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総合2位カルーゾが逃げ切り優勝、ベルナルは首位守り最終日TTへ|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリアは現地5月29日に第20ステージが行われ、今大会最後の山岳ステージをダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)が、ラスト2kmを独走でグランツール初勝利を挙げた。個人総合争いではエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)が区間2位でマリアローザを守り、最終日の個人タイムトライアルへと駒を進めた。

山岳最終決戦、カルーゾが下りで先行

山岳最終決戦となるこの日は、最終日の個人タイムトライアルを前に、通常のロードレースとしても最後となる一日。コースは164kmと若干短めの距離に、3つの1級山岳が詰め込まれた。序盤に隣国スイスへ入国。23.7kmのロングヒルクライムとなる1級山岳パッソ・サン・ベルナルディーノ(平均勾配6.2%)を越え、すぐに1級山岳シュプリューゲンパス=パッソ・デッロ・スプルガ(8.9km、7.3%)へと続く。頂上でイタリアへと戻ると、その後はテクニカルなダウンヒル。最後は1級のアルペ・モッタの山頂フィニッシュで雌雄を決する。

レースは序盤17.5kmのスプリントポイント争いを終えた後に、9人の逃げが形成された。メイン集団はまずドゥクーニンク・クイックステップが中心にけん引を担い、逃げからおよそ3分半差で最初の1級山岳、パッソ・サン・ベルナルディーノの上りへと入る。上り中盤まではチーム バイクエクスチェンジが集団のペースを作った。

さらに上り後半からは、ロマン・バルデ(フランス)を擁するチームDSMが集団先頭に陣取ってペースアップを開始。一気に先頭グループとの差を詰め始める。残雪が目立つ1級山頂を越える頃には、メイン集団は約50秒までタイム差を縮めていた。

©︎ LaPresse

異変が起こったのはここからの下り。つづら折れのダウンヒルをこなす途中で、メイン集団先頭のチームDSM勢が、バルデを含む3人だけ抜け出す形になったのだ。すぐ後ろに付けていたリーダーチームのイネオス・グレナディアーズは追わないのか追えないのか、いずれにせよDSM勢との差は徐々に開いていく。ただしバルデは7分差の総合6位で、逃がしても総合首位を脅かすまでの存在ではない。

しかしこの動きに同調したのが、バーレーン・ヴィクトリアスだった。総合2位のカルーゾが、セカンドエースのペリョ・ビルバオ(スペイン)の先導で、DSM勢を追ってメイン集団からの抜け出しに成功。110km地点を過ぎてDSM勢とバーレーン勢は、相次いで先頭グループに合流することになる。

続く1級山岳のシュプリューゲンパス=パッソ・デッロ・スプルガでは、ビルバオと、DSMのアシスト選手、マイケル・ストーラー(オーストラリア)がそれぞれエースのためにけん引を担う。最初から逃げていたメンバーを全て振り落として、先頭はカルーゾ、ビルバオ、バルデ、ストーラーの4人になった。一方のメイン集団はイネオス勢のアシスト陣が順番にけん引。一人、また一人と力尽きながら、先頭との差を1分以内に保ち続けた。

©︎ LaPresse

1級山頂近くは雨模様となり、テクニカルな下りはウエットでさらに難易度を増す。集団に残るイネオスのアシストは2人となり、ジョナタン・カストロビエホ(スペイン)が上りから下りまでを先頭固定で引き続ける。一方の先頭グループもビルバオが大半の先頭を担い、総合首位と2位のチームが四つに組んで力勝負の様相だ。残すはアルペ・モッタの1級山頂フィニッシュ。両者は距離7.3kmの上りに約40秒のタイム差で突入した。

©︎ LaPresse

先頭グループでは上りが始まって1km弱でストーラー、そしてビルバオが力尽きて後退。カルーゾとバルデの両エースのみとなる。一方、追走するメイン集団もカストロビエホが役目を終え、今大会好調の最終アシスト、ダニエル・マルティネス(コロンビア)が先頭でベルナルを引っ張る。カルーゾとバルデは協調しつつ先頭を行くが、徐々にバルデが先頭に出なくなる。しきりに後ろを気にするカルーゾだが、バルデは先頭交代に応じない。先頭と追走の差は30秒を切るところまで縮まってくる。

