【デジタル遺品の整理法】もし今、突然死んだら、パソコンのデータはどうなる?
FUNQ
- 2016年02月29日
■ 遺言は、パスワードロックのかかったパソコンの中……
「死にそうになったら、死ぬ前にパソコンやスマホの中にある『エッチな画像』のフォルダだけは消したい……」とは、昔からギークな男性の間でよく言われる冗談だ。
しかし、そんな冗談を言っていたのはひと昔前のこと。『デジタル遺品』という言葉をご存知だろうか? 最近はたいていのパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器にはパスワードロックがかかっているので、中身を勝手に見られることはないだろう。しかし、パスワードロックがかかっているからこそ対応に困る、ということもある。パスワード解除してログインせねばならないところにいろいろなものが入っているからだ。遺影や遺言をはじめ、お金や人間関係までもが。そして、遺された人たちを大いに困惑させ、トラブルに見舞われることにもなる。遺品整理のなかで今やっかいなのが、この『デジタル遺品』なのだ。
自分が死ぬことを考えられる人は多くはない。特に若く、健康な人ほどそうだろう。しかし、誰でも一度は死ぬ。病気や事故で、急に人生の幕を閉じねばならない可能性だってゼロではないのだ。終活やエンディングノートまだ先の話、なんて思っている人でも、不可抗力で残されてしまうデジタル遺品の整理を今からしておいて損はない。
たまたま、この記事を見たのをきっかけに、自分が亡くなった後、どんなことが起こりそうか、そのために今何をしておくべきか、考えてみるのも悪くはないはずだ。
■ 大きく分けるとデジタル遺品は『データ』『SNS』『お金』の3つ
この時代、デジタルと無縁で暮らしている人はほとんどいない。この記事を読んでくれている皆さんなら、デジタルの占める比重はさらに大きいだろう。それだけに、死後のデジタル遺品ではさまざまなトラブルが想定されるが、ここでは大きく『データ』『SNS』『お金』の3つに分けて考えてみよう。
『データ』という観点でいうと、『残したい・伝えたいデータ』と、『消したい・伝えたくないデータ』があるだろう。おそらくそれらが、大量の『どうでもいいデータ』に埋もれているはずだ。重要書類や家族の写真など大事なものは、急に万が一のことがあっても家族の手に渡るようにしておきたい。伝えるべき家族がいなくても、いやいなければなおさら、『どうすればいいか』を決定しておくべきだろう。まずは生前から、それらを整理して、どうやって『残すか』『隠すか』を考えたい。
次に『SNS』について。アカウントごとに仮想空間上にもそれぞれの人間関係が発生していて、それが大切だと思う人にとっては、死後、自分がSNS上でどうなるか? というのも考えておきたい問題だ。プライベートなものだけに、家族でも判断がつかない種類のものもあるだろう。少なくとも重要なものについては、告知をするのか、閉じるのかを決めておきたい。
■ 最大の問題は『お金』に関するデジタル遺品
ネットを介して株やFXをやっている場合はもっと深刻だ。死後、遺族がアカウントを開いてみたら、ハンドリングができていなかった期間に大損していた……なんて可能性もあるかもしれない。
さらに、自動的に銀行やクレジットカードから引き落とされるお金というものもある。携帯電話代、プロバイダー料、マイクロソフトのサブスクリプション、AppleMusic、Amazonプライム、アドビCCの月額課金、hulu、電子雑誌などの課金、mixiプレミア、ブログのサーバ代金や、細々とした会費……。遺族が利用していることすら知らないサービスもあるだろう。サービス提供会社から連絡がきて初めて滞っている支払いがあることを知った、なんてトラブルも。遺族に迷惑を掛けないためにも、重要なのはどんなサービスを利用しているか、そのリストをきちんと残しておくことだ。
ここに挙げたのは一例であり、人によって内容はまちまちだろう。あっさり済む人もいれば、なかなかやっかいなことになってしまう人もいる。いずれにしても、起こり得ること、そしてその対策をまとめておくのは遺族に対する配慮でもあるだろう。
(編集 M)
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