私がこの春、iPhoneを勧める理由
FUNQ
- 2018年02月23日
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無理には勧めないが、聞かれたらiPhone一択
一応、「デジタルモノに詳しい編集長」ということになっているので、春になると「iPhoneとAndroidどちらがいいですか?」という質問をよくいただく。
熱心なiPhoneユーザーとして知られる私に聞いて来る時点で、その人は「説得して欲しい人」であることが多い。しかし、なぜ「背中を押して欲しいのか?」は分かってらっしゃないことが多い。
ともあれ、この季節。お子さんに、どんなスマホを渡すべきか、高齢の親御さんにどんなスマホを渡すべきか、悩む人は多いだろう。
iPhoneとAndroid。私はお好みと状況によって、どっちを使ったっていいと思っているが、iPhoneを使い始めてからの、この10年弱、一度たりともiPhoneを選んだことを失敗だと思ったことがないのには、それなりの理由がある。そんな話をまとめてみようと思う。
1.シンプルである
iPhoneは、概念としてシンプルだし、物理的にもシンプルだし、使い方もシンプルだ。
iPhoneというハードウェアを作っているのも、iOSというソフトウェアを作っているのもアップル社で、統率が取れているから、すべてがシンプルに構築されている。
『シンプル』さはアップル社の製品に脈々と流れるDNAだ。
(iPhone Xの内部構造。構造的にシンプルだから、整然とパーツが並んでいる)
機械の構造としてシンプルだから優れた性能を持ち得るし、性能も高くなる。また使い方も単純で、初めてiPhoneを使う若者にも、高齢者の方にも使いやすい。使い方で迷うことは何もないのだ。
2.セキュリティ的に優れている
iPhone 8/8 Plus以前から使われている指紋認証のTouch ID、iPhone Xに使われている顔認証のface IDなど、端末のロックの技術に基づくセキュリティが優れている。
個人情報に類する情報は、その内側にあり、外部からアクセスすることができない。指紋認証は大変強固だし、顔認証はさらに強固だ。300万ドットの赤外線を照射して、顔の立体的な形状を読み取る仕組みなので、暗闇でも認証できるし、ハリウッドの特殊メイクでも欺けない。
そして、この指紋や顔の形状の情報は、Secure Enclaveというアーキテクチャで守られており、iPhone に入っている他のアプリはもちろん、OSの他のソフトウェアもそこにはアクセスできない。当然、クラウドに送られてしまうこともないし、Apple社もその領域のデータは入手できない仕組みになっている。
これはiPhoneとAndroidというより、AppleとGoogleという会社の性質の違いでもある。AppleはiPhoneという物理的な製品を売って収益を得る。だから、可能な限り優れたユーザー体験を確保してくれる。Googleユーザーの顧客データが収益の源泉だ。Androidは顧客データを分析し、それを扱ってマネタイズしていく会社なのである。
Androidと違って、Appleはユーザーデータを売る必要がない。だから、iPhone内部のデータや、歩数、脈拍、……などのヘルスケアデータをAppleはユーザーだけのものにしておいてくれるのだ。
3.Siriが便利
日本人はアメリカと違って対人距離が近いせいか、まだ音声認識を多用する人は少ないが、iPhoneの音声認識であるSiriは相当便利だ。
『 Hey Siri !』と言ってから(言うのが恥ずかしければホームボタン長押しでもいい)、『明日の天気は?』『今何時?』『ヴィンソン・マシフの標高は何m?』『弓月さんに電話して』『2の10乗はいくつ?』『16×218は?』などと質問できる。使えるワードはある程度限定されるが、キーボードを使うよりはるかに便利なことも多い。
『明日、7時半に起して』『(パスタを茹でながら)8分半を計って』などは、かなり便利である。
実はこの音声認識、子供の方がずっと先に使いこなすし、お年よりにとっても便利なハズだ。どうやって電話するかなんて考えなくても、ホームボタンを押しながら『たかしに電話して』と言えばいいのである。言うだけ。That’s Simple。
また、文章も音声認識で書ける。実はこの文章もiPhoneの音声認識で書いたものを、パソコンで切り貼りしている。
4.Apple Payがあれば現金が要らない
便利といえば、非接触でお金を支払えるApple Payが便利。
私はすでに、ほぼ財布を使わなくなっている(念のため持ち歩いているが)。
iDもしくはQUICPayなどクレジットカードの支払いにも使えるし、Suicaも使える。改札でも、コンビニでも、自動販売機でも、レストランでも、かざすだけでお金が支払える。小銭を数えたり、ATMで引き出したりする必要もない。
登録も簡単。今持っているクレジットカードを読み込ませるだけ。Suicaは今持っているものを読み込ませることもできるし、新たにiPhone上で作ることもできる。iPhoneを持っているだけで、ほとんどの支払いが済む世界を体験してみて欲しい。
もちろん、前述のように情報セキュリティは万全だし、支払いの時にTouch IDかFace IDを使うから、たとえiPhoneを落としたって他人に使われる心配もない。ある意味、現金やクレジットカードよりずっと安全。
5.ファミリー共有の便利さ、知ってる?
