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ツール・ド・フランス落車多発の原因とピレネー決戦の外側|小玉 凌のツール取材記

気鋭の若手サイクルジャーナリスト、小玉 凌さんがキャリア2回目となるツール・ド・フランス取材に赴いている。熱を帯びる日々のステージとともに進んでいく3週間の旅。レースそのものにとどまらず、その傍らで起こった出来事や、“ここだけの話題”なども日本のファンに向けてレポートする。

第1回は、大会前半から激動となったピレネー山脈がメイン。

サーキットでのスプリントとピレネー2連戦

本編はレースが進む中で起こったことや、開催地での政情、などさまざまなトピックを交えながらジャーナリスト目線でつづったサイドレポートになってます。

2回目となるツール・ド・フランスサイドレポート。第1週目ながら濃密な内容でレースは消化されています。

平坦ステージが2つ終了。各スプリンターへの評価は……

サーキットフィニッシュをアルペシン・ドゥクーニンクが見事な連携を見せ、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー)がステージ2連勝し、グリーンジャージも獲得。メディアからはマチュー・ファンデルプール(オランダ)とともに世界最強のコンビと目されるようになりました。

この日惜しくも2位だったのが、前日にも3位に入っているカレブ・ユアン(ロット・デスティニー、オーストラリア)。彼への評価も上々で、本人も優勝できるスピードは十分にあると意欲をにじませます。

ベテラン枠はというと、最高速度を記録したマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム、イギリス)はまずまず。アレクサンダー・クリストフ(ウノエックス・プロサイクリングチーム、ノルウェー)やペテル・サガン(トタルエネルジー、スロバキア)はパッとしないと容赦ない評価がなされました。

Photo: Ryo KODAMA

そして、道幅のあるオートレースサーキットでのスプリントでしたが、落車が頻発。
原因は複数コーナーの連続で車線変更が相次いだのでは?という見解に。優勝候補に上がっていたファビオ・ヤコブセン(スーダル・クイックステップ、オランダ)もこのあおりを受けています。

Photo: Ryo KODAMA

また、日本とゆかりのある話題がひとつ。スタートセレモニーで2023さいたまクリテリウムのプレゼンテーションが行われました。

Photo: Ryo KODAMA

さいたまクリテリウムアンバサダーを務めるマルセル・キッテルから、今回のツールが無事に終わることの祈願と日本での開催を望みながら「千羽鶴」が贈呈された。
今日のような見応えのあるスプリントを日本でもまた見られるはずです。

さいたまクリテリウムを本場ツールでPR! 選手の安全祈願に千羽鶴をキッテルが贈呈

さいたまクリテリウムを本場ツールでPR! 選手の安全祈願に千羽鶴をキッテルが贈呈

2023年07月07日

最初の山岳ステージは大混乱

ここまで静かに、そして好位置で備えていたジャイ・ヒンドレー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)がうれしいツール初勝利&初イエローを獲得しました。

ヒンドレーが独走で首位、ヴィンゲゴーがポガチャル引き離す|ツール・ド・フランス

ヒンドレーが独走で首位、ヴィンゲゴーがポガチャル引き離す|ツール・ド・フランス

2023年07月06日

初のグランツール制覇となった昨年のジロ・デ・イタリアではピンクジャージを1日しか着られなかったため、黄色のジャージは最後まで着たいところ。

山岳ステージにくくられているこの日は、パドックにも緊張感があるだろうと思っていましたが、意外にも穏やかな雰囲気。

いよいよ自国でのデパールにロマン・バルデ(チーム ディーエスエム・フェルメニッヒ、フランス)はにこやか。フランス国民の歓迎ぶりも強く感じられました。

Photo: Ryo KODAMA
ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)のファン Photo: Ryo KODAMA
19世紀に使われていた竹馬が登場。広く見渡せることから羊飼いが使っていたそうだが、レース観戦にも生きている? Photo: Ryo KODAMA

レースが始まり、4級山岳が登場すると早くもファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ、オランダ)が遅れ出します。もちろん落車の影響もあるはずですが、昨年ツールもデッドラインと戦い続けていました。今年も彼の背中がしばし放映されそうです。

Photo: Ryo KODAMA

マリー・ブランク峠でアタックしたヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)と、ヴィンゲゴーを懸命に追ったタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)。

ようやく2人にタイム差が生まれますが、1分以上開くとはチーム関係者も思っていなかったようです。ユンボ・ヴィスマはいぶし銀のセップ・クス(アメリカ)と、終盤にワウト・ファンアールト(ベルギー)が前から降りてくるオプションがとにかく強力でした。

個人総合優勝のジャージはかつての持ち主に戻ったが……

ツール・ド・フランスの縦軸「個人総合優勝争い」がふりだしに戻ったと言える1日で、ピレネー2日間は短いながらも波瀾万丈な幕引きとなりました。

Photo: Ryo KODAMA

この日もワウト主導の高速エレベーターが始動し、山岳賞ジャージを取り戻したいニールソン・パウレス(EFエデュケーション・イージーポスト、アメリカ)ら目的を持つ選手らが同乗します。最終局面でも絡んだワウトはこの動きが評価され、2日連続の敢闘賞を受賞しました。連日の受賞は2015年のペテル・サガン(トタルエネルジー、スロバキア)以来で、勢いある選手としての証でしょう。

レースリザルトはヴィンゲゴーが総合トップ。トゥルマレ峠もストラバレコードタイムをマークし、依然好調。しかしステージ優勝をさらったポガチャルの走りも鮮烈で、前日話題となった、手首骨折のブランクによる「ポガチャル調整不足説」も払拭します。

2人に追いやられたヒンドレー要するボーラは「最大の目標はステージ優勝だった」と現実的な意見。ただレースは水物なので、幸運が転がる位置でひそかに待ち構えるはずです。

加えて、若手選手の順位変動も激しく、レース巧者のジュリオ・チッコーネ(リドル・トレック、イタリア)が失速して表彰台圏内から滑落、マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)も背中の痛みを訴えてトップ10圏外に。逆に順位を上げたのはカルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)で、アシストを効果的に使った総力戦で5位へ浮上し、満足げ。

また、決着の後の表彰台ではマクロン大統領が登壇。着任以来毎年どこかのステージで顔を見せていますが、今年はこのスペクタクルな日に観戦。ヴィンゲゴーが「覚えていてくれた」と語ったように、壇上で会話する姿が見られました。

Photo: Ryo KODAMA

見どころ満載の展開となれば、観客も当然熱くなります。沿道ではプッシング、発煙筒、紙吹雪が頻繁に映り込み、モニターの前ではヒヤッとさせられます。これからまだアルプスが控えているツール。モラルよく熱狂してほしいと願うばかりです。

Photo: Ryo KODAMA

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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