USのF8 Keynoteで今日発表された『Oculus Quest』先行試用。控えめに言っても最高過ぎ!!
FUNQ
- 2019年05月01日
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申し訳ない。10カ月前に書いた記事は過去のものになった
日本時間の5月1日午前2時、アメリカのベイエリアで開催されているFacebookのOculusのイベントF8 Keynoteで発表された新型VRゴーグル、Oculus Questを発売に先行してお貸し頂き、新しいOculus Quest用のアプリケーションをいくつか試す機会をいただいたのでレポートしよう。
これは本当に衝撃的だ。
10カ月ほど前。『Oculus Goは素晴らしい』と2号に渡ってフリック!に記事を書いたが、前言を撤回せねばならない。
たしかに2018年の6月時点、2万3800円〜(税込)で買えるVRゴーグルとしては素晴らしかった。多くの人が買ったし、実際、自宅で初体験するVRゴーグルとしては最高だった。
今度のOculus Questの価格は4万9800円〜(税込)。Oculus Goより高価ではあるが、間違いなくその価値のあるアイテムだ。
例えて言うなら、Oculus Goは低速で、機能も限られていた初代iPhone。Oculus QuestはiPhone 5sぐらいの差がある。いや、機能の差でいえば、それ以上かもしれない。
「だって、Oculus Goは飽きたもの。しばらく使ってから、もう棚に仕舞ったままだよ? もうしばらくVRゴーグルはいらないな」という人は少なくないかもしれない。しかし、Oculus Questこそ買わないと後悔すると思う。実際に、私は、Oculus Goは20分に一度ぐらいリアル世界に戻って休憩しなければ疲れてプレイできなかったが、今度のOculus Questは、プレイを初めて以来、電池が切れるまで夢中でプレイしてしまった。家族にも使わせてみたが、以来、我が家ではバッテリーを充電するヒマがないぐらい引っ張りだこのなっている。Oculus Goの時はそうではなかった。
Oculus Goは、たしかにVR世界の素晴らしさを垣間見せてくれたが、その世界の中では動きにくいし、VR世界の中のアイテムに触れたりはほとんどできなかった(と、今になって思う)。Oculus Questは違う。最初に設定した安全圏(2×2m推奨だが、もっと狭くても自由に設定できる)を動き回り、しゃがんだり左右に避けたりできるし、VR空間の中のモノに触れられるのだ。
何を言ってるかわからないと思うが順を追って説明していこう。最初に実行するチュートリアルが非常によく出来ていてるので、それに沿って話をしよう。
自由に動けて、こちらから操作できる
詳しい方に分かりやすいように言うと、Oculus Questの特徴は、6DoFであることと、左右の手の複雑な動きを捉えるコントローラを使えること。
6DoFというのは6自由度のことで、Oculus Goが頭部の上下、左右、前後への回転方向の『向き』しか捉えられなかったのに対して、上下、左右、前後への『動き』も捉えられるようになった』ことを意味する。
移動出来るようになったという意味はめちゃくちゃ大きい。
なんといっても酔わなくなった。従来だと、頭の前後、上下、左右への移動に対して、映像が動かなかったので、そのズレが酔いを生んでいたように思う。それが、身体の動きと、VR空間上の動きが完全に一致するようになったのだ。
さらに、コントローラーがふたつになり左右の手で使えるようになった。このコントローラは、人さし指、親指、残りの3本の指の握る、開くを表現でき、簡単に言うとグーや、人さし指で指さす、いいね!のサインを出す……などの操作ができ、左右に、ジョイスティック(押し下げも可能)と、操作用の2つのボタン、ホームボタンに相当するボタン……が装備されていると、Oculus Goのコントローラーに較べて格段に複雑な操作が可能になっている。表現力が大幅に増しているのだ。もちろん、従来通り、ヘッドセットに対するコントローラの相対的な位置も把握されるので、どこかを指し示すなどのコントロールも可能。
また、Oculus Questは4つのカメラを備えており、実空間を把握したり、画面に投影したりできる。
その最大のメリットは『ガーディアンシステム』だろう。今のところ画面キャプチャを撮る方法が分からないので、文面で説明するしかないが、モノトーンで表示される実空間の床面をコントローラで指示すると、そのエリアがプレイ用の空間になる。そして、Oculus Questを使用中に、そこを出そうになると、回りを囲うオリのようなメッシュが表示されるのだ。これのおかげで、我が家の狭いリビングでプレイしても、ダイニングテーブルに激突したり、テレビを殴ったりせずに済む。
VR空間内のモノを持てる感覚が衝撃的!
