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最終日TTはガンナが圧勝、ベルナルが首位守り切り初の総合優勝|ジロ・デ・イタリア

ジロ・デ・イタリアは現地5月30日に最終となる第21ステージが行われ、30.3kmの個人タイムトライアル(TT)をフィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)が平均時速53.787km/hで駆け抜けてステージ優勝した。個人総合では首位のエガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)が区間24位でまとめ、タイム差を守り切り第104回大会の総合優勝に輝いた。日本の新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)も個人総合77位で、自身14度目のグランツール完走を果たした。

ガンナが終盤パンク、追い込むカヴァニャにもアクシデント

3週間に渡って行われてきた今年のジロもいよいよフィナーレ。大会最終日の個人TTは、ステージ優勝争いとともにマリアローザの持ち主を変える可能性もある運命のステージだ。今年はほぼ平坦で長距離という、TTが得意な選手に有利な設定。残り1kmを切って3つの鋭角コーナーとパヴェが控えるなど、テクニカルな部分もタイム差を生むことが考えられる。

ミラノ郊外のセナーゴを出発し、ミラノ中心市街地のドゥオーモにゴールするコースに、ここまでの個人総合下位の選手から順に、1分間隔でスタートしていく。第1走者のリカルド・ミナーリ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)がまず37分27秒、平均時速48.5kmでフィニッシュ。その頃にはこの日の優勝候補筆頭である24番出走のガンナが、中間計測を平均時速53kmという驚異的なスピードで通過していた。

TT世界チャンピオンジャージをまとったガンナは前走者に次々と追い付き、何と4分前にスタートした選手までを追い抜いていく。しかしラスト2kmを切ったところで何と後輪パンクのトラブル。すぐにバイクを交換して再出発したものの、若干のタイムロスを喫してしまう。それでも33分48秒という圧倒的なタイムの、暫定トップでフィニッシュした。

©︎ LaPresse

ガンナに迫る走りでレースを盛り上げたのは、フランスのTT王者、レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)だった。カヴァニャは中間計測2カ所をガンナから十数秒の遅れで通過し、ガンナの終盤のタイムロスを考慮すると逆転の可能性も考えられた。ラスト1kmをトップスピードで追い込むカヴァニャ。しかしここに落とし穴。ラスト500mの鋭角コーナーを見誤り、フルブレーキするも曲がりきれず、落車してしまったのだ。すぐに起き上がって再スタートしたものの、ガンナからは12秒遅れのフィニッシュとなり肩を落とした。

結局ガンナのタイムを上回る選手は現れず、第1ステージTTに続く今大会2勝目、ジロのTTに関しては昨年大会から負け無しのじつに5連勝だ。さらにフランチェスコ・モゼールが1985年から10年かけて達成したジロTT通算4勝という最多記録を、27年ぶりにわずか2年で更新することになった。

個人総合上位15人は2分間隔のスタートとなり、緊張感も高まってくる。総合上位勢では同8位のジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)が区間5位を記録する好走。総合順位を2つ上げて6位とした。ベルナルよりさらに若い22歳のアルメイダは、2年連続での総合トップ10フィニッシュを果たした。

©︎ LaPresse

いよいよ注目のトップ3、総合3位のサイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)、2位のダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)、そしてマリアローザのベルナルがスタートしていく。注目の第1計測地点では、カルーゾが暫定12位で通過。ベルナルは暫定17位で通過し、カルーゾとは約9秒の差にとどめた。約2分の貯金があることを考えると、ベルナルの総合優勝は盤石だった。

結局、区間17位でフィニッシュしたカルーゾに対し、ベルナルは30秒を失いつつもトラブルなく走りきり、最後はハンドルから手を放してのガッツポーズでフィニッシュした。初出場ながら2019年のツール・ド・フランス王者という立場で臨んだ今回のジロ。歓喜よりもプレッシャーから解き放たれた安堵の表情で、ゴール後はガールフレンドと熱い抱擁を交わした。

©︎ LaPresse

ベルナルにとっては故郷コロンビアを離れ、アマチュア時代とプロキャリアのスタートを過ごしたのが、ここイタリアの地。第2の故郷に錦を飾る、自身2つ目のグランツール総合優勝を勝ち取り、優勝トロフィーのトロフェオ・センァフィーネを表彰台で高々と掲げた。総合上位3人は変わらず、2位カルーゾ、3位イェーツでのフィニッシュとなった。