そんな上りの中腹、ラスト2.5km地点には最後の中間スプリントが設定。先頭から3人には3秒、2秒、1秒のボーナスタイムも与えられる。ここはカルーゾ、バルデ、そして追走の先頭ベルナルの順で通過。この時点でカルーゾはベルナルから2秒を奪うことに成功した。問題はゴールまでリードを持ち続けられるか否か。追走グループも有力選手が次々脱落し、残るはマルティネス、ベルナル、総合3位のサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)と、同8位のジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)の4人のみとなっていた。

©︎ LaPresse

残り2kmで再度急勾配区間に入ると、先頭ではバルデが脱落。カルーゾが単独先頭となり、熱狂する地元イタリアのファンをかき分けて突き進む。追走グループでもイェーツ、さらにはアルメイダが遅れ、強力にけん引したマルティネスも残り1kmで離脱し、ベルナル自身が2番手でカルーゾを追いかける。しかし20秒余りのリードを持ってフラムルージュを通過したカルーゾを捉えることはできなかった。最後までスピードを緩めなかったカルーゾが、堂々たる逃げ切りで自身グランツール初勝利を挙げた。カルーゾは3大ツール全てでトップ10フィニッシュの経験があるが、今大会ついに総合表彰台の座を射止めることが決定的となった。

©︎ LaPresse

総合首位のベルナルは24秒差でフィニッシュ。ボーナスタイムを含めてこの日30秒をカルーゾに縮められたが、1分59秒の大差を持って運命の個人タイムトライアルに挑む。総合3位はイェーツで変わらず。最初の1級山岳途中までチームの隊列を率いた新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)は、区間82位でフィニッシュし、総合77位で最終ステージへと駒を進めた。

3週間に渡り熱戦を繰り広げたジロは、ついにフィナーレを迎える。しかし最後まで総合争いは気を抜けない。過去10年間で5回行われた最終日個人タイムトライアルでは、3回もの総合大逆転劇を生んでいる。今回は平坦で30.3kmと比較的長距離の設定。首位のベルナルはカルーゾと十分な差を持っているが、大きなトラブルが起こらないとも限らない。総合表彰台争いも含めて、最後の最後まで目が離せない戦いになる。

ステージ優勝 ダミアーノ・カルーゾ コメント

©︎ LaPresse

「フィニッシュライン前の最後の数メートルで、自らの犠牲、トレーニング、チームメイトの全ての仕事について、何千ものことを考えた。今日の我々は模範的な走りだった。特にペリョ・ビルバオは驚くような仕事で、この勝利に無くてはならない役割を果たしてくれた。今日、私は夢を実現した。私は世界で最も幸せな男だと思う!」

個人総合首位 エガン・ベルナル コメント

©︎ LaPresse

「今日我々はチームとしてとてもうまく走り、レースを可能な限り最善な形でコントロールできた。チームメイトは素晴らしい仕事をしてくれた。ジョナタン・カストロビエホには特に感謝している。調子は良く、チームメイトがそばにいてくれたのは分かっていたが、カルーゾがアタックしてリードが広がった時は、正直心配になっていた。だがこれで、明日の最終ステージに向けて自信が持てるようになった。総合では2分リードしているし、タイムトライアルでは全力を出すつもりだ」

ジロ・デ・イタリア2021 第20ステージ 結果

ステージ結果

1 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)4:27’53”
2 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+0’24”
3 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+0’35”
4 ロマン・バルデ(チームDSM、フランス)ST
5 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)+0’41”
6 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)+0’51”
7 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)+1’13”
8 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)+1’29”
9 ロレンツォ・フォルトゥナート(エオーロ・コメタ、イタリア)+2’07”
10 アントニオ・ペドレロ(モビスター チーム、スペイン)+2’23”
82 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+31’17”

マリアローザ(個人総合成績)

1 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア) 85:41’47”
2 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+1’59”
3 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)+3’23”
4 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)+7’07”
5 ロマン・バルデ(チームDSM、フランス)+7’48”
6 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+7’56”
7 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)+8’22”
8 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)+8’50”
9 トビアス・フォス(チーム ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)+12’39”
10 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)+16’48”
77 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+3:34’22”

マリアチクラミーノ(ポイント賞)

ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ、スロバキア)

マリアアッズーラ(山岳賞)

ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)

エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)

チーム総合成績

イネオス・グレナディアーズ

ジロ・デ・イタリア スタートリスト&コースプレビュー

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