マルコの自転車プロチームジャージ辛口チェック!|つれてってイタリア〜ノ【新連載】
Bicycle Club編集部
- 2023年02月26日
日本大好きイタリア人サイクリスト、マルコさんの連載がFUNQで復活! 初回は過激に切る! ワールドチームの2023年ジャージファッションチェック! そして連載復活を記念してBC Stationポッドキャストにも登場!同時配信!
ファヴァロ ・マルコの人気コラムがBCで復活しました!
みなさん、ご無沙汰しております。ファヴァロ ・マルコです。
しばらくの休みを挟みましたが、世界中から自転車に関する面白い情報を伝えるコラムが復活いたします。今まで育ててくれたサンスポ編集部のみなさん、そして暖かく迎えてくれたBicycle Club編集部の皆さまに感謝、感謝です。FUNQの読者の方々に、マルコのご紹介もかねて、ポッドキャストBC Stationにも登場です。コラムが先か、トークが先か、どちらも楽しんでくださいね!
さて、やっとレースシーズンが始まり、今年も自転車は熱くなりそうです。ここでレースをもっと楽しむため、毎年変わるチームジャージデザインをしっかりと頭に叩き込みたいものです。コラムの復活にふさわしいスタートラインはあの辛口「ワールドツアーチームジャージファッションチェック」からスタートさせたいと思います。笑いながら最後までお付き合いください。
ファッションチェックの判断基準
・カラーコーディネート(7:ベースカラー、2:メイカラー、1:アクセントカラー)
・カラーバランス
・オリジナリティー
合格ライン
0-50点:不合格
51-100:合格
※あくまでも執筆者の個人的な意見ですのでご容赦ください。
今年はファッションセンス抜群の当たり年!
今年のチームジャージデザインはずばり申し上げますと、素・晴・ら・し・い!
デザイン性、カラーバランス、遊び心など、ワールドツアー男子・女子チームのほとんどが合格ラインを大幅オーバー。買っても着ても損なし! この数年、まだまだ暗いニュースは続いていますが、今年のジャージのデザインを見て元気になれます。やはりスポーツは人に夢と勇気を与えるものです。
さて、具体的に各チームを分析していきたいと思います。
100点:最高に目立つで賞
EF Education-EasyPost(アメリカ)
ウェア:Rapha
バイク:Cannondale
Jumbo-Visma(オランダ)
ウェア:AGU
バイク:Cervélo
目立つ! 目立ちまくる! 素晴らしい! グランツールの絶対王者、黄色と黒を基調とするJumbo-Vismaとショッキングピンクの扱うEF Education-EasyPost! カラーといい、発色といい、デザインといい、入り乱れるグループの中で分かりやすい。これぞ、スポーツジャージ!
Jumbo Vismaはまさに襲い掛かるスズメバチの群れを連想させます。一方、EF Education-EasyPostは相変わらず注目を引く美しいピンク!
じつはEF Education-EasyPostがランキングのトップに輝いたのにはもう一つ理由があります。シーズンの途中で登場するイカれたデザインのジャージ(醜いアヒルジャージは記憶に新しい)と、多くの日本人が所属するEF Education-NIPPO デベロップメントチームのジャージはいつも話題を集めています。前シーズンのスイカバーデザインから今年はふんわりとしたきれいなピンクへ。やはりこれからも遊び心を忘れないでほしい。
90点:勇者が報われるで賞
Ag2r Citroën Team(フランス)
ウェア:Rosti
バイク:BMC
昨年に引き続き、変化なしのAg2r Citroën Team。スポーツの世界で敬遠される茶色を見事に生かし、大胆に斜めに描かれているスポンサー名はバランスに優れています。ベースの白色は清潔感に溢れる。このデザインを提案した人といつかはファッションについて熱く語りたい。
80点:ブルーすぎるで賞(でもかっこいい!)
Alpecin-Deceuninck(ベルギー)
ウェア:Vermarc
バイク:Canyon
Astana Qazaqstan Team(カザフスタン)
ウェア:Giordana
バイク:Wilier Triestina
Groupama-FDJ(フランス)
ウェア:Alé
バイク:Lapierre
Movistar(スペイン)
ウェア:Gobik
バイク:Canyon
Soudal-QuickStep(ベルギー)
ウェア:Castelli
バイク:Specialized
ブルー! まさにスポーツのカラー! かつては作りにくい高価な色でした。気品に溢れ、そのバリエーションも無限大。いつ見ても美しい。確かに今年はブルーを選んだチームは多い。まさにブルーの大渋滞。一方、どれもが個性的で捨て難い。初期、鮮やかな青空色だったAstana Qazaqstan Teamも渋くなってきています。驚いたのがジャージを一新したSoudal-QuickStep。ブルー、赤と白のバランスはいい。Bravo!
