ジョブズの最後の創造物、アップル新社屋『Apple Park』として、4月から運用開始
FUNQ
- 2017年02月23日
Apple Campus 2あらため、Apple Park、ついに4月稼働
故スティーブ・ジョブズの最後の創造物と言われる、アップルの新社屋が『Apple Park』として4月に入居準備が整い、1万2000人に及ぶ同社の社員が、半年かけての入居を開始するというアナウンスが発表された。建物と庭園の建設は夏まで継続する予定とのこと。
しばらく前まで、『Apple Campus 2』と呼ばれていたこの新社屋は、カリフォルニア州のシリコンバレーにあるクパチーノの旧社屋からほど近いところにある。
実は私も、2014年にシリコンバレーに取材に行った時に、聖地巡礼よろしく旧社屋の前に立ってみた。もちろん、招かれて行ったわけではなかったので、中には入れなかったが……。
こちらが旧社屋。クパチーノのインフィティループ1という住所地にある伝統ある建物だ。
そして、新社屋はこのインフィニティループ1から、フリーウェイを越えて1kmほど隔てた場所に、完全に新しく造成される。
ちなみに、実はこの2014年にも私は見に行ってみたのだが、前の通りはこんな感じ。
そして、入り口から見えた内部はこんな感じで、まだ何も始まっていなかった。
故スティーブ・ジョブズがこの計画を発表したのは2011年6月。彼が亡くなる数カ月前だった。iPhoneでいえば、4の時代。4sが発表される少し前のことだ。
それから、6年。ついにこの新社屋が『Apple Parkとして』完成する。
全敷地面積は約175エーカーとのこと。換算すると、約71万1000平方km、坪にすると約21万5000坪。それでも分かり難ければ東京ドーム15個分。いくら換算しても見当がつかないほど広大な敷地だ。
本社の建物は直径500mほどもある巨大なリング状で4階建てになっており、すべてが巨大な湾曲ガラスで覆われている。
『ワークスペースと庭園は、チームに刺激を与え、環境に有益なものになるように設計されています。私たちは世界でもっともエネルギー効率の良い建物のひとつを作り上げました。キャンパスは完全に再生エネルギーで稼働します』とティム・クックCEO。
庭園の敷地には従業員のために、2マイル(約3.2km)のウォーキングとランニングのコースがあり、リングの内側の庭園には果樹園、芝生、池があるという。
500万平方フィート(14万坪)のアスファルトとコンクリートの土地を、芝生や9000本以上の乾燥に強い木々に置き換えるとのこと。また屋上には17メガワットの太陽電池を備える。これは世界最大のオンサイト太陽発電施設になるとのこと。また、建物自体も自然の力を上手に生かすようにできており、太陽光を通すガラスパネルと、世界最大の自然換気のシステムにより、1年のうち9カ月は暖房や冷房を必要としない構造になっているという。
『スティーブは、カリフォルニアの自然の景観によって刺激を受けインスパイアされていました。それは彼が考えをめぐらせるために好んだ環境でした。Apple Parkは彼の精神を驚くほどよく捉えています』とLaurene Powell Jobs氏は述べています。
1000人収容するシアターにはスティーブ・ジョブズの名が冠される
もし、彼が生きていれば、この2月24日金曜日に62歳になったはずだ。
アップルは彼の記憶とアップル社と世界への影響力を讃えるために、シアターにスティーブ・ジョブズの名を冠するという。今年後半に完成するという1000人収容のシアターは、庭園の一番高いところに設けられ、庭園全体と本館を見下ろせる丘の上にあるという。シアターへの入り口は金属とカーボンファイバーを組み合わせた直径165フィート(約50m)、高さ20フィート(6m)のガラスシリンダーとなっている。
このイラストの建物(?)がその入り口だとしたら、1000人を収容するというシアターは一体どこにあるのだろう? もしかしたら、この丘の中自体がシアターなのかもしれない。
社屋全体には外部の者は入れないが、このシアターは新製品の発表会などにも使われる模様。いつか取材に行く時が来るといいのだが……。
このシアター以外にも一般ユーザーが訪問できるApple Storeと、カフェも設けられるという。その他にもちろん従業員のオフィスと、セキュリティに守られた研究開発施設、フィットネスセンターなども設けられているという。
こんな環境で働けるアップルの社員のひとたちが本当にうらやましい。
(村上タクタ)
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