VRゴーグル決定版Oculus Goの衝撃。数年後、iPhoneのようにあなたも使うはず
FUNQ
- 2018年05月23日
ファミコンや、iPhoneに匹敵するゲームチェンジャー
上の写真のように、飲食店などの公共の場所でVRゴーグルを使っている人がいると違和感があるだろうか?
今はまだ奇異に感じると思う。しかし、おそらく、2〜3年もすると、電車や飛行機などの移動中、カフェなどでご覧のようにVRゴーグルを使う人が増えることになるだろう(そして賛否両論起るだろう)。
10年前。日本でiPhoneが買えるようになった時、多くの人は『こんな遅くて重いデバイスは普及しない』と言っていた。それが、わずか5年ほどで歩きスマホや、普及しすぎが問題になるほどになった。
スマホの次に、我々の生活を大きく変えるのはVR(バーチャル・リアリティ)であろうと思われていたが、先行して発売されていたOculus Riftは高価で、Gear VRはスマホを入れる手間がかかるなど、従来の商品では普及の決め手に欠けていた。
しかし、ついにVRゴーグルの決定版となる商品が発売された。Oculus Goだ。価格は32GBモデルが2万3800円。64GBモデルが2万9800円。
爆発的に普及へのブレイクスルーのために必要なのは低価格、そして必要十分な性能、シンプルな操作性だ。
それを満たした商品が現れると、多くの人が使い始めて、爆発的にソフトウエアやコンテンツが充実し、それがさらに多くの購入者を呼ぶ。
たとえば、1万4800円でファミコンが登場した時。その圧倒的な低価格が、爆発的人気の着火点となった。そしてソフトウェアが増え、ライバルが追従できない大ブームとなった。
Oculus Goは、2万3800円で手に入り、単体で動作し、十分に満足できるパフォーマンスを持っている。
実はOculus社はFacebook社に買収された会社であり、Facebookのプラットフォームと密接に連携している。つまりSNSと融合しており、次世代のSNSとなるかもしれないOculus Roomsを内包している。最初から、ソーシャルと一体化しているのだから、これは強い。
Oculus Goで、何ができるのか?
VR機器の難しいところは、体験してみるまで、何ができるか分からないというところにある。
そして、良質の体験をすると誰でも「うぉーっ! これすごい!」となる。
だが、雑誌や通常のウェブなどのメディアでは魅力が伝わらない。
Oculus Goで何ができるかというと、いろんなことができる。簡単にいえばVR空間に入ることができる。映画『Ready Player One』を見た人なら容易に理解できると思うが、仮想空間の中でいろいろなことができる。
たとえば、360度写真を楽しめる。顔を上げれば上が見えるし、左右も下も見渡すことができる。その動画も楽しめる。
私は見た事はないが(笑)、肌色の多い動画も人気だそうだ。服を着てない女性が周囲にいっぱいいる……というような動画もあるのだそうだ。新しいメディアが勃興する時には、こういうものも大きな原動力になるらしい。私は見ていないが。
ゲームも、あたかもその空間にいるような映像が楽しめる。物陰に隠れるガンマンを打ち倒し、剣を振るってドラゴンを倒せる。
しかし、真骨頂はOculus RoomというSNS空間かもしれない。
自分のFacebookアカウントと連動したVR空間上の自分の部屋だ。壁にFacebook上にある写真を飾ったり、動画を見たりできる。さらに、自分のアバターを作り、Facebook友達のアバターを招待し、オセロゲームをしたり、対話したりすることができる。現時点でもちょっとしたミーティングが可能だし、最終的には多くのミーティングやコミュにケーションはこのVR空間上で行われるのではないかと思える。海外にいようが、自宅にいようが、まるで会って対話しているかのようなコミュニケーションが可能なのだ。
実体は遠くにいる人と、一緒に写真や映画を見たり、ゲームしたりできる。体験を共有できるのだ。
機材に詳しい人はOculus Goの解像度が不足しているとか、アプリの不備などが気になるかもしれない。しかし、10年前、最初のiPhoneは320×480ピクセルの画面しか持っておらず、完全なシングルタスクで、アプリはプリインストールされたものしか使えなかった。Oculus Goはブレイクスルーを切り開く。その後は、毎年のように猛烈な速度で進化していくだろう。
そして、10年後。我々は飛行機や電車などの移動中にVRコンテンツを楽しむだろうし、会社のデスクにモニターはなくなってVR空間の中にダイブしてドキュメントを作るだろうし、ミーティングの何割かはVR空間内で行うようになっているに違いない。
もし、まだお持ちでなければ、一刻も早く手に入れた方がいい。多くのビジネスはVR空間と無縁ではいられなくなる。本も音楽も映像もVR空間上で行うようになり、買物も、コミュニケーションもVR空間を介することになるだろう。
ポストiPhoneの世界は、このOculus Goから始まるのだ。
(村上タクタ)
SHARE