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全日本ロード「女子だけ開催見送り」、スポーツ仲裁がUCIルール違反は認めるも覆えらず

日本自転車競技連盟(JCF)が6月25日(土)に広島県三原市・広島県中央森林公園で開催予定だった「第90回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース」のうち「個人ロード・レース WE(女子エリート)+WU23(女子23歳未満)」の開催見送りが決定的となった。

JCFは6月21日(火)に6月25日(土)に実施予定だった「個人ロードレース WE+WU23」の開催を見送りと、「チームカーは競技に随行できない」という特別規則変更を2022年6月21日に決定した。いっぽう開催が見送られたことに対して、女子エリートレースにエントリーしていた選手(選手A)が6月21日(火)、公益財団法人日本スポーツ仲裁機構(以下 JSAA)に「レース開催を見送りの取消し」を求めて緊急仲裁を申立てをおこない、6月23日(木)にその仲裁判断がなされた。

JSAAは仲裁骨子のなかでレースの開催見送りの理由がそもそもJCFのUCIルール違反にあるとしたものの、その安全性の確保はJCFの知識と経験に基づくものとして、「レース開催を見送りの取消し」に関する申し立ては棄却された。このため実質的に「個人ロードレース WE+WU23」6月25日(土)の開催の可能性はなくなった。

ここではJCFによる記者会見、JSAAへの申立人代理人 湯尻淳也弁護士の話を元に事実を追ってみた。

▼女子ロードレースWE+WU23の実施を見送りの記事はこちら

全日本自転車競技選手権大会、女子ロードレースWE+WU23の実施を見送り

全日本自転車競技選手権大会、女子ロードレースWE+WU23の実施を見送り

2022年06月21日

JCFは仲裁結果を前に記者会見を開催、松村正之会長が謝罪

JSAAの仲裁結果を前にJCFは6月23日(木)19:45から記者会見を開催し、松村 正之JCF会長が今回の開催見送りとなったことについて謝罪、世界と日本の競技力の差、車連の力不足を認めながら「選手の命を守る、なにをおいてもこれがJCFの使命である」とレースの安全について強調した。

さらに順延代替開催について見通しが立っていないとJCF齋藤晃一郎事務局次長がコメント。「ロードレースの会場決定には長い時間をかけた準備と代替地のご協力が必要になるためなかなか難しいと考えている。しかし最大限努力をしたい」とした。

また、キャンセルとなったカテゴリーにエントリーした選手に対してはエントリーフィーの返金したうえで、交通費、宿泊費などキャンセル料の負担を発表した。

発端は「チームカーは競技に随行できない」というUCIルール違反

今回のレース順延となった経緯を簡単に説明するとこうだ。

まず、本来UCIルールでは下記のように一部例外を除いて原則チームカーを認めている。しかしJCFは今回の全日本選手権についてUCIに特別規則「2項 チームカーは競技に随行できない」の適用を申請しておらず、さらに広島森林公園のコースは12.3kmと、例外が認められる周長10~12kmではないため、そもそも特別規則が認められる可能性もなかったという課題があった。

UCIルール抜粋

2.3.007
周回路で競技を行う場合、その周長は10 km以上とする。

周長10~12kmの周回路においては、各チームにつき公式チーム役員を乗せた車両1台のみがレースに随行できる。

競技主催者は、UCIに対して本規定の適用免除を要求できる。主催者はこうした要求を、遅くとも競技大会開始の90日以前に受信されるように、所属する国内連盟を通じてUCIに送付しなければならない。この際には、コースの詳細説明および適用免除を要求する理由を述べた申立書を添付する。

このため「JCF」特別規則「2項 チームカーは競技に随行できない」に対して、6月7日に女子エリートレースにエントリーしていた選手(選手A)が削除を求めていたがこれに対しJCFが認めなかったことから、JSAAへの緊急仲裁の申し立てが行われた。

JSAA仲裁の流れ

6月10日
A選手がJCFを被申立人としてJSAAに緊急仲裁を申し立て

6月18日
JSAAは選手Aの申し立てを認め、JCFに対して当該特別規則変更を制定する決定を取り消すという内容の仲裁判断

6月20日
・JCF常務理事会で特別規則変更の決定および 個人ロード・レースWE+WU23実施見送りの決定
※特別規則「2項 チームカーは競技に随行できない」を削除

6月21日
・JCFによる個人ロード・レース WE+WU23 実施見送りおよび特別規則変更をリリース
・A選手がJCFを被申立人としてJSAAに「レース開催見送りの取消しを求め」緊急仲裁を申し立て

6月24日
・JCFが特別規則「3 項(4)本大会において開催される個人ロード・レースにおいては、安全上の観点からチームカーは競技に随行できない。」を追加
・JSAAは選手Aの申し立てを棄却。しかし、開催見送りの原因を作ったのは被申立人によるUCI 競技規則違反であり、申立人には一切落ち度がないとし、仲裁申立料金は、JCFの負担とした

チームカーが適用できないコース、国内外の差が課題
なによりも走れない選手を生む悲劇を繰り返さない

今回の最大の課題は大会主催者であるJCFがUCIルールに則った形でチームカーを運用できない広島県中央森林公園でしか「全日本選手権」を開催できなかったことだ。

さらに今後日本のロードレース界が強くなるためには国内選手がチームカーの運用に慣れていないことも問題だ。実名は出ていないが、JSAAに申立をした選手はオランダを拠点に活動する、アメリカを本拠とする「ワールドツアー」チームに所属するプロ選手。このためチームカーに対する考えも世界標準で、チームカーがないことに不満をもつことも理解はできる。

ただ、ルール上の問題もさることながらレースに参加できなくなった個人ロードレース WE+WU23の選手たちが犠牲となったことは大きな課題だ。今後こうした運営側の不備で選手が被害を被ることは避けなければならないだろう。

 

全日本選手権の詳細はこちら

公益財団法人日本スポーツ仲裁機構による仲裁結果
(6月10日分)はこちら
(6月21日分)はこちら

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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