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ヴェンドラーメ逃げメンバーによる争いを制してステージ勝利、総合は変わらず|ジロ・デ・イタリア

大会第2週が進行中のジロ・デ・イタリア。現地520日には第12ステージが行われ、逃げメンバーによるステージ優勝争いをアンドレア・ヴェンドラーメ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、イタリア)が制し、グランツール初勝利を挙げた。レース前半にはクラッシュが多発するなど慌ただしかったが、個人総合上位陣はおおむねメイン集団でフィニッシュ。エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)が首位をキープして引き続きマリアローザを着用する。

終盤の駆け引きをモノにしたヴェンドラーメ

このステージはシエナを出発後、イタリア自転車界の英雄であるジーノ・バルタリの故郷ポンテエマ、アルフレド・マルティーニの故郷であるセスト・フィオレンティーノを続けて通過。それからはアペニン山脈の上りへと場所を移し、2級と3級のカテゴリー山岳を合わせて4つ越える。ひとつひとつの上りはそれほど難しくはないが、レース距離212km・獲得標高約3700mという重厚感がじわじわと選手たちに圧し掛かりそうだ。最後の登坂区間である3級のパッソ・デル・カルナイオを上り終えると、フィニッシュまでは9.4km。最後の5kmは平坦路を行き、やや下り基調の最終局面を駆け抜けてバーニョ・ディ・ロマーニャのフィニッシュラインに到達する。

コースレイアウト的に逃げ有利の見方が強く、チャンスを得ようと多くの選手がリアルスタート直後からアタックを試みる。やはり簡単には決まらず、しばし出入りが繰り返される。そうしたなか、集団の各所でクラッシュが発生。2km地点では個人総合11位でスタートしたマルク・ソレル(モビスター チーム、スペイン)や、第6ステージを勝っているジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス、スイス)らが絡む落車。ソレルとマーダーはしばらく後方を走行しながらレース続行にかけたが、そのともにリタイアを選択する。

さらには、今大会前半でマリアローザを着用したアレッサンドロ・デマルキ(イスラエル・スタートアップネイション、イタリア)が下りコーナーで地面に激しく叩きつけられてしまう。動くことができずそのまま救急搬送。その後、右鎖骨と肋骨6本、胸骨2本を骨折していたことが判明している。

©︎ LaPresse

荒れ気味の幕開けとなったレースは、スタートから70kmを過ぎたタイミングでようやく逃げが決まる。14人が先行すると、さらに2人が合流。16人が先頭グループを形成して先導を開始。集団も落ち着きを取り戻し、前を行く選手たちを見送ることとなった。

それからは、リーダーチームのイネオス・グレナディアーズが意識的に先頭16人とのタイム差を広げ、逃げを容認する意思を表示。先頭では、次々やってくる山岳ポイントをマリアッズーラを着るジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)がいずれもトップで通過し得点を伸ばすことに成功している。

10分以上のタイム差を得て、逃げ切りが濃厚となった先頭グループ。ステージ優勝をかけて本格的に動き出したのは、残り20kmを切ったタイミング。ジャンルーカ・ブランビッラ(トレック・セガフレード、イタリア)が上りを利用して複数回アタックすると、大幅にメンバーが絞られる。これに合わせるようにジョージ・ベネット(チーム ユンボ・ヴィスマ、ニュージーランド)とヴェンドラーメがカウンターアタック。ヴェンドラーメは一時的に独走状態になり、これを追ったベネット、ブランビッラ、クリス・ハミルトン(チームDSM、オーストラリア)がのちに合流。先頭は4人となって、残り距離を急いだ。

©︎ LaPresse

それからも4人はアタックを散発。なかなか決定打が生まれなかったが、残り3kmでハミルトンがアタックするとヴェンドラーメは続いたものの、互いを意識していたベネットとブランビッラは他の2人の動きに反応が遅れる。これでステージ優勝争いはハミルトンとヴェンドラーメに絞られた。

