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ゴルフボランティアは感謝、奉仕、そして誇り <第3回>

ゴルファーのために活躍するゴルフ界の匠から、それぞれの仕事に賭けた誇り高き言葉を頂くEVEN本誌の連載「タクミのカクゲン」がFUNQに登場。今回紹介するのは、日本人として香港ゴルフ協会の会長を務めた西剛弘氏だ。

第1回はこちら

第2回はこちら

ゴルフボランティアは最高のライフワーク

振り返れば西にとって2014年は、日本ゴルフ協会で本格的なゴルフボランティア活動を始めたのと同時に、香港でも大きな出来事が起きた年になった。移住した2010年にメンバーとなったのが、香港に5つあるコースの内の名門と呼ばれるディスカバリーベイゴルフクラブ。彼の地では各ゴルフ場からゴルフ協会に対して2名の理事を送りだすのが通例になっているという。2014年、その一人に西が推薦された。日本ゴルフ協会の外交委員なら、香港のゴルフ界のためにも情熱を持って取り組んでくれるという期待を感じたそうだ。

「香港は国際都市なので、国籍や人種の壁がありません。だから日本人の私が理事になることに誰も疑問を感じなかったようです。しかし、日本の協会と二足の草鞋で良いのかは大いに気になりました。そこで日本ゴルフ協会に問い合わせたら、日本人が世界のゴルフの発展に寄与できる良いチャンスなのでこちらはまったく問題ないと。そこはアマチュアボランティアの美点ですね」

その当時の香港は、国を挙げたスポーツイベントの開催と、世界レベルのアスリートの育成に注力し始めていた。香港ゴルフ協会がターゲットにしたのは、2年に一度行われる世界アマチュアゴルフチーム選手権の誘致だった。先に触れたように、2014年の同大会ホスト国は日本。そこで西はスターターを始め様々な役割を担った。となれば香港ゴルフ協会が目的を達成するには、彼の存在は必要不可欠だったのだろう。

日本人が香港ゴルフ協会の会長に就任!?

西が理事から副会長に昇格した2016年9月、世界アマチュアゴルフチーム選手権を主催する国際ゴルフ連盟は、2020年の同大会を香港ゴルフクラブ(ここも西のメンバーコース)で開催すると発表した。

「それは私の功績などではありません。香港で世界アマができるようになった理由の一つは、日本ゴルフ協会の全面的な協力があったからです。彼らは2014年に軽井沢で開催された大会の運営経験から、たくさんのアドバイスをしてくました。それを基に完璧な提案ができたのです」

この誘致決定を受け、西は2017年から香港ゴルフ協会会長となり、2年の任期中に大会成功の鍵となる外交活動に力を入れた。ところが2019年秋に香港の政情不安、具体的には連日報道されたデモが起こり、国際ゴルフ連盟は香港開催を回避する判断を下した。その2020年大会を引き継いたのは、シンガポールだった。

「引き継いでくれた、というべきですね。シンガポールのメンバーとは、マスターズにVIP待遇で招待されたときにも同じ一軒家を借りて過ごした、以前から親しい間柄でした。残念なことに2020年大会はコロナ禍で中止となりましたが、各国の協会には損得勘定抜きの絆があります。重複しますが、そこが非営利団体の素晴らしいところです」

歴史ある大会の一部になれる喜びがある

西の話を聞いて、ゴルフボランティアの外郭だけは見えたような気がする。それが尊いものだということも理解できる。しかし私的な時間を割いてまで務めを果たすことに一切の疑問を抱かないものだろうか。

「感謝・奉仕・そして誇りの精神がすべてと思います。日本オープンやマスターズ、全米オープンでは、様々な役割を持った数百名を超えるボランティアによって大会が運営されていますが、その場に行くと、エントランスの係からゴミ回収の担当まで誰もがウェルカムスマイルで迎えてくれます。それが自然にできるというのは、私なりの解釈では歴史ある大会の一部になれる喜びがあるからだと思います。だから関わる全員が責任感を持ち、ライフワークとして臨んでいる。世界中のナショナルオープンは、舞台裏で働くゴルフボランティアのゴルフへの情熱が支えになっているのです。ですから皆さんが会場に足を運んだ時は、これまで以上にボランティアスタッフに注目していただけるとうれしいです」

日本に滞在中はメンバーである「東京クラシッククラブ」でプレーを楽しんでいる。

香港での5年間に及ぶ協会任務を終え、現在は日本ゴルフ協会のみとなり、少しは自分がプレーする時間を持てるだろうと西は微笑んだ。しかし、彼にとってのゴルフはボランティアと切り離して考えることはできないようだ。

「お声がかかれば何だってやらせてもらいます。今年の日本オープンは滋賀県の琵琶湖カントリー倶楽部で開催予定なんですよね。高校、大学と通った京都のとなりで、地元の関係者もたくさん来るでしょうから、ここではぜひスターターを任されたいです」

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EVEN 編集部

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スタイリッシュでアスリートなゴルファーのためにつくられたマガジン。最旬のゴルフファッション、ギア、レッスン、海外ゴルフトリップまで、独自目線でゴルフの魅力をお届け。

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