ロードレース全日本選手権! 注目選手をピックアップ!
Bicycle Club編集部
- 2022年06月23日
6月23日から26日にかけて、広島県三原市にある広島県中央森林公園のサイクリングコースを舞台にロードレースの全日本選手権大会が開催される。女子個人ロードレースの開催実施はチームカーを巡るスポーツ仲裁などの経緯を経て、残念ながら見送りとなってしまった(詳しい経緯は別記事へ)。
いっぽう男子エリートでは東京2020以来の国内でのレースとなる新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が出走を発表するなど、開催前から話題十分な今年の全日本選手権。今回は男子エリートに出場する注目選手とコース概要を中心に、全日本選手権の概要をお伝えする。
コース概要とスケジュール
6月23日から26日にかけて広島県三原市にある広島県中央森林公園のサイクリングコースを舞台に、「第90回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース大会」(以下、全日本選手権ロード)、「第25回全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会」(以下、全日本選手権個人タイムトライアル)、「2022全日本パラサイクリング選手権・ロード大会」(以下、全日本パラサイクリング選手権ロード)が開催される。
昨年は新型コロナウイルスの影響で開催時期が10月とずれ込んだが、今年は例年どおりの6月開催となった。
コースは昨年同様、広島県三原市にある広島県中央森林公園のサイクリングコースで、1周12.3km(個人TTは1周12km)のコースだ。
このコースは国内レースを中心に活動する選手たちにとってはおなじみのコースで、今年は同コースですでに広島県自転車競技連盟主催での西日本チャレンジサイクルロードレースと、JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)の西日本ロードクラシックと2つの大きな大会が開催されている。
※コースの詳細は昨年のプレビュー記事を参照いただきたい
▼昨年の全日本選手権ロード・男子エリートの記事はこちら
▼西日本チャレンジサイクルロードレースの記事はこちら
ロードレースでの注目ポイント
ロードレースでの大きな仕掛けどころは以下の3つだが、平坦があまりないコースのため、大人数でのスプリントというよりは少人数での逃げ切りというレースが多いのが特徴だ。
フェンストンネル過ぎのアップダウン区間
3連トンネル過ぎの上り区間
展望所への上り区間
スケジュールについて
また、既報のとおり公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(JSAA)からの仲裁判断を受け、日本自転車競技連盟(JCF)は6月25日に開催予定だったWE+WU23カテゴリの個人ロードレースの開催を見送る判断を取ったため、当初の発表から一部スケジュールが変更となっている。
6月24日
全日本選手権個人タイムトライアル/全日本パラサイクリング選手権ロード
8:00~:MU23(男子U23)個人タイムトライアル 24.0km(12.0km×2周)
10:00~:WE(女子エリート)+WU23(女子U23) 個人タイムトライアル 24.0km(12.0km×2周)
11:00~:パラサイクリング 個人タイムトライアル 12.0km~24.0km(12.0km×1~2周)※
12:30~:ME(男子エリート) 個人タイムトライアル 36.0km(12.0km×3周)
※クラスにより距離が異なる
6月25日
全日本選手権ロード
8:00~:MU23 個人ロードレース 123.0km(12.3km×10周)
6月26日
全日本選手権ロード
8:00~:MM(マスターズ)30~39+40~49 個人ロードレース 86.1km(12.3km×7周)
8:03~:MM(マスターズ)50~59+60~69 個人ロードレース 61.5km(12.3km×5周)
11:00~:ME 個人ロードレース 184.5km(12.3km×15周)
▼WE+WU23カテゴリにおける個人ロードレース開催見送りに関する記事はこちら
男子エリート・個人ロードレースにおける注目選手
ここからは男子エリート・個人ロードレースに出場する選手の中から注目する選手をピックアップする。
※エントリーリストを参照しているため、DNSとなる選手が含まれている可能性があることにご留意いただきたい
新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)
ヨーロッパでのプロ生活が14シーズン目を迎える新城幸也(BAHRAIN VICTORIOUS)。
2019年以来3年ぶりの出場となる新城は、5週間ぶりのレースとなったツール・ド・スイスではチームメイトの新型コロナウイルス感染によりチーム自体が撤退という不運に見舞われたが、チームドクターとの相談の上で出場を決めたとのこと。
「目標はやはり日本チャンピオンジャージでヨーロッパのレースを走りたい!」と語るように、2013年以来のチャンピオンジャージ獲得を狙う。