残り2kmでヴェンドラーメがアタックを決めたかに思われたが、ハミルトンも粘って何とか再合流。そのままマッチスプリントでの勝負に持ち込まれた。そして最後の200m、前に出ていたヴェンドラーメが加速し、ハミルトンに先頭を譲らない。スピードに勝ったヴェンドラーメがグランツール初勝利となるステージ優勝を決めた。

©︎ LaPresse

一方、完全に別のレースを展開したメイン集団。残り10kmを前に個人総合8位のジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)がアタックすると、ヴィンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード、イタリア)も呼応して牽引を開始。この動きは集団に引き戻されたが、その後の下りでニバリが巧みなダウンヒルテクニックで集団に対して先行する。これに続いたジャンニ・モスコン(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)が落車したが、集団全体はニバリを見送ってセーフティーに最終盤を走行。ニバリはそのままフィニッシュを迎えて集団に先着。7秒後、メイン集団が続いた。

©︎ LaPresse

個人総合上位陣はいずれもメイン集団内でレースを完了。総合成績に変動はなく、ベルナルもしっかりとマリアローザを堅守している。

なお、新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)は、ステージ84位で走り終えている。

21日に行われる第13ステージは、ラベンナからベローナまでの198km。ステージを通してごくごくわずかに高度を上げるものの、変化がほとんどないオールフラットといってもよいコースレイアウト。終盤もイージーなつくりで、ハイスピード勝負となる可能性が高い。いずれにせよ、主役はスプリンターになるだろう。

ステージ優勝 アンドレア・ヴェンドラーメ コメント

©︎ LaPresse

「最後まで逃げ続けた4人の中だったらスピードが一番あることは分かっていた。2年前のステージ2位(第19ステージ)で学んでいたし、このステージで勝つことを目指してコースを細部まで研究していた。スタートからの70kmはタフな戦いだったが、逃げを決めるためには常に少しの運が必要。最後の上りでは他選手の動きをチェックしながら、自らの回復にも努めていた。とにかく勝利を持ち帰ることができるのがうれしい」

個人総合首位 エガン・ベルナル コメント

©︎ LaPresse

「(終盤の下りで抜け出した)ヴィンチェンツォ・ニバリは素晴らしいライダーだ。彼はジロに勝てるだけの強さがある。ただ、下りで彼を追うことはリスクがあったので、差が開いていたことは分かっていたが焦らずチームメートと走ることを選択した。ニバリの走りを見る限り、今後のステージでは注意が必要になりそうだ。

明日の平坦ステージはタイムを失わないとも限らないので、まずは走り終えるまで集中する。(第14ステージに控える)ゾンコランについてはそれから考えることにする」

ジロ・デ・イタリア2021 第12ステージ 結果

ステージ結果

1 アンドレア・ヴェンドラーメ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、イタリア)5:43’48”
2 クリス・ハミルトン(チームDSM、オーストラリア)ST
3 ジョージ・ベネット(チーム ユンボ・ヴィスマ、ニュージーランド)+0’15”
4 ジャンルーカ・ブランビッラ(トレック・セガフレード、イタリア)ST
5 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(バルディアーニCSFファイザネ、イタリア)+1’12”
6 ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)+1’25”
7 ニコラ・エデ(コフィディス、フランス)+1’47”
8 シモーネ・ペティッリ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)ST
9 ミッケルフレーリク・ホノレ(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)+3’00”
10 シモーネ・ラヴァネッリ(アンドローニジョカトリ・シデルメク、イタリア)+4’19”
84 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+17’46”

マリアローザ(個人総合成績)

1 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア) 48:29’23”
2 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)+0’45”
3 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+1’12”
4 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)+1’17”
5 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)+1’22”
6 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+1’50”
7 レムコ・エヴェネプール(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)+2’22”
8 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)+2’24”
9 トビアス・フォス(チーム ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)+2’49”
10 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+3’15”
81 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+1:24’14”

マリアチクラミーノ(ポイント賞)

ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ、スロバキア)

マリアアッズーラ(山岳賞)

ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)

エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)

チーム総合成績

イネオス・グレナディアーズ

ジロ・デ・イタリア スタートリスト&コースプレビュー

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