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ベルナルが激坂グラベルで圧倒、マリアローザに袖を通す|ジロ・デ・イタリア

大会が順調に進行中のジロ・デ・イタリア。現地516日に行われた第9ステージでは、最終盤に登場した未舗装区間でエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)がライバルを圧倒。アタックを決めてトップに立つと、そのままフィニッシュへと突き進んだ。ステージ優勝に加えて、個人総合争いでも首位に浮上。マリアローザ候補最右翼と目される男が、いよいよそれに袖を通している。

好調示したベルナル、グランツール初のステージ優勝

大会主催者に言わせれば「前半戦のクイーンステージ」。レース距離こそ158kmと短めだが、カテゴリー山岳の有無問わず7つの上りが詰め込まれた1日。カステル・ディ・サングロをスタートしてすぐに上りが始まり、後半にかけてさらに難易度の高い登坂区間が連続する。この日の締めは、今大会最初の1級山岳であるカンポ・フェリーチェ。6kmの上りは平均勾配としては6%だが、残り3km目前で約1300mの長いトンネルがあり、直後からはフィニッシュまで続く1.6kmのグラベル(未舗装)区間。グラベルだけ見ると、平均勾配8.8%、最大勾配14%と急坂。最後に立ちはだかる急勾配で、総合系ライダーたちが何らかのアクションを起こすと見られていた。

体調不良のトーマス・マルチンスキー(ロット・スーダル、ポーランド)が出走を取りやめ、175選手でレースはスタート。ここ数日と同様に、序盤は出入りの連続となる。激しいアタックとキャッチの応酬から、一時は最大21人の先頭グループが形成されるが、どれもプロトン全体の容認を得るところまでは至らない。この間、先頭グループに加わっていたマテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)が下りコーナーでバランスを崩し、前に1回転して地面へと叩きつけられるクラッシュが発生。顔から落下しており、意識ははっきりしていたもののこれ以上の走行は不可能と判断されてリタイア。救急搬送されている。

©︎ LaPresse

全体がようやく落ち着きを見せたのが、スタートから70kmに差し掛かろうかというタイミング。15人の先行が許され、さらに1人、また1人と合流を目指す。先頭グループは17人となって、メイン集団はリーダーチームのグルパマ・エフデジが3分程度のタイム差でコントロールを開始。レース中盤はこの形成のまま進んだ。

フィニッシュまで30kmとなったあたりから、徐々に変化が見られるようになる。先頭では、2級山岳オヴィンドーリの中腹でいくつかのアタックがあり、人数が絞り込まれる。その中からサイモン・カー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)が抜け出すと、ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)も追随。そのまま2人逃げの態勢を整える。追走も粘りを見せて10秒程度の差で続くが、無印の上りであるロッカ・ディ・カンポでブシャールがカーを振り切ると、単独でリードを後続との差を広げていく。この時点でフィニッシュまでは9.5km。そのまま、最後の難所である1級の上りへと向かっていった。

©︎ LaPresse

先頭を走り続けるブシャールの一方で、追走グループは牽制気味となり思うようにタイム差を縮められない。これを嫌ったクーン・ボウマン(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)が残り4kmで抜け出すと、その後のトンネルを抜ける頃にはブシャールに届くところまで迫る。いよいよグラベル区間に入ると、残り1kmを目前にボウマンがブシャールに追いついた。逃げ切りにかけて、2人は先を急いだ。

しかし、メイン集団も終盤にかけてイネオス・グレナディアーズを中心にペースアップ。先頭を射程圏内に捉えて最後の上りに入っていた。この状況に、ここまでマリアローザを着用して走り続けたアッティラ・ヴァルテル(グルパマ・エフデジ、ハンガリー)は耐えられず徐々に後退。ジャージの移動が濃厚になった。

©︎ LaPresse

メイン集団が残り1kmを切ったところで、ついに動き出す。真っ先に仕掛けたベルナルの強烈なアタックで集団は粉砕。アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)とジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)がすぐに反応するが、そのスピードについていけない。ベルナルは残り400mでブシャールとボウマンをパスして先頭に躍り出ると、そのまま最終局面をクリア。

グラベル区間で他を圧倒したベルナルは、チッコーネとウラソフに7秒差をつけて一番にフィニッシュラインを通過。文句なしのマリアローザ奪取となった。2019年のツール・ド・フランスを制し、今大会で新たなタイトルを狙うベルナルだが、意外にもこれがグランツールでは初のステージ優勝。同時に総合でもトップに浮上した。

©︎ LaPresse

結果的にステージ上位を総合系ライダーが占める形になり、マリアローザ争いの形勢も見えつつある。ベルナルから15秒差でレムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)が個人総合2位、同21秒差でウラソフが3位、同36秒差でチッコーネと続いている。また、マリアローザを失ったヴァルテルも43秒差の5位と上位に踏みとどまっている。

新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は514秒差の60位でステージを終え、個人総合では95位としている。

17日に行われる第10ステージが、第1週の最終日。ロードレースステージでは今大会最短の139kmに設定される。2009年の大地震で大きな被害を受けたラクイラをスタートして、丘越えをこなしながらフォリーニョのフィニッシュラインを目指す。平坦ステージにカテゴライズされており、スプリント勝負が予想される。

ステージ優勝、個人総合首位 エガン・ベルナル コメント

©︎ LaPresse

「精神的にも肉体的にも、この2年間は困難を極めた。こうして再び勝つことは私にとってもチームにとっても重要なこと。最終局面は逃げている選手が前に残っていると思っていて、追いつこうと集中していた。自分の世界に入り込んでいたので、勝ったといわれたときは本当にうれしかった。グラベルロードの最後1.5kmは他のライダーは気にせず、純粋に4分間を苦しみぬいた。まだ背中の痛みは完治とはいえず、レースの前後に理学療法を受けている。ひとまずはこの勝利とマリアローザを喜びたい」

ジロ・デ・イタリア2021 第9ステージ 結果

ステージ結果

1 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)4:08’23”
2 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)+0’07”
3 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)ST
4 レムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)+0’10”
5 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)ST
6 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+0’12”
7 ロマン・バルデ(チームDSM、フランス)ST
8 マルク・ソレル(モビスター チーム、スペイン)ST
9 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)ST
10 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)ST
60 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+5’14”

マリアローザ(個人総合成績)

1 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア) 35:19’22”
2 レムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)+0’15”
3 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)+0’21”
4 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)+0’36”
5 アッティラ・ヴァルテル(グルパマ・エフデジ、ハンガリー)+0’43”
6 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)+0’44”
7 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+0’45”
8 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)+0’51”
9 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)+0’55”
10 ダヴィデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ、イタリア)+1’01”
95 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+1:00’51”

マリアチクラミーノ(ポイント賞)

ティム・メルリール(アルペシン・フェニックス、ベルギー)

マリアアッズーラ(山岳賞)

ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)

エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)

チーム総合成績

イネオス・グレナディアーズ

ジロ・デ・イタリア スタートリスト&コースプレビュー

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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