いま考えたい「デジタル遺品」。死後のパソコンの写真データ、どう残す?
FUNQ
- 2017年08月17日
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突然自分や家族が亡くなってしまった場合、ネットやパソコン・スマホ上にあるデジタルデータはどうなってしまうか、考えたことはあるだろうか?
誰もがパソコンやスマートフォンを使用するようになった昨今、こうした故人のデジタルデータ、「デジタル遺品」が注目されるようになってきている。たとえば自分のパソコン上にある家族に見られたくない写真は、どうすればいいのか。また反対に死後に共有したい家族写真がクラウドサービス上にある場合は、取り出せるのか……。ここでは写真などの「データ」のデジタル遺品の残し方について、考えてみよう。
パソコン・スマホ、ロックがかかって開けない…
最近のパソコンやスマホはセキュリティを高めるためパスワードロックされている。そのため、家族であっても簡単には使うことができない。スマホやパソコンには住所録や写真などの膨大なデータが入っている。大切なデータがそこにあるのに、残された家族が二度とそれを見ることができない……ということも起こりうる。
確実に残すためには、家族に合わせた残し方を!
家族のためにデータを残す場合、まず一番はじめに考えなくてはならないのは「家族がデジタルに明るいかどうか」だ。
家族がデジタルに詳しいのであれば、話は簡単。外付けHDD(ハードディスクドライブ)などのローカルのメディアで残しても、適切な方法で開いてくれるだろう。DropboxやGoogle driveなどのクラウドサービスを使う場合、ユーザー以外のアクセスを禁止するサービスがほとんどなので、アカウントごと残すことはできない。が、専用フォルダを作って共有しておけば解決できる(生前に見られる可能性もあるが……)。
■ローカルのメディア(ハードディスクドライブなど)
【○】
・「ここにあるから」と、家族に伝えやすい
・デジタルに疎い人えも扱いやすい
・すぐにデータを引き出すことができる
・手元にある安心感がある
【×】
・メディアが読めなくなったり、ドライブがなくなる可能性も
・メディア自体が紛失する可能性がある
■クラウドサービス
【○】
・常に最新のものを残すことができる
・古いものでも、最新のものでもデータを引き出せる
【×】
・サービスがなくなる可能性がある
・共有していなければ家族がアクセスできないことも
家族がデジタルに詳しくない場合は
さて問題は、家族がデジタルにそこまで詳しくない場合。ローカルメディアが比較的扱いやすいが、自分のパソコンで読み込めない、といった問題も起こりうる。また、そのメディアが古くなり、読みこめるドライブが市場からなくなると、さらに厄介だ。
こうした場合は、データを残す際にはきちんと保存するだけでなく、そのデータをおさめたローカルメディアやサービスの使い方などもメッセージとして残しておいたほうがよい。また今後のことを考え、長く使えるであろう保存先を選ぶようにしよう。
「残している」こと自体を伝えることもお忘れなく!
また、そもそも家族写真などのデータを残していること自体をきちんと伝わるようにしておこう。そんな大切なデータがあると認識していなければ、そのデータは永遠に手つかずのまま……。なんてことになりかねない。
ちなみに保存先をしっかり指定していれば、逆に見られたくないデータが見つかる可能性も低くなる。どうしても見られたくないプライベートなデータがあるなら、家族が迷わないで必要なデータを探し出せるよう、入念な準備をしておけば、トラブルが起こる確率もおさえられるはずだ。
(出典:『デジタル終活 -もしもに備えるデータ管理術』)
(ヨシザワ)
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