70点:祭りで賞
Bahrain Victorious(バーレーン)
ウェア:Alé
バイク:Merida
Bora-hansgrohe(ドイツ)
ウェア:Le Col
バイク:Specialized
Ineos Grenadiers(イギリス)
ウェア:Bioracer
バイク:Pinarello
Team DSM(オランダ)
ウェア:Nalini
バイク:Scott
かつて「芸術は爆発だ!」と言った日本人アーティストがいました。そして今年はまさにデザインを爆発させたチームが多い。まるで色彩祭りだ。カーニバルだ! 地味? シンプル? 路線に飽きた影響か、ボーラとイニオスの変化球に驚かされました。この路線が続くと、1990年代に活躍したプロチーム、MAPEIと同様のアッと言わせるデザインはきっと生まれるでしょう。楽しみでしかないです。
65点:安定のスカジャンで賞
Cofidis(フランス)
ウェア:Van Rysel
バイク:Look
Trek Segafredo(アメリカ)
ウェア:Santini
バイク:Trek
●UAE Emirates(UAE)
ウェア:Pissei
バイク:Colnago
●愛三工業レーシングチーム
ウェア:Sunvolt
バイク:Dare
シンプルでわかりやすい。デザインに無駄な時間と労力をかけるより、好成績でジャージを見せつけよう! そう思わせるこのグループ。ツートーンのジャージに黒パンツは不動の人気のスカジャンを連想させます。日本のコンチネンタルチーム、AISAN Racing Teamも同じテイストを採用。初めてプロチームのジャージを買うならこのグループから始めましょう。
50点:もっとがんばりま賞
Team Arkéa-Samsic(フランス)
ウェア:Ekoi
バイク:Bianchi
うん。赤に黒! どちらも素晴らしい色です。どちらもカッコいい。でもおしい!!!
ワールドツアーに昇格したばかりのArkéa-Samsicですがスポンサーロゴのフォント幅が狭く、全体的な印象は貧相。同じ赤、白と黒を使うなら、かつて多くのチャンピオンが所属した伝説のチーム、SAECOを参考すればいい。もうひとひねりできっと素晴らしいジャージに生まれ変わります。来年に期待!
40点:手抜き感が溢れるで賞
Intermarché-Circus-Wanty (ベルギー)
ウェア:Nalini
バイク:Cube
Team Jayco-AIUIa(オーストラリア)
ウェア:Alé
バイク:Giant
残念ながら今年はデザイン的に不合格ラインを切ってしまったチームはまだあります。Intermarché-Circus-Wanty とTeam Jayco-AIUIaです。
Intermarché-Circus-Wantyは適当感が溢れています。カンバスの上にペンキをこぼす作業、マーブル技法。困ったときによく使われるやり方です。出来上がりは名作になるか、駄作になるか紙一重。今回は駄作決定! せめて白の部分をブルーに統一されていたら目を引く斬新で美しいジャージに生まれ変わったでしょう。路線は決して悪くないので良くなる予感がします。
Team Jayco-AIUIaに関してはコメントしがたい。何を目指していたのでしょう。全体的に印象が弱く、覇気を感じない。フワッとした印象を与えたいのであれば、トップのベースカラーを全面的に白にすればよかった。Jaycoのロゴカラーはじつに美しく、もっと目立っていたでしょう。このチームも来年に期待!
番外編:まさに逃げるチームで賞
Green Project Bardiani-CSF Faizanè(イタリア)
ウェア:Alé
バイク:DE ROSA
今年、面白いジャージを発見! イタリアの歴史あるプロチーム、Green Project-Bardiani-CSF-Faizanè。このチームはどのレースにいつも素晴らしい逃げを演出してくれています。今年選んだカラーはまさに逃げる人を表現する「非常口」カラーです! このマークはじつは世界共通でわかりやすい! もっと逃げよう、優勝をつかむまで!
ファヴァロ ・マルコ
イタリア出身。イタリア外務省認定教育機関、ダンテ・アリギエーリ協会東京支部理事。自転車競技選手通訳業務のほか、東京オリンピック開催中にイタリア自転車競技連盟広報を担う。現在、Kepelmuurアンバサダーのほか、伊豆市地域おこし協力隊として自転車普及活動中。さまざまなサイクリングイベントを主催しながら自転車が受け入れられやすい環境づくりを研究中。
http://ciclistaingiappone.jp
そしてマルコさん登場のポッドキャストはコチラ!
マルコは、なにゆえ日本語が上手で、この国にいるのか? 来日遍歴、イタリアンサイクリング事情、また5月13-14日に開催される「エロイカ・ジャパン」のことなどなど、佐藤シンゴさんと自転車トーク!
BCステーションはこちらから視聴できます。
#010 陽気なイタリアン! マルコ・ファヴァロさん登場 イタリアの自転車歴史と日本の地域おこし
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