『観察力』をやしなう方法を。iPadとEveryone Can Createで。横浜・八景島シーパラダイスの取り組み

八景島で開催されたiPadを使った子供向けイベント

観察力を養うために、「もっとよく見なさい!」なんて叱りつけても効果はない。むしろ、観察すること自体がイヤになるだけだ。

北風よりも太陽。iPadを渡して「その動物のしぐさを表す写真を撮ってみて!」というと、子供たちは食い入るように動物を見て、その特徴を探して撮影しようとする。

まぁ、言ってみれば我々メディアの取材だってそうだ。読者の方に写真とテキストでお伝えしようとするから、何が主題か? どうやってご覧いただけば魅力的かと工夫する。

そんな試みを行ったのは、横浜・八景島シーパラダイス。

横浜・八景島シーパラダイスは、三浦半島の根本あたりにある、水族館、遊園地、ショッピングセンター、ホテル、マリーナなどが組み合わさった総合レジャー施設。

この季節は、子供たちが春休みということもあっていろいろな参加型のイベントが行われるが、そのうちのひとつのとして3月26〜27日に『「海の生き物の動きをとらえる」iPadで“決定的瞬間”を撮ろう』という催しが行われた。

『「海の生き物の動きをとらえる」iPadで“決定的瞬間”を撮ろう』
http://www.seaparadise.co.jp/event/ipad_photo.html

1日2回開催され、各組定員は10人。iPadは貸与され、参加費は無料。

iPadを使って撮影することで、より子細に対象を観察する

集合したら、iPadの使い方の簡単なレクチャーがあり、水槽の前へ。今どきの子供たちは、親のスマホを触っているからか、それとも自宅にiPadがあるからか、すぐに使いこなしていた。

今回テーマとなった水槽は4つ。ペンギンと、シロクマと、セイウチ、それに大量のイワシやサメが一緒に泳ぐ大水槽。その4つの水槽の前で、それぞれ動物の特徴に関する簡単な解説があってからの撮影となった。

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たとえは、ペンギンは、1匹が飛び込むと次々と水に飛び込むが、最初の1匹は水辺に行って長時間ウロウロ逡巡する様子が見て取れる(いわゆるファーストペンギンだ)。これは、最初の一匹が水の中に危険がないか確認するからで、安全が分かると次々と飛び込むということなのだそうだ。また、泳いでいるペンギンからは基本が上って行くが、これは羽毛の間に蓄積された空気なのだそう。

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ホッキョクグマのケージの水の中には大量の鮭が泳いでおり、のんびり昼寝ばかりしているホッキョクグマも水に飛び込んで素早く泳ぎ、鮭を捉えて食べたりするのだそうだ。

横浜・八景島シーパラダイスの最大の水槽である大水槽には自然界を模して、食べる、食べられるの関係にあるさまざまな魚が一緒に入れられている。

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3万匹以上のイワシの群は、絵本『スイミー』に出てくる魚たちのように、一体となって泳いでいる。

サメなどの捕食魚がいるからこそ、イワシは集団行動を取るそうで、捕食する魚がいないと、緊張感がなくなって群れを作らなくなるのだそうだ。子供たちがiPadで撮影している間にも、サメがイワシの群れに飛び込み、イワシの群れはサメを避けるようにパッと群れのカタチを変えてサメの群れから逃れていた。

群雄している時には、それぞれの魚がぶつからないように、かつ離れ過ぎないように、集団として泳ぐのだそうだ。

子供たちはそんな話を聞いて、その群れがカタチを変える様子を懸命に撮影していた。

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また、場所を変えるたびに、撮影方法についても簡単なレクチャーが行われた。

セイウチの水槽では、露出の変え方を。動きの速いペンギンの水槽ではLive Photo。大水槽では、パノラマ撮影の方法がレクチャーされ、子供たちはすぐに使いこなしていた。きっと、家に帰ってからご両親のiPhoneを使いこなして驚かせることだろう。

ちなみに、タイムラプス、スロー、Live Photo(とそれにまつわるバウンスや、長時間露光などの効果)、パノラマなどの効果は、大人でも活用するのを忘れがちだが、上手く使うととてもユニークな写真が撮れるので、ぜひ活用したい。

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その後、エサを作っているところなど、水族館のバックヤードなどを見学して別室へ。

余談だが、筆者はこのあたりが非常に面白かった。水族館のエサというと大量の鮮魚を供給しなくてはいけないということで大変だと思うのだが、サバ、ホッケ、アジ、オオナゴ、イカなどを生物の種類によって、ミックスして与えるということだった。

データを加工して、作品を作る方法も学ぶ

さて、別室では撮影した写真の編集の仕方がレクチャーされた。

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撮影の仕方も含め、このあたりのカリキュラムはアップルが昨年3月にシカゴで発表したEveryone Can Createに基づいている。

Everyone Can Create
https://www.apple.com/jp/education/everyone-can-create/

これらのガイドは、iPadの『ブック』の中で誰でも参照することができる。

スクリーンショット 2019-04-03 16.17.5801

子供たちはとても熱心に写真を加工し、自分が撮りたいと思ったテーマの表現に熱中していた。

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撮影した写真は、それぞれ子供たちの選んだ4枚がプリントして手渡され、保護者がiPhoneを使っていた場合、AirDropで画像データも提供されていた(Androidの場合も、希望された場合にはUSBメモリーなど経由で渡されたようだ)。

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子供たちに、スマホなどのデジタルデバイスを渡す害ばかりが取りざたされる昨今だが、彼らが生きていく時代は、これらのデバイスが当たり前に存在し、仕事でも日常生活でも活用されなければいけない時代だ。

勉強にしても、クリエイティブにしても、実際の鉛筆や絵筆だけでなく、デジタルデバイスでの効率的な勉強の仕方、デジタルデバイスを活用したクリエイティブを習得した子供の方が、より豊かな人生を過ごすための手段を手に入れることは間違いない。

ぜひ、Everyone Can Createを見て、考えてみて欲しい。

(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年4月号 Vol.90』

(村上タクタ)

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