家族、特に子供と使う時に、絶対に利用した方がいいのがファミリー共有。
ファミリーホストのクレジットカードで買ったアプリ、音楽、映画、iBooksストアで買った本……を共有できる。ひとりが買えば、6人までの家族全員が聞けるのだ。
たとえば、娘が買ったアプリ(支払いはホストのカード)は、後に家から独立する時には、娘のアカウントに付随するものとなる。お父さんのところに男性アイドルの音楽が残ったりはしないのだ。
さらに、未成年のアカウントについては『承認と購入のリクエスト』を設定することで、アプリを購入する際に親の承認が必要となるようにすることもできる。
iPhoneを上手に使っていれば、「勝手に子供が課金ゲームを使ってしまって……」などという心配はないのだ。
また、写真や、位置情報の共有も自由自在だ(当然オフにもできる)。プライバシーが気になる世代になるまでは、お互いに位置情報を公開しておけば安心だし、待ち合わせにも便利だ。
6.Apple WatchやMacとの親和性
もはや、言うまでもないが、iPhone と、他のiPad、Apple Watch、Mac……などを一緒に使うと、驚くほど便利だ。
たとえば、iPhoneに着信やメッセージがあれば、Apple Watchに対する振動で教えてくれるし、iCloudで連携していれば、その通話やメッセージをApple Watch(セルラーモデルなら)で開くことも、iPadやMacで開くこともできる。
iPhoneで開いていた書類や、写真を、MacやiPadで開くこともできるし、Macで書きかけのメールの続きをiPhoneで書くこともできる。Apple Watch、iPhone、iPad、Macがシームレスに連携している快適さは、活用できている人にしかおそらく理解できない。すべてが完全に連携している空間にいるような感覚になれるのだ。
もちろん、これについてもセキュリティは万全だから、他人に覗き見られてしまうこともない。たとえば、同じアカウントの人間が所有しているApple Watchが遠ざかると、画面にロックをかけるというような設定にだってできてしまう。
7.移行も簡単。データを失うことはない
iPhoneはすべてが簡単だ。当然、iPhone からiPhone に乗り換える時も。
特に最新のiPhoneでは、近くに新品のiPhoneが近づくだけで移行アシスタントが立ち上がるという手回しの良さだ。
あとは指示に従うだけ。それだけでデータが移行できる。
また、iPhoneのバックアップだって、iCloudに設定すれば自動的にバックアップが取られるし、パソコンのiTunesにバックアップすることもできる。これまた簡単だ。
その他にも、iPhoneを選ぶ理由は枚挙にいとまがない
ちょっと列記してみよう
・アプリが豊富ですべてAppleの承認を得ているから、いかがわしいアプリがない
・写真がきれい。暗いところでも明るいところでも、どんな写真でも
・動画がきれい。加工も簡単
・VRや機械学習などの将来的な技術を追ってる
・周りにiPhoneを使っている人が多いから教えてもらうのに便利
・iPhoneケースやアクセサリーの選択の余地が多い
……などきりがない。
また、iPhoneは使っている人が多いので、中古も手に入りやすいし、長期間OSのアップデートが実用に耐える範囲で行われるので、子供や高齢の親にはお古を使ってもらうなどして運用コストを下がることができる。
また、Apple Storeでは、2月26日から4月5日まで期間限定で、ガラケーの場合には5000円、他社製スマートフォンの場合には通常価格に5000円増額され、7000〜15000円で下取りが受けられるという。
この機会に、お子さんや、ご両親のiPhoneの購入を考えてみてはいかがだろうか?
(出典:『flick! digital (フリック!デジタル) 2018年3月号 Vol.77』)
(村上タクタ)
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