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総勢14名の女子プロのドライバーショットに学ぶ!

次々と実力のある若手が登場し、年々レベルアップしている国内女子ツアー。
今回は2023年11月に「TOTOジャパンクラシック」で撮影した14名の女子プロのドライバーショットを、青木瀬令奈のコーチ兼キャディとしてツアーを転戦し、間近で選手たちのプレーやスイングも見ている大西翔太氏に解説してもらった。
彼女たちの飛んで曲がらないドライバーショットの秘密がここに!

飛んで曲がらないスイングのポイントを解説

解説・大西翔太

PGAティーチングプロA級。わかりやすいゴルフ理論に定評があり、メディアへの出演も多数。女子プロの大西葵は実妹。

山下美夢有

2001年8月2日生まれ、大阪府出身。2021年にツアー初優勝。2022年に史上最年少で年間女王を戴冠すると、2023年も2年連続で年間女王に輝いた。

ツアー屈指のショット力で2年連続の年間女王獲得

Stats
  • ドライビングディスタンス:238.26 yards (53位)
  • フェアウェイキープ率:79.0841% (1位)

ツアー屈指のショットメーカーで、再現性はNo.1です。しかも、自分を客観的に分析する力に長けていて、修正能力も高い。その結果、調子の波を最小限に抑えられるのでシーズンを通じての安定感も抜群ですね。まずは肩、腰、ヒザが平行になったアドレスを見てください。右脇もしっかり締まっていますね。それいでて上半身にはまったく力感がありません。ややシャット気味のバックスイングから、おへそが後ろを向くぐらいまで体を回したトップをつくっています。バックスイングのアークが大きいことが、スムーズなダウンスイングへとつながっています。

稲見萌寧

1999年7月29日生まれ、東京都出身。2020-21年シーズンに9勝を挙げる活躍で賞金女王に輝いた。2021年の東京五輪のゴルフ競技では銀メダルを獲得している。

自分主体のスイングからクラブ主体への動きへ

Stats
  • ドライビングディスタンス:242.21 yards (32位)
  • フェアウェイキープ率:70.9867% (17位)

とにかく勝負強いプレーヤーです。東京五輪でのリディア・コとのプレーオフでまったくひるまずに勝利した姿には、前に出ていく強さを感じました。2023年6月に新しいコーチに師事してから、スイング始動時のフォワードプレスの動きが強くなっています。それまでは自分主体のスイングでしたが、その良さを残しながらクラブの運動量を増やすことで、インパクトゾーンが長くなって、操作性も良くなりました。トップで右ヒザが崩れないのも良いですね。そもそもクラブさばきは一流。ボールをたたけるようになってさらに進化したという印象です。米ツアーでの活躍に期待!

吉田優利

2000年4月17日生まれ、千葉県出身。ナショナルチームで活躍したのち、2019年のプロテストに合格。2023年にツアー3勝目を挙げ、米女子ツアーのQTも突破。

胸を開かないドローヒッターのお手本

Stats
  • ドライビングディスタンス:241.85 yards (34位)
  • フェアウェイキープ率:70.1173% (21位)

とてもお洒落でコスメにこだわるなど女性らしい一面がクローズアップされますが、人一倍ガッツがあって、プレースタイルにも熱いものを感じる選手です。スタンスがかなりワイドで、そこから低く長くクラブを上げていきます。おなかの部分にしっかりと力が入っているのでスイング軸が感じられますね。胸を右に向けたままダウンスイングにに入っていくのはドローヒッターの証し。いちばん胸が開かない選手かもしれません。バックスイング側が大きくて、フォロー側が小さいインサイドアウトのスイングは、ドローボールを打ちたいゴルファーのお手本になるでしょう。

西郷真央

2001年10月8日生まれ、千葉県出身。一時期不調に陥っていたが、2023年11月の「伊藤園レディス」で復活のツアー通算6勝目。2024年は米女子ツアーに挑戦する。

フェードボールからドローへとスイッチ

Stats
  • ドライビングディスタンス:245.81 yards (22位)
  • フェアウェイキープ率:61.8304% (61位)

血のにじむような努力をして、メンタルを立て直したのは本当にすごい。まさに“サムライ”で、切れ味鋭いショットを武器に、アメリカでも大活躍してほしいですね。もともとフェードヒッターですが、復活優勝した試合ではドローを打っていました。上体がリラックスしていて、太ももあたりに力感があるのが良いです。調子が悪かった時は曲がるのを恐れて上体に力が入っていましたが、今はしなやかで手首の動きもやわらかくなりました。ダウンスイングで地面をしっかり踏み込む地面反力系の動きですが、頭の高さが変わらないところが素晴らしいと思います。

