望小売価格(税抜):17万4000円(カンパニョーロ)、17万5000円(HG)、17万6000円(XDR)
●重量:1585g(前後ペア) ●リムハイト:フロント35mm/リア40mm ●クラス:C21 ●タイヤタイプ:クリンチャー、チューブレス、チューブレスレディー ●適合タイヤ:25mm、28mm/グラベル用65mmまで
ワイドリムの安定感と、カーボンリムの乗り心地のよさを感じる
ワイド化したことで軽やかな走りと安定感を両立、さらにローハイトなので走りにキレがあり、ダンシングでは振りが軽いのが特徴だ。横風の影響を気にせずにイメージ以上の巡航性能を楽しめる。従来のシャマルは反応性が高く、シャキシャキとしたレーシングイメージが強かったが、今回リムをカーボン化したことで路面からの衝撃を穏やかに伝えてくれるシルキーな乗り心地へと進化した。さらにハンドリングに余裕があるため、荒れた路面でもコントロールしやすい。ヒルクライムから緩急のあるレース、さらにグラベルまでこのホイールの活躍するシーンは幅広い。
ボーラWTO33との比較
シャープなWTOに対してマイルドなNEWシャマル
左がシャマル・カーボンDB、右がボーラWTO33
CAMPAGNOLO ボーラWTO33 ディスクブレーキモデル
希望小売価格(税抜):29万4000円(カンパニョーロ)、29万5000円(HG)、29万5000円(XDR)
ボーラWTO33は立ち上がりの加速が直感的で素早く、駆動剛性と軽さが際立つホイールだ。接地トーンは硬さを感じるものの路面の凹凸に対してスムーズなタッチで、ストレス無く機敏な反応が楽しめる。さらに横風の軽減と直進の巡航性能のマッチングはミドルハイトのホイールの中でずば抜けて高性能であるのがボーラWTO33の魅力だ。
いっぽう新型シャマルは駆動剛性は軽やかかつゆとりを感じるしなやかなテイスト。キレのあるバネ感を活かして安定感抜群のフレッシュな走行感が特徴だ。実際に装着したタイヤ幅で比較すると1mm程シャマル・カーボンDBのほうがWTOよりも広くなっていた。これが走りのしなやかさやバネ感につながっているようだ。
巡航力も優れかつてアルミディープリムとして90年代にデビューしたシャマルのコンセプトを再燃させた印象だ。旧型のシャマルは超軽量アルミホイールで駆動力が高い攻撃的なヒルクライムホイールで認知されていた事を考えると大きく印象を変える事に成功したといえる。
左がシャマル・カーボンDBでリムの内幅が21C、右がボーラWTO33は内幅が19Cとなる
WTOのハブはエアロを意識した形状となっている。さらにスポークもストレートプルとなっている。いっぽうシャマル・カーボンDBはJベンドスポークを採用しており、オフロードでの走行も考えた遊びを持たせた設計になっている
TESTER/管洋介
競技歴23年のベテランライダー。世界中のレースを転戦してきた。業界の講師としても活躍。使用機材はルック・795RSブレードディスク、ヴィットリア・ルビノプロチューブレス700×25C
問:カンパニョーロジャパン www.campagnolo.com
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