ダイソンの空気清浄機が完成形に。これは買いだ!

論理的で、常に試作と実験を重ねて商品化

掃除機にしろ、ファンにしろ、ヘアドライヤーにせよ、日本の家電とまったく違ったアプローチで製品を開発してくるダイソン。

彼らは、空気の流れのコントロールに卓越したノウハウを持っており、すべてを論理的に考え、試作と実験を重ねて製品を完成させる。

彼らが空気清浄機について利用するのは『羽根のない扇風機』のテクノロジーだ。ファンとそれを駆動するモーターは本体内部に垂直に搭載されており、本体上部に設けられたリング状の部分の内側の細いスリットから高速でエアを吹き出すことにより、リングの内側全体の空気を動かし、部屋の中に空気の流れを作る。

そのファンに、HEPAフィルターを使った空気清浄機の技術を盛り込んだのが『Dyson Pure Cool』という空気清浄機能付き扇風機。掃除機ではフィルターを使わないのに、空気清浄機ではフィルターを使うというのは奇妙な気がするが、下部の広い範囲からゆっくりとした空気の流れでHEPAフィルターを使うことで、微細粒子を取り除くことに最適化されており、取り除く粒子は微細なので、そう簡単にフィルターの能力が低下したりはしないそうだ。

密閉された家庭内の空気は、屋外よりはるかに汚い

ダイソンの新製品説明会は、いつも専門家の講義から始まる。

今回のお話は産総研の安全科学研究部門主任研究委員の篠原直秀さんから。

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現代の室内の空気はいかに汚れているかというお話。

現在の居住環境は、密閉されており、さまざまな汚染物質が密集した状態にあり、屋外より最大7倍汚れているのだという。

これが屋外なら、拡散され吹き飛ばされ、薄まるのだが、アルミサッシで完全に密閉され、発生した汚れが蓄積される室内は、非常に汚染物質が多い状態になりがちなのだそうだ。

汚染物質については大きく3つに分けて説明された。粉塵粒子の類い。たとえば、排気の煤煙、粒子状物質など。また、生体由来のもの。住人やペットのフケや毛髪、それらを食べるダニやその死骸やフン、花粉、カビなど。さらに、有害ガス、化学物質。室内の合板壁紙などの接着剤や塗料に含まれるホルムアルデヒドやトルエン、キシレン。衣類の防虫剤に含まれる p-ジクロロベンゼン。カーテンなどの難燃材に含まれる有機リン酸エステル類……など、さまざまなVOC(揮発性有機化合物)。

これらが、拡散されたり、吸着されたりすることなく、降り積もり、時に舞い上がるのがマンションなどの密閉性の高い室内の状況なのだそうだ。

小モニター追加と、フィルター変更と、ディフューズモード

室内の空気を循環させ、それを吸い込み、排除するために作られたのが、Dyson Pure Coolということになる。

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本機は何度かのモデルチェンジを経て完成度を高めているが、今回の新型はとりわけ完成度が高いように思う。ポイントはいくつかあるのだが、特に重要なのが以下の3点。

・3種類のセンサーで計測された空気の状況を表示
・フィルターが活性炭とHEPAフィルターの2段式に
・正面に風を出さないディフューズモード搭載

これらは、従来モデルでは完全に不足していた部分を、大きく補っていて、実用的な家電としての活躍の場を増している。

小モニターでの空気コンディション表示が理解を深める

そもそも、空気の汚れは見えないから始末が悪い。

我が家では、Pure Coolの初期モデルを使っているが、室内の空気が汚れているかどうか分からないので、いつ稼働させたらいいのかが分からない。

『汚れているような気がした』ら、スイッチを入れ、『キレイになった気がした』ら、電源を切る。しばらく前のモデルからはセンサーが付き、空気が汚れている時だけ強く稼働し、汚れていなければアイドルに入る『オートモード』が設けられたが、空気の状況については、連携させたスマホやタブレットの画面を見なければならなかった。

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しかし、本機には小さいとはいえカラー液晶モニターが用意され、そこに空気の汚れの状況を表示してくれる。もちろん、より詳しい状況はスマホやタブレットで見ることになる。

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ご覧のように、小さいとはいえ、汚れの状況が分かるのがありがたい。

オートにして置いておけば、汚れた時だけ強く稼働して空気をキレイにしてくれる。なぜ今稼働してるのかが分かれば、安心して放置できる。

より多いHEPAフィルターと活性炭の追加

PM2.5をはるかに越える、PM0.1クラスの微小粒子を取り除くことができるHEPAフィルターは増量されており、さらに活性炭フィルターがNO2、ホルムアルデヒド、ベンゼン……などの有害ガスも取り除く。

フィルターは2分割式となり、よりメンテナンスが容易になった。ちなみに、交換時期は積算の稼働時間でモニターに表示される。稼働時間が1日12時間という状況で、フィルターの交換目安は約1年とのこと。

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従来型のフィルター6000円(税別)だったが、今回からは活性炭フィルターが3000円(税別)とHEPAフィルター4000円(税別)の2段階になる。合計価格は高くなってしまったが、活性炭フィルターが追加されている割には抑えられているといえるだろう。

正面に風を出さないデュフューザーモード搭載

従来型を家で使っていて不満だったのは、風が寒いと感じることが多いということだ。

我が家では、本機は花粉の季節に一番使うのだが、2月末の花粉の季節が始まる時は、まだ本機の風を寒く感じてしまうのだ。

特に、我が家は妻子より私が一番寒がりなので、花粉が気になった家族が、本機を強風で稼働させると、私は寒くてたまらない。

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本機は正面のリップ部分から風を出さずに、周辺部から後方上側に空気を吹き出す『ディフューズモード』が用意されている。だから、風を受けたくない寒い時期には、風を受ける必要はないのだ。

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これらの変更により、利用法は大きく変わるだろう。

初期型を使う我が家では、どのぐらい空気をキレイにしてくれているか分からずに、オンオフしていたのだが(結果、多くの場合、オフになっていた)、本機ならオートモードにしておくだけでいい。

オートモードにしておけば、必要がなければアイドルモードに。そして空気が汚れた時には速やかに空気をきれいにしてくれる。さらに、稼働している時には、どんな汚れがどのぐらいあって稼働しているのかが、視覚的に分かるのだ。

室内のスモークをどのぐらいの時間で浄化するかのデモは圧倒的だった。

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(上から順に、焚いたスモークが吸われる様子を表している)

ほんの数秒の間に、空気は吸い込まれ浄化されるのだ。汚れた空気が再び排出されることはほとんど完全にない(競合他社製品では、けっこうフィルターを通らなかった空気が汚れたまま排出される)。素晴らしい。

価格は、タワーファンが7万2144円(税込)、テーブルファンが5万9184円(税込)。発売は4月12日。

本国の都合か、毎年花粉の季節の後にPure Coolが発表されるのはどうかと思うが、本機はこのモデルで完成の域に入ったと思う。買うなら今だ。

(村上タクタ)

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