古江彩佳

2000年5月27日生まれ、兵庫県出身。2019年の「富士通レディース」でアマチュア優勝を遂げてプロ転向。現在は米女子ツアーを主戦場に活躍している。

ほとんど手を使わない体主体のスイング

Stats
  • ドライビングディスタンス:245.44 yards (142位)*
  • フェアウェイキープ率:84.76% (2位)* ※USLPGA

志が高くて、見据えているものが大きい選手です。まさに有言実行という言葉がぴったりで、米女子ツアーのルーキーイヤーにいきなり優勝したのもさすがでした。アドレス時のナックルが3~4つ見えるフックグリップと右肩が下がったアドレスから、ドローボールを打ちたいことが伝わってきます。バックスイングでは、手元が時計の9時の位置にきたあたりから左肩とアゴがくっつくように体を回していて、ほとんど手を使っていません。ダウンスイングでサイドベンドが強いのもドローヒッターの特徴です。インパクト以降のリリースのたたみ方もきれいですね。

勝みなみ

1998年7月1日生まれ、鹿児島県出身。メジャー2勝を含む国内通算8勝の実績をひっさげて2023年は米女子ツアーに挑戦。目標は世界一愛されるプロになること。

らせんを一気に解放するスパイラルスイング

Stats
  • ドライビングディスタンス:263.44 yards (35位)*
  • フェアウェイキープ率:67.22% (137位)* ※USLPGA

米女子ツアーでいろいろな経験をしてフィールドにも慣れてきたと思うので、2024年は大いに期待できると思います。彼女はまずフィジカルが素晴らしいですね。遠征先のジムで顔を合わせることも多かったのですが、かなりトレーニングをしていると思います。コックはあまり使わずに捻転で飛ばすタイプで、トップではらせんのように体が捻れていて、それを解放する瞬発力がすごい。スパイラルスイングといった印象です。手首がしなやかで、左右のヒジの距離感が変わらないのもポイント。ここが変わるとスイングが詰まってしまうので、皆さんも注意しましょう。

小祝さくら

1998年4月15日生まれ、北海道出身。2017年にプロテスト合格。 2023年の「ミネベアミツミレディス北海道カップ」でツアー通算9勝目を挙げた。

ファンデーションが左右の肩につく理由は?

Stats
  • ドライビングディスタンス:251.92 yards (15位)
  • フェアウェイキープ率:61.7664% (62位)

ツアーNo.1の癒やし系プレーヤーで、僕は“みんなのマイナスイオン”だと思っています(笑)。おっとりしていて不思議な印象もあるんですが、ゴルフになるとガンガン攻めていく。このギャップも良いですよね。アドレスでは肩が丸くなっていて、リラックスしているのを感じます。このスイングからは、やや左を向いているのでフェードボールを打ちたいのだと思いますが、以前はドローボールを打っていて、今は両方打てますね。彼女はトップとフォローの両サイドでファンデーションがウェアにつくんですが、それぐらいしっかりと体を回して打っています。

岩井千怜

2002年7月5日生まれ、埼玉県出身。2021年6月のプロテストに合格すると、2022年8月にはツアー初優勝から2週連続Vという史上3人目となる快挙を達成した。

プレッシャーがかかってもスイングが崩れない

Stats
  • ドライビングディスタンス:253.22 yards (11位)
  • フェアウェイキープ率:65.1165% (54位)

いつもにこやかにプレーしていて。ギャラリーの人気も高い選手ですね。2002年生まれとまだ若いですが、ゴルフへの向き合い方が素晴らしいのでまだまだ伸びていくと思います。アドレスは肩幅より1足分大きいワイドスタンスで、足の裏で地面をつかむようにどっしりと構えています。おそらく押してもビクともしないでしょう。そこからクラブを体の正面から外さずに捻転していき、目標方向に背中が向くまでしっかり回していきます。インパクトに向けて肩が出ていかないので面が崩れません。傾斜地やプレッシャーがかかった場面でも力を発揮できるスイングです。

申 ジエ

1988年4月28日生まれ、韓国出身。2009年には米女子ツアーの賞金女王となり、世界ランキングも1位に君臨。2023年には日本ツアーで節目の通算30勝を挙げた。

目線を低くすることでショットが安定

Stats
  • ドライビングディスタンス:239.45 yards (45位)
  • フェアウェイキープ率:74.5118% (5位)

世界のトップに君臨した選手ですし、ベテランになった今もタイトルを狙える実力を備えているのはすごいですね。勝負の駆け引きはNo.1で、これからも若手選手の高い壁であり続けるのでしょう。スイングの特徴は強烈なコッキングです。ゆるみのないアドレスから、テークバックで大きくヘッドが上がっていき、それと同時に胸を右へ回していきます。フルショットからアプローチまで目線が低いのも特徴で、そうするとヘッドアップしませんし、前後左右の動きのブレが抑えられるのでショットが安定します。ショットがバラつく人はぜひ試してみてください。

笹生優花

2001年6月20日生まれ、東京都出身。2021年に海外メジャーの「全米女子オープン」を制覇。同年の東京五輪にフィリピン代表として出場後、日本国籍を選択した。

ローリー・マキロイのようにしなやかでパワフル!