▼全日本選手権出場にあたっての新城のコメント詳細はこちら
中根英登(EFエデュケーション・イージーポスト)
新城と共にワールドツアーのチームに所属し、ヨーロッパでのプロ生活が6シーズン目を迎える中根英登(EFエデュケーション・イージーポスト)。 昨年開催された全日本選手権ロードではマークが集中する中でも3位に入るなど、日本人選手としてはトップの力を持つ。 今シーズンは序盤から病気によるコンディション不良に見舞われ、3月には病気が原因で横紋筋融解症を発症するなど厳しい状況が続く中根。 しかし、5月に開催された「エシュボルン~フランクフルト(1.WT)」では集団先頭で走る姿が見られるなど復調の兆しを見せている。 新城同様に「ヨーロッパにチャンピオンジャージを持ち帰る」ことを目標にしており、自身初めてのチャンピオンジャージ獲得を狙う。※6月25日現在 体調不良により欠場を表明
小林 海(マトリックスパワータグ)
今シーズンのJプロツアーで圧倒的な力を見せている小林 海(マトリックスパワータグ)。
Jプロツアーでは7戦中6戦で優勝、残る1戦も2位と、国内では圧倒的な実績を誇る。
5月に開催されたツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野でもその力を証明しており、国内を中心に活動する選手の中では優勝候補筆頭ではないだろうか。
1週間前に開催されたJBCF東日本ロードクラシック後には「しっかりやれば優勝できるだろう」というコメントを残しており、2016年にU23カテゴリで獲得して以来のチャンピオンジャージ獲得を狙う。
▼東日本ロードクラシックでの詳細なコメントはこちら
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
小林と共にツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野で活躍を見せた増田成幸(宇都宮ブリッツェン)。
昨年開催された全日本選手権ロードでは苦手なスプリントで2位に入るなど、このコースでの相性の良さを証明している。
春先に開催されたアジア選手権やJCL(ジャパンサイクルリーグ)の開幕戦でも2位に入るなど、17年目を迎えるプロ生活においてなお国内トップクラスの成績を残し続けている。
昨年の同大会終了後には「また来年リベンジですね」というコメントを残しており、こちらもロードレースでは初めてとなるチャンピオンジャージ獲得を狙う。
草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)
昨年の全日本選手権ロードを制し、現日本チャンピオンである草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)。
今シーズンはここまでアシストとしての働きが多く、大きな成績を残せていないが、1週間前に開催されたJBCF東日本ロードクラシックでは4位に入るなど、調整を上げてきている草場。
「2連覇を貪欲に狙っていきたい」というコメントも残しており、昨年と同じような展開に持ち込むことができれば、1999年に藤野智一が達成して以来の2連覇も見えてくるか。
山本元喜/山本大喜(キナンレーシングチーム)
2018年の覇者である山本元喜と、昨年の全日本選手権ロードでは4位に入っている山本大喜(共にキナンレーシングチーム)。
兄である元喜はツアー・オブ・ジャパンの富士山ステージで序盤から逃げ集団で動きながらステージ12位と、驚異的なスタミナを持つことを証明。
弟である大喜は厳しい山岳コースが含まれるツール・ド・熊野で山岳賞を獲得し、ツアー・オブ・ジャパン富士山ステージでも6位に入るなど、こちらも国内トップクラスの力を持つことを証明し続けている。
交互に仕掛けられれば兄弟でワン・ツーフィニッシュという可能性もあるか。
小石祐馬(チーム右京)
4月に開催されたツアー・オブ・タイランドで総合2位に入った小石祐馬(チーム右京)。
5月に開催されたツアー・オブ・ジャパンやツール・ド・熊野では、チームのエースであるネイサン・アールやベンジャミン・ダイボールをアシストする姿が見られたが、全日本選手権ではチームのエースとして走ることが期待される。
その他の注目選手
ツアー・オブ・ジャパンの相模原ステージでステージ優勝を挙げている岡 篤志(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)や、ツール・ド・熊野の第1ステージでステージ優勝を挙げている窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)、今シーズンからエリートに昇格した松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)、昨年の全日本選手権ロードで終盤に単独逃げを決めた入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)らにも注目が集まる。
大会WEBサイトはこちら
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