WWDC速報2:大きく変わりそうなmacOS 10.14 Mojave
FUNQ
- 2018年06月05日
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新フィーチャー『ダークモード』
アップルエンジニア向けイベントWWDC 18の現地取材2本目の記事をカリフォルニア州サンノゼからお届けしよう。
連綿と進化を続けるmacOSだが、今回のMojave(モハベ砂漠のモハベ)はかなり大幅なアップデートになりそうだ。
2001年に新世代のOSとして公開されたMac OS Xの16番目のバージョン。10.8 Mountain Lionまで猫科だったコードネームは10.9 Mavericksからカリフォルニアの地名になり、今回もカリフォルニアの地名に。ちなみに、モハベ砂漠はロサンジェルスとラスベガスの間の砂漠というか、西部劇に出てくるような荒れ地です。
カメラ好き大歓喜、ダークモードとギャラリー表示
macOS 10.14 Mojaveの最大の特徴のひとつは『ダークモード』が存在すること。
実際白っぽい画面だと暗い場所ではまぶしいし、写真を扱う人などは、周囲のOSの環境に惑わされて色の微妙なコントロールを誤りたくないものなので、これは良いかも。
メール、メッセージ、マップ、カレンダー、写真など、Macの内蔵アプリケーションではすべてダークモードを使えるそうです。
デスクトップピクチャも時間によって自動的に切り替えることができるようです。複数の時間に撮った写真がちゃんと数多く用意されるといいのだが。
加えて、これまでのアイコン表示、リスト表示などの他に、『ギャラリー表示』が用意される。プレゼンのようにも使える模様。また、ギャラリー表示ではExifデータを閲覧することができ、とりわけ写真の閲覧などの向いていそう。
Mac App StoreにOffice 365やLightroom CC登場!
App Storeはゼロから作り直されシンプルなビジュアルに。
独自のエディトリアルコンテンツが追加された他、人の手によるキュレーションが重視されるという。
また、Mac App StoreにMicrosoftのOffice、AdobeのLightroom CCなどが追加されたというのも驚きだ。
なんとMac上でiOSアプリが動くようになるかも
びっくりの発表だったのは、今後iOSの一部のアプリは、アレンジすることによって、Mac上で動くアプリとしてリリースするということだ。
そもそも、Mac OSとiOSはルーツを同じくする。だから「いつか、iOSにmacOSが統合されてしまうのでは?」という疑問は常につきまとっていた。
しかし、Appleの答えは『No!』だった。
マウスやトラックパッド、キーボードを使った操作に最適化されたmacOSと、タッチ操作に最適化されたiOSを一緒にするのは良くないというのだ。
しかし、構造上、iOSのアプリの要素を使って、macOSで動作するアプリは作れると。
というわけで、第1フェーズとして、Appleが純正のアプリとしてそれをやってみたと。News、株価、ボイスメモ、ホームなどのアプリが、iOSアプリから、macOS用アプリとして作られた。
これはユニークな試みだ。発展していけば200万以上存在するiOSアプリから便利なmacOSアプリが次々と登場するかもしれない(そして、開発者には新たな収益となる)。
Metal 2とCore MLがパワーアップ
3D表示をはじめとした画面表示を強力にするMetal 2と、機械学習をサポートするCore MLは引き続き重点的にアップデートされる。いずれもiMac Proや強力な外部GPUをThunderbolt 3経由で接続することでさらにパワフルな効果を発揮することができる。
追跡型広告をシャットダウン
また、セキュリティに関するアップデートも強力。
MojaveでSafariを使うと、追跡型広告を遮断することができる。しかし、ソーシャルメディアの『いいね』ボタンや『シェア』ボタンなどを使った広告主などへの情報公開が遮断されるというから、これはいろいろと影響も大きいだろう。
また、ユーザがブラウジングする際に、システム情報を簡略化して提示することで、システム構成に基づく追跡を防止。
さらに、ユーザが新規のオンラインアカウントを作成する際に、強力なパスワードを自動的に作成、入力、保存するほか、ユーザにパスワードの使い回しを警告し、パスワードを変更できるようにする。
新しいデータ保護機能では、メールの履歴やメッセージのデータベースなどの個人データにアクセスする場合、事前にユーザの許可を得る必要ようになっているとのこと。
大きく変貌したmacOS 10.14 Mojaveはこの秋に公開される。楽しみだ。
(村上タクタ)
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