Stats
  • ドライビングディスタンス:272.69 yards (7位)*
  • フェアウェイキープ率:70.89% (103位)* ※USLPGA

明るくお茶目で、積極的にコミュニケーションをとってくれる選手です。世界一を目指せるワールドクラスのプレーヤーだと思います。アドレスはワイドですが、ヒザが軽く内側に入っています。これは股関節周りが相当柔軟でないとできません。トップで左足から手元が一直線になり、切り返しからスクワットダウンして地面を蹴り上げていくスイングは迫力十分。インパクトの前に左足がめくれているのは、強烈なパワーを左足で支えているからです。パワーがないとできない動きで、まさに“女性版ローリー・マキロイ”ですね。これをまねるのは危険だと思います(笑)

渋野日向子

1998年11月15日生まれ、岡山県出身。2019年にツアー初優勝を遂げると、2020年には「AIG全英女子オープン」を初出場で制覇。国民的ヒロインとなった。

シャット&強烈なタメでボールを飛ばす

Stats
  • ドライビングディスタンス:248.30 yards (132位)*
  • フェアウェイキープ率:77.11% (37位)* ※USLPGA

皆さんもご存じの“シブコスマイル”でいつも元気。明るくてやさしくて、ファンに愛されている選手です。2023年はなかなか結果が出なくてスマイルも減っている印象ですが、必ず復活してくれると信じています。スイングはアドレスで左つま先を開いていて、体を回転をしやすくしていますね。シャットなバックスイングで、トップではフェースが上を向くほど。体重移動は少なめでトップもコンパクト。そこから、セルジオ・ガルシアのような強烈なタメをつくって出力で飛ばします。ボールをつかまえて飛ばしたい人は、こういう動きをイメージすると良いでしょう。

青木瀬令奈

1993年2月8日生まれ、群馬県出身。2017年の「ヨネックスレディス」でツアー初優勝。2023年は目標に掲げていた年間複数回優勝を達成し、さらなる飛躍を誓う。

テンポやリズムを良くしたい人は参考に

Stats
  • ドライビングディスタンス:224.22 yards (89位)
  • フェアウェイキープ率:75.5760% (4位)

ストイックにゴルフと向き合う姿勢には頭が下がります。コースがどんどん長くなる中で、飛距離は出ないながらも正確なショットとショートゲームの巧さで優勝を積み重ねている裏には、血のにじむような努力があります。アドレスで上体にまったく力感がなく、腕をしっかり伸ばして構えていて、両脇が締まったままクラブを上げていきます。テークバックは大きめで、クラブの運動量も多いですね。注意しているのは頭の高さを変えないことと、切り返しで早くならないこと。背中にシャフトが当たるぐらいまで振り抜くことでパワーを上乗せしていることもポイントです。

鈴木愛

1994年5月9日生まれ、徳島県出身。2017年に賞金女王を初戴冠すると、2019年には史上2人目となるツアー3連勝を達成するなど年間7勝を挙げて、2度目の賞金女王に。

柔らかいリストワークで体重移動を大きく使う

Stats
  • ドライビングディスタンス:243.99 yards (26位)
  • フェアウェイキープ率:68.5100% (28位)

二度も賞金女王に輝いた実績は現役プレーヤーの中ではNo.1ですし、気持ちが強い選手なので、3度目の賞金女王を虎視眈々と狙っていると思います。アドレスではヒジをうまく絞ることで肩を平行にしていて、良い意味で力の抜けた構えです。ドライバーのシャフトがほぼ垂直で、そこからフォワードプレスを入れて、コックを多めに使いながらクラブを上げていきます。このとき、手首はゆるゆるです。体重移動は大きくて、手首をやわらかく使っているのでしっかり返す力もある。最後まで思い切り振り抜いて、打って戻ってくるぐらいエンドロールが長いのも特徴です。

桑木志帆

2003年1月29日生まれ、岡山県出身。2021年6月のプロテストに合格し、同年の新人戦をプレーオフの末に制した。2024年にツアー初優勝が期待されている選手の一人。

沈み込んだ上体をキープして振り抜いていく

Stats
  • ドライビングディスタンス:239.46 yards (44位)
  • フェアウェイキープ率:70.6246% (20位)

ガッツがあって、一打に思いを乗せていけるプレーヤーですね。良くない時でも雑になりませんし、勝つチャンスは十分にあると思います。スイングの完成度も高くて、まずアドレスでのグリップの一体感が素晴らしいですね。左手のナックルがふたつ見えて、右の親指を重ねてすきまをつくらない。密着感のあるグリップで、手首をやわらかく使っています。トップで少し伸び上がって、高い位置から沈み込んだ上体をキープしながら強烈な遠心力を使って振り抜いていくのですが、彼女はボールの行方をほとんど見ていません。だからスイング軸が安定するのだと思います。

 

撮影トーナメント/TOTOジャパンクラシック

 

 

 

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PROFILE

フクダトモオ

EVEN / 副編集長

フクダトモオ

1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。

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1973年生まれ。業界紙記者、フリーライター、ゴルフ週刊誌編集を経て枻出版社へ。187センチの長身で、自称“用賀のビッグイージー”。スイング理論からPGAツアー、ギア、コース、さらにはゴルフ女子に至るまで守備範囲は広い。ベストスコア78、平均スコア90。

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