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ジャイアントのeロード「ROAD E+」でヤビツ峠をヒルクライム|インプレッション Vol.1

自転車、登山、オフロードオートバイとアクティブにアウトドアを楽しむバイシクルクラブの元編集長、今坂純也がジャイアントから登場した新eロードをインプレッション。まずは関東のサイクリストなら1度は耳にしたことのある有名峠、ヤビツ峠を上ってみた!

GIANT ROAD E+ 機材編はこちらから。
GIANT ROAD E+
機材編

ROAD E+インプレッション Vol.1 -ヤビツ峠ヒルクライム編-

じつは我が家は、ヒルクライマーなら一度は走ったことがあるであろう“ヤビツ”のそばにあり、ヤビツアタックのスタート地点である国道246号の名古木交差点まで自転車で約15分。せっかくこんなに近いのだから、まずはヤビツで乗ってみるか!

ハンドル幅が10mm違う以外は、愛車である2010年式TCRアドバンスドSLとすべての位置関係をほぼ同じ数値にセッティングして発進! 我が家にあるスポーツバイクはダウンヒルバイクやトレイルバイクが多く、オートバイもオフロードなのでどちらかと言うと“土系”が多い……

ハンドル高やサドル高&後退幅などは愛車TCRとほぼ同じセッティングにし、フラットペダルのままでいざヤビツへGO!

10年前は体重83kgだった(現在は73kg)私が、ゼーハーゼーハーと死にそうになりながら上ったときのタイムは約55分。これだけで、私がどれだけ上れない体力&根性の持ち主か想像がつくだろうが、ROAD E+は、それでも「ヤビツにアタックしに行こう!」と思わせてくれる新しい次元のロードバイクの予感がする。老眼に優しく、情報を認識しやすいカラーディスプレイの脇にあるボタンを操作して、とりあえずもっともアシスト力の強いSPORTモード(標準パターン測定時の走行距離は82km)にしてペダルを踏み下ろす。すると、ペダルに少し力を込めるだけでスーッと進む。スタンド未装着、Mサイズの車量は19.3kgと言うが、その力強さときたら、交差点からのひとこぎめでは体を置き去りにしてバイクだけがキュンと前に出る感じで、一瞬「ウォッ!」と声が漏れるほどだ。

アップにならない程度の軽い負荷のまま名古木交差点に到着し、そのまま頂上へ向けてペダルを踏む。今日の目標は「ゼーハーゼーハーはナシ&汗もできるだけかかない」。愛車TCRでヤビツを上るとき、かつて一度も景色を楽しむ余裕なんてなかった。そして汗だくで、苦しくて、死にそうになりつつ上っても55分がやっと。対して、ROAD E+はそれこそ周りをキョロキョロしながら、菜の花台までの前半は会話できるくらいの15~18km/h。そして後半はじんわり汗ばむくらいで走って何と35分と少しだった。

蓑毛バス停手前のダラダラ上る坂。いつもは10km/h以下で脚が終わらないように上るが、ROAD E+ではメーターは終始15~18km/hを表示していた。生まれて初めての上りでの快感

軽快に上りながら「こんなに下界が綺麗に見えるのか~!」と初めて感じたし、名だたるヒルクライマーたちが頬に感じていた風や、後ろに次々と過ぎていく路面と同じ映像を見られたことに喜びを感じてしまった。それなのにスポーツしている感も十分感じられるアシストの味付けは秀逸。さらにアシストのオンオフに切れ目をほとんど感じないので、普通にロードバイクライドを楽しんでいるように思えるのもいい。

ヤビツ峠のゴール寸前。このあたり、いつもはヘロヘロで死にそうになっているから、ダンシングもフニャフニャフォーム。でも、ROAD E+はハンドルまわりに高い剛性感があって、重い物がフレーム下部にあるからか、ダンシングのフォームがとても安定する
3月末にオープンしたばかりのヤビツ峠レストハウスへ。レストハウスはバス停の上にあり、ここのカレーがすごくおいしいのでROAD E+を押して上がる。さすがにこんなシーンでは重さを感じるけど、短い距離だから少しのガマンです

