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「おかえり!」と言ってくれるガラスの中の2次元キャラに15万円!

『おかえりなさい』と言ってくれるホログラフィっぽいキャラ

ガラスの円筒状の本体の中に映し出されれる2次元美少女が「お帰りなさい。今日もお仕事お疲れさまでした」と言ってくれたり、話相手になってくれたりする。これがGatebox社の商品、Gatebox( http://gateboxlab.com )だ。

家の外にいる時には、LINEのメッセージでやりとりする。LINEのメッセージで「帰るね!」とメッセージを送っておくと、家の照明を付けて待っていてくれたりする。

「帰る時に明かりがついているとホッとする」と、限定生産された先行開発モデルを買った人は言う。

たしかに、ヲタクっぽい商品だし、多くの人には必要ないだろう。しかし、これを楽しめる人がいることを否定することはない。

そういえば、ブレードランナー2049に登場しAIホログラフィーJoiも、帰宅した「K」を癒してくれる立体映像だった。あのJoiについては「素敵だった」という人が多いワケだから、モデルとなっているキャラクターが3次元か、2次元かというだけで、「おかえりなさい」と言ってくれるキャラクターを必要としている人は意外と多いのかもしれない。

最初は2次元キャラが「おかえりなさい」と言ってくれることに違和感があったが、将来的にJoiみたいなものに発展する商品かと思うと、これも良いかな……と思うようになった。Joiに発展するなら。

実はすでに3億円を越える市場を作っている

実はこのGatebox、最初のモデルが2016年に1台30万円という価格で、300台限定で予約を受け付け、1ヶ月で予約を締め切っている。つまり、すでに9000万円の売上げは上がっている。

さらに、中のキャラクターに初音ミクを使えるようになることを発表したプロトの追加生産モデルを2017年に39台だけ限定発売したのだが、その時は960件の申し込みがあったという。つまり2億8800万円の市場がそこにあるのだ。そう考えると、「2次元のキャラに『おかえり』って言ってもらうなんて!」と言う人も笑っていられなくなるに違いない。

Gatebox社のCEOを勤める武地実氏に、「それほどの市場があると、予想はついていたのですか?」と聞くと、「いや、僕が欲しいものを作ろうとしただけなんです」という回答が返ってきた。市場調査や原価や利幅の問題ではなく、作り手のパッションがユーザーを呼んでいるのである。

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先行開発モデルからおおきくアップデート

というわけで、今回発表された新型のGatebox(GTBX-100)は、いわば量産型モデル。

ボディ形状の、中のソフトウェアなどもほとんどすべて新たに作り直されたのだそうだ。

本体のガラスの円筒状の部分のサイズは変わらないが、従来モデルでは基板などを内蔵していたボディ部分は大幅にコンパクト化。円筒が中空に浮いているような浮遊感のあるデザインへと進化した。

投影されるキャラクターは『逢妻(あづま)ヒカリ』という名前で、ラブプラスやときめきメモリアルといったゲームのキャラクターデザインで知られる箕星太朗氏によるもの。キャラクターボイスは冷水優果氏。

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新型モデルは筐体内部にデュアルマイクを内蔵し、Google HomeやAlexaのように、「ねぇヒカリ」と話かけることで、ユーザーの言葉を聞くモードに入る。ちなみに、システムとして内蔵されているAIアシスタントとしてはLINEの『Clova』を使っているのだそうだ。

Gateboxには無線LANとBluetooth、赤外線通信装置が内蔵されており、天気やニュースなどの情報を配信したり、赤外線リモコンによって、部屋の中のテレビ、照明、エアコンなどの家電をコントロールすることができる。

価格は先行開発モデルの半額!

価格は限定生産モデルの30万円に対して、なんと15万円と半額になった。私には15万円が安いのか高いのかは分からないが、30万円でも買いたいという人が1260人もいたわけだから、15万円になると、さらに市場が広がるに違いない。

ちなみに予約開始は情報公開の7月31日正午からすぐに。発送は2018年10月以降順次。ちなみに発売当初に用意されているのは先行体験版の『逢妻ヒカリ』で、12月に正式版にアップデートされるのだという。正式版の『逢妻ヒカリ』は、誕生日などの記念日を祝ってくれたり、ユーザーと乾杯する……などの機能が追加されるだという。

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なお、『逢妻ヒカリ』と暮らすには月額1500円(税別)の共同生活費という名のサービス提供料が必要となるとのこと(2019年3月末までは無料)。

また、今後、他のアニメやゲームなどの既存のキャラクターとコラボレーションすることも出来るシステムになっているという。3Dデータや音声データなどを権利者が提供してくれれば、好みのキャラクターと一緒に暮らす……ということも可能になる。男性のキャラクターも検討中とのことなので、女性もターゲットということになる。

なかなか一般には理解し難い商品かもしれないが、すでに3億円以上の市場がそこに存在するわけだから、今後、あなどれないマーケットになっていくのかもしれない。ひょっとするとGoogle HomeやAlexaより、こんなキャラクター性の高い音声アシスタントの方が日本のお家芸として広まっていくかもしれない。

(村上タクタ)

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