さて、これで要点を説明したつもりなのだが、伝わった気がしない(笑)VRギアの記事は難しい。そして、この興奮を伝えられないのがもどかしい。
最大の衝撃はチュートリアルを体験した時に訪れる。
これまで説明した、6DoFと、コントローラのおかげで、VR空間内で、モノを掴んだり、ボタンを押したり、投げたりできるのだ。
チュートリアルではテーブルの上にあるブロックを触って持ち上げたり、投げたり。左手に卓球の球、右手にラケットを持って、球を打ったり、紙飛行機を飛ばしたり、パンチングボールを殴ったりできるのだ。
ここで、完全にバーチャル空間でやっている動作と、実際に自分の意識のシンクロが起る。これが感動的なのだ。
コントローラにはバイブレータが内蔵されているらしく、パンチングボールを殴った時などは、微妙な振動……フィードバックが伝わる。
ここへ来て、感覚の錯誤が起こり、VR空間上のテーブルにコントーローラーを置こうとしてしまったりする(もちろんコントローラは床に落ちる)。
ガンシューティングも、ダンスも自分がやってるみたい!
さらに、チュートリアルは続く。
ゲームカセットが現れ、カセットをセットすると(昔懐かしいファミコン形式だ(笑))、ゲームがプレイできる。
ひとつはシューティングゲーム。銃を持って空中を浮遊する標的を打つ。もう、これだけで、めちゃくちゃ面白い。完全に自分がVR空間内にいて、左右の手に持った銃のトリガーを引いているのだ。これだけでOculus Goとは全然違う。
もうひとつのゲームはダンスゲームで、妙な異星人? ロボット? に言われる通りに動いて踊るのが、これがまた楽しい。最後には、そいつと左右の手を繋いで、腰を振って踊ってしまうのだ(客観的に見たらかなり変な光景だが)。
しゃがめば、VR空間内の自分もしゃがむし、左右へ揺れれば、VR空間内の自分も揺れる。これが6DoFの威力だ。
いずれのチュートリアルもすごく良くできていて、6DoFとコントローラ、カメラのついた本体によるガーディアンシステムの良さを体感させてくれる。本当に素晴らしい。
とにかく、ビート・セイバーが最高!
さらに、いくつかのゲームをプレイする機会も得た。
しかし、なんといっても素晴らしいのが『ビート・セイバー』だ!!
みなさんも、YouTubeの動画などで見た事があるのではないだろうか?
VR空間版の音ゲーというか、『太鼓の達人』のようなものである。リズムに合わせて正面から飛んでくる赤と青のキューブを、青なら右手の青いライトセーバー、赤なら左手の赤いライトセーバーで、矢印の付いた方向にぶった切るゲームなのだが、これがめちゃくちゃに爽快感があって面白い。
切るとキューブは真っ二つになって飛び去って行く。正面から、どんどんキューブが飛んでくる。上、下、右、右、左……とリズムに合わせてライトセイバーで両断する! 時々壁が飛んできて、右に左にステップし、ダッキングしてかわす。数曲プレイしたら、もう汗だくだ。まさか、家でゲームしながら、これほど動くとは思わなかった。そう、もうリアル・プレイヤー1の世界なのだ!
その他にも、ダンスゲームや、アクロ機を操縦するゲーム、VR版のアングリーバードなど、いろんなゲームをプレイしたが、どれも没入観が尋常ではなくて、面白い。しかし、今のところ、ビート・セイバーがなんといってもベストだ。体力の続く限り、何時間でもプレイしていられるほど面白い。
実を言うと、ガンシューティングゲームのように、あまりVR空間内で動き回るゲームは(実際に動くのではなく、ジョイスティックで移動を指示する)、実際の感覚と、視界のズレが起ってVR酔いしてしまって、僕はちょっと辛かった。飛行機を操縦するゲームも同様。まぁ、時間をかければ慣れてくるのかもしれないが。
アドベンチャーゲームの類いも、時間がなくてプレイしていない。このあたりは、私のゴールデンウィークをかけて、じっくりとプレイしてまたお伝えしたいと思う。
VR空間内を旅できれば、ゴールデンウィークにウロウロ外出して回る必要はないかもしれない。これもまたリアル・プレイヤー1の世界と同様だ。そのぐらいOculus Questは衝撃的だ。ぜひ、購入してプレイしてみていだたえだきたい。これは、絶対のお勧めだ。これから、まだまだこの世界には新しいコンテンツが登場して盛り上がって行きそうだ。
Oculusの世界内で、お会いしましょう。
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2019年5月号 Vol.91』)
(村上タクタ)
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