オートバイ的な剛性感のある下りでのハンドリングも魅力

少しだけ休憩して早々に下ろう。
下りはアシストの効かない領域だろうからアシストモードはオフで行く。右に左にコーナーが連続する急な下りをROAD E+は何の不安もなく滑るように下っていく。前後スルーアクスル、タイヤ幅32C、前後に幅広のカーボンフォークのお陰?

車量は愛車TCRの3倍近くあるが、フロントまわりの高い剛性が感じられるROAD E+のほうが安心してコーナーに入れるし、何よりもブレーキコントロールが非常に楽。このディスクブレーキのコントロール性の高さは、下りが怖いと感じる人が安心して下るには最大の武器となるだろう。もちろん、リムブレーキにありがちな、雨などによるコントロール性の大幅な変化がないのもいい。加えて、バッテリーやモーターユニットがバイクの下のほうにあるからか “ヤジロベエ”のように安定し、適正エア圧に設定したトレッド面の曲率の緩やかな32Cチューブレスタイヤも高いグリップ感を感じられて、とにかくコーナリングがすごく楽しいのだ。

決して軽くはない車体だが、低重心と高剛性なフレーム、スルーアクスルの採用などで下りのコントロール性は非常に高く、ガッシリとした感じ。ブレーキも扱いやすく、下りが苦手な人でも安心して下りをこなせるだろう

「これはロングライドも楽しんでみたい!」ってことで、次は久しぶりのロングライドに出かけることにしようか……。

GIANT ROAD E+ インプレッション Vol.2 熱海編は5月22日12:00公開予定

GIANT ROAD E+
(ジャイアント・ロード Eプラス)

価格:46万2000円
サイズ:425(S)、450(M)mm
重量:19.3kg(450mm、キックスタンド未装着)
フレーム:アドバンスドグレードコンポジット、 フルコンポジットオーバードライブコラム12mmアクスル
変速パーツ:シマノ/GRX
ブレーキセット:シマノ/GRX 160mmローター
タイヤ:マキシス/リフューズ 700×32C
シフト段数:11速

500Whの大容量バッテリーと、最大ケイデンスを高めたヤマハと共同開発のシンクドライブスポーツモーターを搭載するeロード、ROAD E+。アシストモードは最も長距離を走れるものからECO モード(205km)、TOURモード(137km)、ACTIVEモード(100km)、SPORTモード(82km)の全4モードを用意。前後方向に楕円断面となるカーボンフォークや“しなり”を利用したDフューズポスト、上位モデルの技術を踏襲しつつ厚みのあるインフォームを採用したコンタクトニュートラルサドルなども長距離ライドを後押しする。

付属品・仕様等

モーター:ジャイアント/シンクドライブスポーツ, 70Nm 最大ケイデンス140rpm
バッテリー:ジャイアント/エナジーパックスマートコンパクト500 , 36V-13.8Ah
コントローラー:ジャイアント/ライドコントロールエルゴ2
ディスプレイ:ジャイアント/ライドダッシュエボ

GIANT ROAD E+
熱海 ロングライド編

取材協力:ジャイアント
https://www.giant.co.jp

今坂純也(いまさかじゅんや)プロフィール

1967年生まれの54歳。2007~2013年までバイシクルクラブ編集長。その後、ランニング専門誌や山岳誌、女性向けアウトドア誌、エリア情報紙の編集長を務め、現在はフリーの編集者&ライター。趣味は自転車、登山、オフロードオートバイ、クルマいじりやYouTube鑑賞など。バイシクルクラブ時代はダウンヒルレースにのめり込んで骨折しまくり、ロードはその貧脚ぶりもあって平地ばかりを好む。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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