ステージ優勝 フィリッポ・ガンナ コメント

©︎ LaPresse

「パンクしたことで、レースを盛り上げたね! チームのおかげで、すぐにバイクを交換することができた。僕のタイムトライアルの2勝は、エガンのマリアローザを彩る、さらなる喜びだ。3週間のレースには多くの苦しみが伴うけれど、最終日にキャプテンが腕を高く上げたら、もう2022年が楽しみになった。アシストとしては昨年のジロに続くグランツール2勝目で、5回中5回の勝利を収めたジャンニ・モスコンと同様の成果だ。昨年テイオ・ゲイガンハートが最終日にマリアローザを奪ったのに対し、今回はエガンが早い段階で首位に立ったので、集団の前ではより多くの作業をしなければならなかった。とは言え昨年よりも多くの沿道のファンと、その瞬間を共有できたことも楽しかった。素晴らしい3週間だったよ」

個人総合ポイント賞 ペテル・サガン コメント

©︎ LaPresse

「ドゥオーモの前でマリアチクラミーノの表彰台に登るのは初めてで、とてもいい気分だ。ここは美しい。2回目のジロを終えることができて、とてもうれしい。マリアチクラミーノを手に入れることができたのは素晴らしいこと。これは私のコレクションに欠けていたものだったから。息子が来ていて表彰台に上がりたがっていたので、彼を表彰台で幸せにすることができてとてもうれしい。もう言葉がないよ」

個人総合山岳賞 ジョフリー・ブシャール コメント

©︎ LaPresse

「人生の中での素晴らしい瞬間だ。ブエルタで山岳賞を獲った時は緊張していたが、今回はとてもリラックスしているし幸せだ。私はプロになったのが遅かったせいか、他の選手に比べて1つか2つの技術的な点が欠けているかもしれないが、身体能力のおかげで3週間のこのカテゴリーで輝くことができた。グランツールで2度の山岳賞を獲得できたのは大きな成果で、ものすごく幸せだ」

個人総合優勝、新人賞 エガン・ベルナル コメント

©︎ LaPresse

「ジロに勝つという素晴らしい状況にあって、私は静かに、だが心の中では幸せが爆発している。今はジロで勝てるレベルにあるが、地に足を付けていないといけない。他にもとても強いライダーがいて、彼らのおかげで、私は将来への新たな刺激を見つけられている。

今大会で最も困難な瞬間は、カルーゾが逃げた昨日(第20ステージ)だった。私のまわりには5人のチームメイトがいたが、一気に3人にまでなった。幸いなことに、ジョナタン・カストロビエホが適切なタイミングで、適切な判断を下してくれた。そして最も美しい瞬間は、(第9ステージの)モンタルチーノへの砂利道を力強く走れたときだ。そして今日、コーチの声を聞きながらタイムトライアルを走るのは、また別の美しい瞬間だった。これは何年経っても覚えているだろう。

チームマネージャーのデイブ・ブレイルスフォードもこの勝利に大きな役割を果たした。ツール・ド・フランスで優勝した後、私は困難な時期を過ごしたが、今回のジロで、自分が目指していたものをもう一度見つけることができた」

©︎ LaPresse

ジロ・デ・イタリア2021 第21ステージ 結果

ステージ結果

1 フィリッポ・ガンナ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)0:33’48”
2 レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)+0’12”
3 エドアルド・アッフィニ(チーム ユンボ・ヴィスマ、イタリア)+0’13”
4 マッテオ・ソブレロ(アスタナ・プレミアテック、イタリア)+0’14”
5 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)+0’27”
6 マキシミリアン・ヴァルシャイド(チーム クベカ・アソス、ドイツ)+0’33”
7 アルベルト・ベッティオル(EFエデュケーション・NIPPO、イタリア)+0’34”
8 ヤン・トラトニク(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)+0’42”
9 ジャンニ・モスコン(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)+0’44”
10 イーリョ・ケイセ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)+0’47”
100 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+3’55”

マリアローザ(個人総合成績)

1 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア) 86:17’28”
2 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+1’29”
3 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)+4’15”
4 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)+6’40”
5 ダニエル・マルティネス(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)+7’24”
6 ジョアン・アルメイダ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ポルトガル)ST
7 ロマン・バルデ(チームDSM、フランス)+8’05”
8 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)+8’56”
9 トビアス・フォス(チーム ユンボ・ヴィスマ、ノルウェー)+11’44”
10 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)+18’35”
77 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)+3:36’24”

マリアチクラミーノ(ポイント賞)

ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ、スロバキア)

マリアアッズーラ(山岳賞)

ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)

マリアビアンカ(ヤングライダー賞)

エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)

チーム総合成績

イネオス・グレナディアーズ

ジロ・デ・イタリア スタートリスト&コースプレビュー

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