日本人女性プログラマー2人がアップルの開発者向けイベントに、毎年自腹で参加する理由

世界75カ国から5300人の開発者が集まるアップルが主催するWWDC(世界開発者会議)。5日間に渡り、アプリ開発に必要な新しいAPIや技術情報などを知ることができるセッションが多数開催されます。また、プログラム開発上での疑問点をアップルの開発者などに直接、質問できるハンズオンラボのほか、ゲストスピーカーの講演も行われます。(WWDCの詳細はこちら https://developer.apple.com/wwdc/ )

参加希望者多数のため、WWDCに参加できるかどうかは、抽選で決まります。しかもエンジニアは日本円で17万8000円もの参加費が必要。もちろんほかにも、飛行機代やホテル代もかかってきます(しかもその期間はホテルの料金も普段より高くなります)。

そんな大金を払ってまで、なぜWWDCに参加するのか。『flick!』編集長村上が、4回連続で参加している日本人女性プログラマーの2人に聞いてみました。

なぜWWDCに参加するのか?

小川秀子さんと堀内敬子さんによるチーム『Flask LPP』(http://flaskapp.com/ja/)。2人は、ポップで繊細なデザインと実用性を兼ね備えたヘルスケア系のアプリを制作しています。

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村上:WWDCに毎回参加されているとうかがいましたが、今年で何回目ですか?

Flask:「2人とも、4回目です。2013年は堀内だけ、2014年は小川だけが抽選に当たり、それぞれ1人で来ました。2015年以降は3回連続、2人で来ています」

村上:費用もけして安くないと思いますが、なぜそこまで積極的に参加するのですか?

Flask:「なぜでしょう?(笑) モチベーションが上がるんですよ。Keynoteを聞いて、世界中の一番熱意のある開発者さんたちの中にいて、新しい機能やサービスのことを聞いて。毎年、WWDCに来て『よーし! やるぞー!』って思うんです。この1年がんばったご褒美っていう意味もありますね」

「WWDCの開催期間中はホテルで引きこもって開発してる(笑)」

村上:なるほど、せっかく来たのだから、サンフランシスコとか、ナパとか観光して行かないのですか?

Flask:「全然(笑) 私たち、日本でもそれぞれ開発中は、ずっと引きこもってますし。WWDC開催中も、観光もせずにホテルに引きこもってます(笑) Keynoteやセッションで聞いた話に基づいてさっそくテストのコードを書いてみたり、それについて質問したり、さらに新しく勉強したことを試したり」

村上:えー、もったいない(笑)

Flask:「日本だといろいろな情報も耳に入ってくるし、あんまり集中できないことが多いんですけど、WWDCにいる間は100%開発に取り組めるんで、すごく集中できるんです」

村上:他にもWWDCに参加するメリットはありますか?

Flask:「最新の機能に触れて、それを実装できることですね。新機能を採用すると、やっぱり注目されるし、アプリの売行きもよくなるんです。App Storeで大きく取り上げられたりもします。何より、新しいことにチャレンジするのは楽しいですし」

※編注:Flask LPPのApple Watchの心拍計を使って運動強度に基づいたトレーニングができるアプリ『Zones』と、スタンド機能を使って1時間に1回立つことをゲームのように楽しめるアプリ『Standland』はApp StoreのBest of 2016に選ばれている。

今年の基調講演で気になったのは『ARKit』

村上:今回の基調講演で、開発者の方々の間で話題になっていたことはありますか?

Flask:「うーん、なんだろう? 新製品が多かったですよね。開発者としては機能についての話に興味があるのですが。あ、ARKitはみんなすっごく話題にしてましたね。APIを使うだけでテーブルの上に仮想の物体を描画できるってすごいです。こんなに簡単だなんて。私たちも****を****したいなって、話をしてて!」

村上:おっと(笑) それはまだ一応書かずにおきましょう。私も新機能や新アプリの登場を楽しみにしておきますね。お忙しい中、ありがとうございました!

***

WWDCに参加される開発者に、その理由をずばり聞いてみた今回。我々のような取材で参加した者は、開発者に向けたセッション等は受けることができないため、どうしても基調講演で発表された新製品などの情報が取材内容の中心になります。このインタビューで、開発者の方がなぜWWDCにいらっしゃるか、お伝えできたでしょうか?

今回のWWDCに集まった開発者は5300人。10歳の男の子から82歳の女性まで、国も年齢も異なる人たちがアップルのアプリ開発に取り組んでいます。もしかして来年のWWDCに参加しているのは、この記事を読んでいるあなたかも……?

(出典:『フリック!ニュース』)

(村上タクタ)

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