話題のApple Watch、2週間使って分かったこと
FUNQ
- 2015年05月09日
必要か? 必要でないか?
多くの人にとってはまだ必要ではないと思う。
Apple Watchは非常に良くできている。少なくともこれまでに作られた『スマートウォッチ』と言われる商品の中では圧倒的に良くできている。ファッションやスタイルとしての時計として良くできているし、スマホのコンパニオンとしても良くできている。
が、だからといって、既存の時計を腕から外して、Apple Watchを使うべきだという理由にはならない。
Apple Watchは明らかに時計でない。違う機能を持ったものだ。しかし、その機能はこれから発達していくだろうし、まだ種が蒔かれたばかりの状態だ。
Apple Watchアプリの開発者の方々と発売日にお会いする機会があったが、なんと彼らもApple Watchの実物を見た事がないのに、これまでシミュレータの上だけで開発していたのだ。だから、発売日に実物のApple Watchにアプリをインストールしてみて、なんとか動作することに胸をなで下ろしたり、思惑と違う挙動に困惑したりしたとのこと。
開発者もやっと実物のApple Watchを手にすることができたということで、ここからが開発のスタートだといえるだろう。
Apple Watchの3つの機能
実際に2週間使ってみて、Apple Watchのコアになると感じた機能は3つ。
ひとつはiPhoneの通知を受けるデバイスとしての機能。電話にしろ、メールにしろ、メッセージにしろ、必要な通知を腕で受け取れる。急いで見る必要がある場合だけ、iPhoneをポケットから出せばよくなった。
ふたつ目は、アクティビティロガーとしての機能。どれだけあるいたか。どれだけアクティブだったか、。立っていたか、座っていたか。脈拍はいくつか。すべて記録を残してくれる。
たとえば、時計をしている間の脈拍は10分ごとにすべて記録されていく。医療においてこうした継続的なデータが非常に役に立つものになる可能性がある。たとえば、今後ビッグデータ的な集計がされていく中で、1日にどのぐらい活動的だった人はどんな病気にならないなども明らかになっていくはずだ。
ここまで、すべての脈拍がしっかり残ってると、少し空恐ろしい気もするが……。
三つ目は、リモートコントローラーとしての機能。たとえば、iPhoneの音楽を再生する、カメラのシャッターを切るということも可能だし、パソコン上のプレゼンテーションを動作させる、もっといえばテレビを操作したり、エアコンをつけたり、クルマのキー代わりになったり……ということもできる……ようになるかもしれない。
とりあえず、今は乗換ナビのアプリがとても便利だ。
『Apple Watchがないと出来ない』……ということもない
半面時計としては、見た瞬間に表示されておらず、半拍ほど遅れて画面が表示される。これは致命的に感じる。ビジネスの会話中にチラリと見て時間が分かるからこそ腕時計をするのだ。
バッテリーの持ちも多くの人にとっては問題外だろう。バッテリーサイズと、処理能力の高さ、高精細の液晶や光学式のハートレートモニターを内蔵していることを考えると、プロとしては「非常にバッテリーが持つ」という評価をせざるを得ないが、それでも1〜2日に一度充電しなければならない……というのは、一般の方には受け入れがたいだろう。
(乗換ナビは、かなり便利だ。電車が来るまでの時間を教えてくれたり。次
そして、今のところ『Apple Watchなければならない』という機能はないように感じる。
だた、これは最初の萌芽だ。デジタルデバイスはアプリケーションですべてが決まる。そしてそれは始まったばかりだ。初代のiPodがそれほど多くの人に受け入れられたワケではなかったし、最初のiPhoneにはApp Storeがなく、プリインストールされていたいくつかのアプリしかない状態で1年が過ぎたことを覚えている人は少ないだろう。
これから1年、2年で、Apple Watchがどう変化するが楽しみではある。
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